イージス弾道ミサイル防衛が見事スパイ衛星を撃ち落とす瞬間を捉えた動画

日本のイージス艦が漁船と大変なことになっている間に、ハワイ沖では米海軍のイージス弾道ミサイル防衛システムが、制御不能になったスパイ衛星の撃ち落とし見事成功したようです。上がその命中の瞬間を捉えた動画(爆発は1'23")。

今回使った迎撃ミサイルシステムは1980年代半ば、レーガン政権の戦略防衛構想(SDI)の一環で誕生したものです。「うまくいくわけない」という多くの専門家の非難もあっただけにペンタゴン(国防省)にとってはまさに快挙。アメリカ軍統合参謀本部副議長カートライト将軍(絶対ジャック・バウアーのお兄ちゃんですよね…)もクールな中に喜びを隠せない様子ですね。

ミッションの流れを整理しましょう。

10:26PM EST

ハワイ沖北西のイージス艦レイク・エリー(タイコンデロガ級ミサイル防衛艦)からキネティック弾頭を搭載したスタンダードミサイル3(SM3)発射

10:50PM EST(24分後)

ヴァンデンバーグ空軍基地の共同宇宙事業局が「地上153海里(247km)の空中で衛星を直撃・破壊した」ことを確認

地球人に危険が及ぶ有毒物質を含む燃料タンクは完全爆破する必要があったのですが、そちらの確認は100%は取れてない模様。でも国防総省は成功を宣言してます。本当に難しいミッションでしたからね。

専門家たちはこれまで、米国防省が開発した弾道ミサイル防衛システム内のイージス弾道ミサイル防衛は「こういう用途のために作られたものではないので命中できないだろうし、破壊力もない」と非難してきたわけです。そう結論付ける理由は以下3つ

 (1)長射程スタンダードミサイル3(SM3)内から発射するキネティック弾頭は爆発ではなく、段階的衝撃力でターゲットを破壊するよう作られたもの。従って、こちらに向かってくるミサイルを破壊するには十分でも、もっともっと大型の衛星の破壊には不十分だろう。

(2)ターゲットの移動速度。イージスの普段のターゲットのミサイルの2倍のスピードで移動している(クロージング時点で推定毎秒10km)。

(3)追跡システム。これも元々高い軌道上で行う作戦用にはデザインされていない。

でもでも、動画を見るとキネティック弾頭が直接ターゲットを跡形もなく粉々にしてることが分かりますよね? ああ、これで世界も安泰ですね。テキサスの10倍のアステロイドA542Bが上空から降ってくるまで枕を高くして眠れそうです。

UPDATE: 誤植3点訂正しました。ご指摘のコメント、ありがとうございます。イージス弾道ミサイル防衛の解説はこちらです。

Wikipedia, Defense Tech Org and BBC

JESUS DIAZ(原文/訳:satomi)

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