DARPA50年の歩みを10の発明で振り返ってみる

DARPA50年の歩みを10の発明で振り返ってみる 1

今年、米国防総省国防高等研究事務局(DARPA)が創立50周年を迎えたそうです。

50年前のスプートニク・ショックを受けて、当時のアイゼンハワー大統領の命により生まれたという経緯を持つ、国防総省国防高等研究事務局。いままでの発明の中から『New Scientist』が選りすぐった10の発明リストを、「世界を変えた5つの勝ち組発明」と「5つの負け組発明」に分類したようなので、そのステキな発明を振り返りつつお祝いをしてみました。実はスゴイ発明も入ってる、発明リストは以下から。

 

 【5つの勝ち組発明】

●インターネット

はい、ARPANETです。日々みんなを癒してくれる通信ネットワークです。でも発明時は、ポルノ/音楽/映画の3大取引の舞台になるなんてことは、青写真には無かったんでしょうね…。

●GPS

この、私たちがどこにいるか人工衛星を利用して確認できるというアイディアは、Sputnikと同じぐらい古いそうで、DARPAはターゲットまでの弾道測定を目的にGPSを長い長い道のりを経て完成させました。この発明も、今、iPhone 3GにGPS機能が! とか、みんなが便利に好奇心を満たすためのガジェットとして利用するなんて、考えてもいなかったですよね。

●音声翻訳システム

イラクで働く兵士たちが現地の人々と円滑なコミュニケーションとることで、平和への道をスムーズに歩んでいけるようにと、手で持ち歩けるコンパクトな翻訳機を開発し、実際に使っていたそうです。でもイラクでは、もうコミュニケーションで円滑にっていう雰囲気ではないですよね…。その他の平和な国への旅行には、役立つアイテムですけれど。

●ステルス戦闘攻撃機

ステルス戦闘攻撃機の技術は、かなりコソコソと開発されていたそうです。空軍の高官達にすらコッソリと。なので、オリジナルのF-117用のプロトタイプだと知った時は、皆「寝耳に水」状態でショックを受けていたとかいないとか。それにしても、レーダーに気付かれず敵地の奥深くに侵入なんて、すごいですよね。

●ガリウムヒ素

ガリウムとヒ素の化合物。ヒ素化合物の中では毒性は弱いけれど、酸や蒸気との反応で有毒なアルシンを発生させるそうです。DARPAのインテリは「KGBの工作員3人よりもガリウムヒ素の方がよっぽど使える」と発見したようです。これまた、もともとは、恐ろしい目的を達成するための発明でしたが、現在では全て日常用のエレクトロニクスで目にすることができる物質になりました。でも、環境的な面であまり良い話を聞かないので、今後は少しずつ消えていくのかもしれません…。

【5つの負け組】

●ハフニウム爆弾

DARPAは、核の死の灰は生成しないけど、強いガンマ線を発して、ものすごい破壊力を備えたハフニウム爆弾の研究に700万ドルをかけたそうです。でも、幸か不幸か!? 成功した試しがないそうです。

●機械の象

アルプスの峠を象でこえたカルタゴの将軍ハンニバルはこれを誇りに思うに違いありません…!? ベトナム戦争中、DARPAの諸君達はその地域に合ったロボットが欲しいと思っていました。それは、ジャングルの多いベトナムなだけに、象型ロボットだったのです。この要望にはDARPAの管理者でさえ、ちょっと困惑してしまったそうです。

●テレパシーでスパイ

1970年代には、霊能力があると主張した人は、政府からけっこうな額の財政支援を受けていたそうです。たとえ、プロジェクトが失敗だったとしても、霊能力があるふりをして、リッチになるなんて、ある種の第6感があるような!?

●フューチャーマップ(政策分析市場)

これは、テロ攻撃の予測に役立つとして先物取引市場を設立するという計画です。テロなど、さまざまな将来の出来事についてあたかも株式のように先物売買することによってトレーダーたちが賭けを行い、価格が上昇すればするほど事が起こる可能性が高いと判断できるという仕組みだそうです。でも、「残虐行為とテロリズムに関する、連邦政府公認の賭博場というアイディアは馬鹿げており、グロテスクだ」など、激しい抵抗にあい、詳細が明らかになった途端に中止したプログラムの1つだそうです。

●オリオンプロジェクト

これは、核パルス推進を動力にして宇宙船を動かすというもの。核融合による爆弾を宇宙船から後部に放出し、後方200フィートのところで起爆。アルミニウムの板で爆発の衝撃を受けて進むという計画だそうです。性能の見積もりではかなり優秀で、「1年のうちに地球から冥王星に到達して戻って来られるかも!?」とも言われていたそうですが、1963年の部分的核実験禁止条約によって計画は終わりを迎えたそうです。この中止については、沢山のオタッキーな青年たちが涙を流したのではないでしょうか…。

それでは、この10個のプロジェクトの詳細と次の50年にリスト入りしそうなクレイジーなプロジェクトは、参照元リンクにてチェックしてみてください。

New Scientist

Wilson Rothman(原文/junjun )

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