製品スパム警報

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キヤノンのDigital Elphsは7種、Aシリーズ9種、オールインワンのプリンタは15種。

サムスンの米版ウェブにはLCD TVが31種、プラズマは9種でてます。

ガーミンが今サイトで宣伝している車載のGPSポータブル専用ナビは合計32種…。

ひとつの会社から14個違う製品が出ていて、みんな同じに聞こえるのに1個1個レビュー書き分けなきゃならないなんて僕もうウンザリです…。メーカーさんのウェブで「モデル比較」ツール穴の開くほど眺めて眺めて眺めて…結局友だちや会社の人には「安いの買っとけ」でしょう? この一番まともに思える結論に辿り着くまでに、なんと時間のかかることか。

ギズモ編集部ではこれを「製品スパム(product spam)」と呼ぶことにしました。最近この被害がますますひどくなっているようです。

かのバリー・シュワルツ名著『なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴で書いてるじゃないですか。「 選択肢が多いと決められなくて人は優柔不断の山でバッタリ倒れてしまう」と。彼がこの本で言いたかったのは、ジャムを6種試して1個選ぶ人も24種試すと1個も買わない、という厳然たる事実です。

もっともガーミンの場合、ウェブに掲載の製品すべてが米国内で販売されているわけではなく、古いモデルも混じってます。でも、これだけズラリ並べてしまうと製造も大変でしょうけどマーケティングも逆効果ですよね。域外で売る製品や古いのまで並べられても消費者が混乱するだけです。

特にひどいのが携帯業界です。モトローラは「RAZRのひとつ覚え」なんて笑ってる間に他のメーカーさんは全くその逆の問題を抱えてしまってます。大体は30種類ぐらいポニー飼ってるんですが、芸はどれも似たり寄ったりのような…。

Sony Ericssonの米市場向けモデルは34種ですが、全国通信キャリア4社のうち2社だけに対応してる機種がほとんど(アップルは1社ですけどね)。サムソンはAT&T対応端末が20種、Sprint対応20種、T-Mobile対応21種、Verizon対応は(うんと下がって)18種。LGも量産体制は負けちゃいませんよ?

ジョブズ氏が1996年アップルに復帰してまずやったのが製品のストリームライン化戦略でした。1990年代半ばにゴスペルのように広まった考え方ですけど、その製品ラインがシンプルなはずのAppleやRIMでさえ最近は徐々にスパム村に雪崩れこみつつあります。AT&TがWi-Fi抜きのBlackBerry 8320 CurveとWi-Fiつきの8820を売り、T-MobileがさらにWi-Fiつきの8320 Curveを売ってるのは何故? iPodも多様化が著し過ぎます

避けようのないことなんでしょうか…。 そういや、最近はあのハム缶のスパム(上)でさえ7種あるんですよね…(低塩とか低脂肪とかチーズ入りたり抜いたり)。

この製品スパム問題はもう少し取材を掘り下げてみようと思います。企業もそれなりの事情があって分けてるのかもしれないし、そういう事情を無視して批判はよくないですからね。

ちなみにサムスンのLCD31種に対し、ソニーは 21種(プラズマ抜き)、パナソニックは意外と少なくてプラズマが12種でLCDが3種です。携帯ナビ分野でガーミン最大のライバルTomTomも最近ラインナップを拡大しましたが、それでもまだ6モデルです。モトローラは米市場向けのコア端末は7種のみで、そこから全キャリアに対応するようエディションや機能で多様化を図ってます。このストリームライン化戦略はRAZRでは大成功でしたが、RAZR2は…さて? まあ、RAZR2がコケたらそれはたぶん名前のせいでしょう。

ご意見・ご感想お待ちしております(編集部のみんな、取材協力ありがとう)。

 

WILSON ROTHMAN(原文/翻訳:satomi)

 

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