下水ガスで「サスペンデッド・アニメーション」状態になれる!?

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臭いものにも使い道はあるようで。

宇宙飛行士が何年宇宙を旅しても年を取らぬよう、映画なんかではよく「サスペンデッド・アニメーション」という状態に置かれることありますけど、あれって本当に実現可能かもしれないのです。しかも思ったよりプロセスは簡単で、下水ガスをたっぷり吸うだけ。あとはコトンと眠りに落ちて、ずっと年を取らないでいられる…かもしれない、というお話。

硫化水素というと腐った卵の悪臭の元。火山の硫黄みたいな、あの独特の臭いで知られますけど、あの硫化水素をマウスに少量摂取させたところ、体内のメタボリズムも心臓血管機能も安全に逆方向に抑制が働くことが、ボストンのマサチューセッツ総合病院(MGH)の科学者たちの研究で明らかになりました。

あまりの悪臭に体も順応するんでしょうかね? 実験を行ったMGH麻酔・救急治療部門チーフのウォーレン・ザポール(Warren Zapol)医学博士はこう語っています。

「硫化水素は臭いガスです。作業員が下水でこれを吸うと死亡の可能性もあるものですけど、少量に分量を管理しながらマウスに摂取させると、数分以内にメタボリズムの抑制が完全に逆に作用するかのような効果が生まれるのです。…つまり瞬時にサスペンデッド・アニメーションの状態に近いものになる。その心収縮、血圧、臓器perfusionの温存の度合いには素晴らしいものがあります」

実験ではガス吸引開始からものの数分以内にマウスに効果が現れ出し、空気供給が普通に戻って30分以内でその状態から抜け出すことができたそうですよ? 体温低下に頼るんじゃなくて、心拍数はだいぶ落ちるのに血圧は下がらないんだそうな。すごいですねー。

これ、人間に応用できるなら、「瀕死のトラウマに陥った負傷の後など、酸素供給を控えておけば、その間は内臓機能を温存できることになる」そうです。つまり浦島状態で長期宇宙旅行も? いずれは下水ガス込みの臨死体験とかも可能になるかもしれませんね!

詳細は麻酔学の専門誌『Anesthesiology』4月号掲載中。以下のリンク先にもサマリーがあります。

Eurekalert via io9

Adam Frucci(原文/訳:satomi)

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