Windows Mobileのダメなところ、WM7とWM8で直るところ

2007.12.21 15:00
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今度新しく出る2つのプラットフォームではWindows Mobile(以下WM)の弱点がだいぶ改善されるようです。マイクロソフト社から聞きました。

本当は「マイクロソフトは消費者のこと全然わかっちゃいない!」という記事にするつもりだったんですけど、次期モバイルOSも念のため見てみたら僕が教えてあげるまでもないような…。問題は同社WMチームも分かってるようです。希望の光が見えてきましたね。

ともあれ、「Windows Mobile 7」、「Windows Mobile 8」で何が改善になるか、のはなしの前にせっかくですから現況整理しておきましょう。

以下は「Windows Mobile Professional」(タッチスクリーン版)と「Windows Mobile Standard」(タッチスクリーン非搭載。薄め)です。よく見てくださいね。


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WM最大の問題はUI
僕は毎日VistaとLeopardの両方使ってるのでWindowsで問題ないんですけどWMはWindowsじゃないところが問題です。属性がいたずらに複雑でデスクトップと共有できてないのも幾つかあるようです。

マルチタスクしづらい
一度に複数の作業が同時進行できる機能はあります。が、全部「フルスクリーン」なのでアプリからアプリに行ったりきたりが大変。どのアプリ開いてるのか見えるタスクバーもないので、いちいち

スタートメニュー > 設定 > システムタブ > メモリー > 動作中プログラムのタブ
これで初めて何がどうなのか分かるんです。WM6ではドロップダウンメニューを挿入して直りましたけど、それでもまだ煩雑のような…。

プログラムを終了しても終了しない
「x」ボタン押せば終了と思いきや、最小化になるだけ。メニュー行ってプログラム終了か、あるいは新し目のバージョンでは「Home/Today」スクリーンのアイコンで終了できますけど、便利とは呼べません。

ビルドが違うと動作も違う
携帯対応のWPにはProfessionalとSmartphoneという2つのバージョンがあります。形状が異なれば、入力のUIにも別の考え方が必要なので2つになるのは分かるんですが、WindowsのタブレットPCは標準デスクトップバージョンと比べてもそんなに大差ない、ひとつ使い方をマスターすれば他もいけるんですね。ところがWindows Mobile Proのスタイラス入力からWindows Mobile SmartphoneのD-Padに切り換えはそうもいかない…。大体の人はWM端末ひとつ使うだけなので、あんまり知られてない問題ですけど、D-Padも持ち歩くのは面倒です。

超大作なので残りはジャンプ後に。

 
普段使いの機能もイマイチで、たとえばダイヤリング。電話1本かけるのが何故にここまで大変なのやら…。


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(Dialing)


Windows Mobile Professional対応端末は何通りかオプションも揃ってますが…どれもこれも…。

(1)スタイラス引っ張り出して数字をタップ入力→これは両手が必要です。

(2)指先入力→トライはできますが指の腹ではダメで爪を使うと入力はできます。でも誤入力が多過ぎて永久に電話できません。

(3)キーボードをスライドアウトしてQWERTYキーに埋もれているダイヤルパッドでダイヤル→これまた両手と、かなりの集中力が必要です。

(4)連絡先リスト→スクロールで全部見るのに死ぬほど時間がかかります。キーボードをスライドアウトして名前検索もできますが、そうなるとまたまた両手が必要。

(5)音声コマンド→ずっと何年も前からついてるオプションですね。これも動くことは動くんですが…うまく動作しないような…。

(6)重要な番号はスピードダイヤル登録が一番です→これなら間違いなく目的の相手に繋がりますよ? 3回ボタン押すんですけど。

-因みにiPhoneはタッチスクリーンだけ。なのにホームスクリーンで2回キー押すだけでキーパッド、お気に入り、最近の通話、連絡先…全部いけます。以下のギャラリーを見ると、WMが一般向けにデザインされたプラットフォームじゃないことが分かると思います。


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ハイテクな知識が豊富な人でも習得レベルは人それぞれ。親にあげたら使い方わかんなくて何回も電話かかってきそうです。

WMのコアのアプリはIE、SMSクライアント、メール専用クライアント、WMPのスイートですが、どれも使い勝手は他のスマートフォンの標準以下という気が…。

こうして見てくるとWMはじめ全Windows CEファミリーのシェアがたった0.06%で、iPhoneブラウザの市場シェアは既に0.09%というのも頷けるような気がします。…理由、ですか? きっと誰もIEの現バージョンでオンラインにいきたくないんでしょう。ウェブページの最適化も不十分ならインターフェイスも使いづらいですし、次のバージョン待ってるのかも。

上級者はサードパーティーのアプリで一部解消できる
デフォルトのダイヤルパッドが小さすぎるなら新しいダイヤラー専用スキンをDLして内部ストレージやメモリーカードに転送する方法もあります(19.99ドル余分に嵩みますが)。

