ジョブズには自らの健康状態を公開しない権利がある

ジョブズには自らの健康状態を公開しない権利がある 1
ニューヨークタイムズのJoe NoceraはWWDC以降、アップルのCEOスティーブ・ジョブズの健康問題をしつこく追求してきました。そして…とうとう…ジョブズ本人から電話がかかってきたそうです。会話は上等なすべりだしとはいかなかったようです。

「スティーブ・ジョブズです。あなたは、僕が法律なんか超越してる傲慢な××だと思ってるんでしょう。そして僕はあなたのことを、僕について不正確な報道をするスライムバケツだと思ってます。」

そして、両者がオフレコで会話することを条件にジョブズが彼の健康問題について率直に語ったそうです。ひとことでいうとガンは再発してないそうです。やせたのは他の原因だそうです。Noceraが今日のニューヨークタイムズに記事を書いています。ジョブズはアップルのCEOとして健康状態を公開する必要がある、と主張しています。主に株主のためだそうです。

本当にそうする必要があるんでしょうか? 僕は疑問に思います。

もちろんジョブズの健康状態はウォールストリートの重要な問題ではあります。ジョブズのユニークなビジョンが今のアップルの成功の大きな要因なことはたしかです。少なくともそれは伝説です。その伝説は記者やアナリストが作ったものです。マスコミは歴史をドラマチックにしてヒーローや悪役を作るのが好きなんです。そして、実際の歴史におけるたくさんの事実を無視してストーリーを作るんです。

どっちにしてもスティーブ・ジョブズが人間なことに間違いはありません。そして、アップルのような企業の成功には、他にもたくさんの要素が貢献しているという事実を見るべきです。幸運もあったかもしれません。しかしディレクターたちのすばらしい才能(例えばSchiller、Rubinstein、Iveなど。)それにアップルで働く多数のすばらしい技術者はどうなんでしょう。そしてハードワークと献身を重ねて来たそれ以外の従業員たちはどうなんでしょう。

ではそうした事実を全部脇においておいて、例えばジョブズがアップルの成功に全責任を負う人物だったと仮定してみましょう。

その場合株価のために彼の健康状態を公開するべきでしょうか?

そんなことはないでしょう。

彼がアップルを救った立役者だったとしても、彼が健康状態を世の中に発表するべきだとは思いません

考えてみてください。あのケネディ大統領でさえ、健康状態を国民に明かしてはいませんでした。アジソン病のことは、質問されても隠し通したんです。

それならアップルのCEOにも健康状態を公表する義務はないでしょう。

プライベートの中で、自分の身体についてのことは一番人に触れられたくない部分です。その点についてはアップルのファンボーイもアンチボーイもジャーナリストも投資家も、反対する人はいないとおもいます。

それに、ジョブズがアップルを去っても投資家はアップルを見捨てないと思います。いまやiPhoneにiPodにiTunes、それにMacも好調です。たくさんの企業が、才気あるリーダーを失ってからも生き延びています。IBM然り、ディズニー然り、そしてソニーもまた然りです。

スティーブ・ジョブズが素晴らしいといっても、アップルは彼が去った後もちゃんと生き残るでしょう。個人的にはジョブズに好きなだけアップルにいて欲しいと思ってます。今のアップルはジョブズの元で技術の可能性を押し広げ、工業界を、そして世界をリードしています。いつかジョブズがアップルを去る日が来るとしても、それは病気のためじゃなく、楽しい第二の人生のためであって欲しいものです。

もし彼が致命的な病気になって、アップルを去る日がきても、ただ、役員会が他の人を選ぶだけです。以前そうあった通り。普通の企業でもよくあることです。で、手術なりなんなりして復帰すれば何事もなかったかのように物事がいつもどおり進んでいくでしょう。

で、そんな日が来るまでは、ジョブズにはアメリカに住む一個人として病歴など公開しない権利があります。それがコモン・センスというものではないでしょうか。

[NYT]

Jesus Diaz(MAKI/いちる)

 

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