風船に乗ってGPSを持って神を探しに空の彼方に消えた神父(動画)

 

「ジャンプして空に触れたい」-誰でも子どもの頃は夢見ることですよね?

Adelir de Carli神父もそんな夢を抱える1人でした。

ただ神父の場合、操縦士になって飛ぶんではなく、少年の頃の夢そのまんまな冒険に飛び立ったんです。そう、1000個ものパーティー風船で大空に飛び立つ冒険です。

テスト飛行の初回大成功。ブラジルの町Ampéreからアルゼンチンのサンアントニオまで全68マイル(約109km)4時間15分で飛びました。アルミホイルのパンツとDIYの椅子という風貌で、風船を減らして高度を下げていき無事着地!

でも、2回目大失敗です。GPS抱えて飛び立ったのはいいんですが、使い方もよく分からないまま消えてしまいました。

 

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神父が飛び立ったのは日曜午後1時の特別なミサの後です。天候は悪かったんですが、神父には気になりませんでした。今回はパーティー用風船の飛行記録更新が目標。新兵器のGPSさえあれば、何か起こっても正確な場所が教えてもらえるから安全です。

ところが予定は狂って強風にあおられ海方31マイル(約50km)に軌道がずれて…。その直後、ジリジリした神父は地上にこう助けを求めました。:

 

「誰かこのGPSの使い方教えてくれる人に連絡取りたいんだが。そしたら緯度・経度も伝えられると思う。それしか地上のみなさんに私の居場所を知ってもらう方法はない」

でも悲しいことに誰も正しい使い方教えてあげられる人はいなかった。

そして午後9時の交信を最後に連絡が途絶えてしまったんです。

捜索活動は軍警察用ヘリを投入し、地元の漁船の協力も得ながら2日に渡って行われました。しかし、見つかったのはSanta Catarina沖隣の風船の破片だけ…。神父の行方は未だに不明です。

「なんで最初にGPSの使い方マスターしてから飛ばないんだ!」

と思ってしまいますけど、この話で注目したいのは「今の技術がいかに使い方が難しいか」ということでしょう。取説読んだり指示がないと使えないガジェットって、やっぱりガジェットとしてどうなんでしょうね?

 

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朝から晩までガジェットいじってる僕は一応「ハイテクのエキスパート」ということになってますけど、 それでもUI悪夢なガジェットもあります。テクノロジー経験ゼロの人でも無理なく使いこなせる明瞭なデザイン、分かり易いインターフェイス。取説なんてこれが実現できないガジェットの言い訳ですよね?

この悲しい出来事は、ちょっと常軌を逸した神父の落ち度と見ることもできますが、そういう側面もあると思います。もちろんGPSのせいではありません。不運のせいです。初回はGPS抜きで成功だったわけだし、人間は何千年も昔からGPS抜きで地球をあまねく冒険してきたんですから。

問題は神父のフラストレーションが痛いほど分かることです。自分の居場所をみんなになんとか伝えようと必死でデバイスいじってる神父。格闘しながらも、もう心のどこかでは巨大な海に永久に呑まれて消えてしまうことが分かってる…。

こんな生死の危機に晒されることは普通ないですけど、メーカーさんたちも技術が普通に使えるようにするところにお金と情報をかけてくれたら嬉しいですね。回路とかソフトいくらつなげても表のUIが最悪だとユーザーを退けるだけ。そんなデバイスではなく、使う人を助け、使って楽しいデバイスを作ってもらえたら最高だなあ、と思いますね。

 

[G1 and G1]

Jesus Diaz(原文/訳:satomi)

 

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