ソフトはそれぐらいにして、ハードはどうでしょう? 「WMはパワーが足りないから遅いの?」
-この疑問に対する答えはYESとNO両方ですね。 T-MobileのHTC WingやAT&TのTiltのような電話は老人の太極拳みたいに遅い(YES)し、SprintのHTC Mogulは雷光のごとく速いわけ(NO)でございます。

ハードが足りないなら、メーカーを責めるし、AT&TのミュージックストアだとかSprintの動画ショップとかみたいに誰も使わないジャンクで電話に負担かけ過ぎてるならキャリアを責めます(新品のパソコンに宣伝のバンドルがたくさん入ってるのに近い)。ひとつでも不出来な電話があるとプラットフォーム全体の評価がダメージ受けますからね。

実際はどうかと言うと、WMはなんでもできるんです。Officeの文書編集Exchangeのメール送受信ウェブ閲覧IMのチャット、1つ1つの曲がり角まで道順を教えてくれるGPS順路案内動画視聴などなど。機能はあるのに宝の持ち腐れで、エクスペリエンスが備わっていない。でもそれはWMのチームも熟知しているようですね。

以上述べたようなWMプラットフォームの問題解消に向け、マイクロソフトは以下のような取り組みを進めています。

When companies add apps on top of the core, things start to wobble. Product manager Derek Snyder told me that Microsoft will raise the bar for minimum requirements to a level where phones can be loaded with more software without slowing down the most basic of tasks (e.g. sliding open the AT&T Tilt from portrait to landscape mode).

WinMoフォンがむちゃくちゃ遅かったとしても、それはメーカーさんがRAM、ROM、CPUの最低基準を満たしていないことより、ソフトが最適化されてないことの方に原因があるようです。これは往々にしてサービスプロバイダーのミス。例えば同じ400MHzのプロセッサを搭載したフォンが2つあっても、プロバイダがどこまで最適化をするか、その度合いで全く違う製品になりうるわけですね。なので自分が今お使いのフォンが遅いならプロバイダを責めましょう

これと同じ観点から、WMのOSチームは実はUEを良好に保つよう、OSの「コア」機能にはハード必要量の最低基準を設けているのですけど、その基準が低いのかもしれませんね。だからコア機能の上に各社がアプリを追加するとガタガタが始まるんです。

そこでマイクロソフトは基本タスクに遅れを来たさず、尚且つもっとソフトが搭載できるよう最低基準を上げるようです。製品マネジャーのデレック・シュナイダー(Derek Snyder)さんが教えてくれました。WMのチームはこれまで企業向けに注力し、 IT業界の顧客にバーティカルに活用できるExchangeサポートなど各種機能を提供してきた。でもこれからは「ビジネスのことは十分対応できているので」、コンシューマ向けの製品作りにも注力していくとのことです。


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(WindowsMobile 6.1)


このフォーカスは、先週お見せしたリークしたWindows Mobile 6.1の詳細を見ても分かると思います。もっとストリームラインなスクリーンで、一度に数種類のタスクしか見えないようになってます。 コーラーID専用ボックスを見ると誰からの電話か一目で分かるし、SMSはスレッド付き。スタートメニューに行けば最近使ったプログラムのリストも。全部解決したわけではないですけど、大改修に向かう小さな一歩となるでしょう。

WMの次バージョンは期待できそう
マイクロソフトはまずIE、メール、SMSなど主なアプリケーションスイートをリツールし、IEもiPhoneのSafariブラウザ並みの標準まで上げていくそうですよ? ズームやスケーリングといった「デスクトップ並み」のブラウジング環境を実現し、楽曲・写真機能もPalmやiPhone、Symbianで可能なことを自社アプリにも取り込んでいくようです。

Zuneのチームとコラボの可能性も現在話し合われているようですが、それは未決定事項とか。

WMの真価は次の次のWindows Mobile(WM8)で分かる?
水道管の入れ替え工事も終わって仕切り直しのスタートとなるのがWM8。待望のバージョンになりそうですね。UIは一からデザインをやり直し、世界検索などの「革命的」機能、端末内の自動化&コネクションといった新概念(他社のスマートフォンOSから拝借したアイディア)も折り込んで、例えば連絡先のコンタクト情報からワンクリックで現住所のマップが呼び出せたり…そんな直感的フローをたくさん採用していくようですよ?

機能があるのに使いづらい。その点はデレックさんも認めてました(結構度胸が要ることですよね)。今より堅牢かつ使いやすいプラットフォームに期待しましょう。


[写真クレジット : Windows Mobile 6.1(c)Boy Genius Report; Dialer(c)ZDNet; WM Standard(c)Into Mobile

JASON CHEN(原文/訳:satomi)


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