OLED(有機EL)について知っておくべきこと

2008.05.30 16:00
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プラズマLCDにHDTV…みんなかつてない進化を遂げてますけど、これが今のテレビなのに対し、OLEDは未来のテレビです。この上の写真は先日「All Things D」カンファレンスの会場で披露されたソニーの超薄型&超美麗&超高価なOLED。

もっと近寄って見てみましょうか…。


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トランプ並みの薄さ (写真ギャラリー


OLED(有機EL)は「有機発光ダイオード」の略。通電すると光る部分に有機のものがありますよ、という意味です。

この粒子くんたちときたら自分の力で光り輝けるので、LCDみたいなバックライトも不要。だからペ~ラペラなトランプ並みの薄さで、LCDやプラズマよりも格段に少ない電力で大丈夫なんです。

問題はまだ作るのがものすごーく大変なことで、そのぶんお値段も法外に高いし、サイズも「ここまで作るんでやっとよ、はあ…」みたいな。ちっこさ。

本誌ウィルソン君とベニー君がOLEDパネル作ってるUDCの工場に昨秋お邪魔した時の動画は下でどうぞ。あのハンマーで叩く動画もこの時の取材で撮ったものです。まるで昔の『ホットゾーン』連想しちゃうようなクリーンな場所ですよ?
 


詳しい報告は こちら(英語)。

要はリン光を発するカラーの粒子を基板(ガラスか金属かプラスチックのスクリーンです)にヒューズさせるんですけど、これには以下4つの手法があります。

• 真空蒸着法(Vacuum thermal evaporation)
• 有機気相成長法(OVPD: organic vapor phase deposition)
• インクジェット印刷技法(Ink-jet printing)
• 有機気相印刷技法(Organic vapor printing)

どれもリン光性物質のピクセルサイズの極小さな点の扱いは異なるんですが、値段はどれも「pain in the ass(=高価)」です。

最初の2つのテクニックでは基板を空中に浮遊させなきゃならないので、大きなスクリーンは実現が難しいんです。ソニーの魔法のテレビがたった11インチなのに上質なプラズマより高くて、サムスンの31インチ型が奇跡に近いと言われるのも、それが理由。

OLEDの一番の問題点のひとつは、有機物質が時間の経過とともに劣化することですね。一番劣化が速いのは青です。ソニーXEL-1の半寿命はわずか約1万7000時間で、指定の3万時間じゃなかったし、6万時間以上の寿命を誇るLCDやプラズマの足元にも及ばないんでございます。

あと、これはみなさんご存知ないことかも。OLEDがLCDやプラズマより消費電力少ないのは先に書いた通りですけど、OLEDはエネルギー必要量がコンテンツの中身に左右されない。つまり映画『バットマン ビギンズ』の真っ暗闇のシーンも真っ白な壁もワット数は一緒なんです。面白いですね。

でも、きっとこれから老いぼれて意地悪になってくオバマを映すテレビは…OLEDですよ? 有望大型OLED TVの大量生産がもう数年以内に迫ってます。これで価格とサイズも手ごろになるのかな? …欲しい!


Giz ExplainsSilicon Alley Insider

matt buchanan(原文/訳:satomi)


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