クレーグ・ベンダー博士「人工生命体、つくりました」

071009ArtificialLife.JPGザ・ゲノム・ビジネス―DNAを金に変えた男たち』の主人公クレイグ・ベンター博士の身辺が、また騒がしくなってきましたねー。

ヒトゲノムプロジェクト(ヒトと言っても博士本人の遺伝子が75%、残りは助手2人のものですが)の商利用で物議をかもした博士が、今度は研究チームと共同で完全なる人工合成染色体を作ることに成功、人工生命体の創造に新たな一歩を踏み出したと騒いでおります。

ベンター博士と言えば5年前にも新たな一歩を踏み出したと騒いでた記憶があるんですが、あのとき予告した実験計画が成果をあげたようですね。英ガーディアン誌が週末伝えました。

氏所属の研究機関から2週間以内に成果の発表があるようです。これが本当なら、医学治療、環境保護、エネルギー生成、高度バイオ兵器など幅広い応用が考えられるだけに目が離せません。博士はこの研究のこと、どう語っているんでしょう?

「人類史上、極めて重要な哲学上の一歩。遺伝子コードを読み取るところから、書き込むところに行くんです。仮説の上では、これまで予期もしなかったことが可能になるでしょう」

チームでは58万塩基対の遺伝情報を含む381遺伝子の人工合成染色体(artificial chromosome)を生成し、ゲノムの解読が済んだ中でも最小の細菌 「マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)」(写真上)をベースにDNA配列をなんとか繋ぎ合わせることに成功。元のゲニタリウムからDNAを5分の1取り除いて人工合成染色体と入れ替えても、なんか、死なないで生き続けるようなんです。しぶといですね~。

こうしてできた人造オーガニズム君には「マイコプラズマ・ラボラトリウム(Mycoplasma laboratorium)」という長い長い名前がつきました。「ラボ生まれのマイコプラズマ君」…みたいな意味かしらん?

ただこの人造マイコプラズマ君、再生や新陳代謝を行う部分は細胞内のマシーナリー(機械装置かな?)にまだ頼っている状態なので、新たな生命体と完全に呼べるようなものではなさそうですけどね。

「ポケモンが現実になる」と、米版では気の早い読者たちが期待を膨らませています。科学的証明は言葉より事実。正式発表を心待ちにしましょう。

 

Guardian

HAROON MALIK(原文/翻訳:satomi)

 

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