衝撃走る、アップルのMacworld撤退発表… ジョブズの行く末を占う、その真相に迫る!

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われらがジョブズは、まさかの危篤状態だったりするんでしょうか…。

さまざまな新製品サービスが発表されることへの期待が高まり、もはや開催まで1カ月を切って、カウントダウンの様相すら呈しつつあった「Macworld Conference & Expo 2009」が、今回の開催で、アップルにとっては最後になることが発表されちゃいましたよ。しかも極めつけは、これがなくちゃ始まらんだろう…という、あのプレゼンテーションの妙手ともいうべきアップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏の欠席であります。もうMacworldで、すばらしいジョブズ氏の感動の基調講演を聴くことは、永遠にないんですね…

それにしてもさぁ、一体このタイミングで、突然の中止撤退発表とはなんぞや!

そう胸のつかえが取れない、なんとも解せないという気持ちでいっぱいの皆さま、米ギズ編集チームが、総力を上げて、現在アップルの裏側で何が起こっているのかを分析してくれてますよ。どうぞ続きにて、その迫真のレポートをご覧ください。長いですよ。

 ●アップルにとって、もはやMacworldは不要なのか?

今回の開催を最後に、アップルがMacworldから撤退することへの表向きの理由としては、「もはやこうしたプレス向けのビッグイベントは、アップルにとって必要なものではなくなった」ということが挙げられていますよ。例えば、アップルは、世界各地に250に上る直営の小売販売店を抱えており、そこに通う人々の数は、毎週350万人を超えているのだとか。また、アップルの公式サイトを訪れるユーザー数も、同じく全世界で数百万人規模となっているため、アップルとしては、わざわざMacworldなどに出展せずとも、十分に魅力あるユーザー層へとリーチが可能であると説明されていますね。

まあ、確かにアップルは、このところ立て続けに、NAB、ニューヨークで開催されるMacworld、東京でのMacworld、フランスでのApple Expoという感じで、次々と大型イベントの開催を取りやめてきましたけどね。

ただし、この毎年1月にサンフランシスコで開催されてきたMacworldに関しては、やはり別格の伝説的イベントとしての位置づけが強かったことを、忘れることはできませんね。だって、あの衝撃のiPhoneデビュー、さらにはMacBook Airという、新境地を開くことになった製品の発表は、すべてこのMacworldで、しかもCEOのスティーブ・ジョブズ氏自らが、絶妙のパフォーマンスで基調講演を飾ったからこそ、あれだけのインパクトで世に送り出せたのではないでしょうか。

だから、アップルとしては、あくまでも金に困っているので、Macworldから撤退せざるを得なくなるのではありませんし、クパチーノの本社では、これからも新製品サービスのプレス向け発表イベントが開催されるんでしょうけど、やっぱりMacworldが幕を下ろしてしまうとすれば、寂しい気持ちになりますよね。

ただし、この1月というMacworldの開催時期が、新製品の発売という観点からは、最も儲かる年末のクリスマス商戦から程遠い、最悪のタイミングでしかないので、それもアップルが、Macworldを好まない理由に挙げられているという話もありますが。

ジョブズ氏の健康状態への不安

それにしても、たとえこれがアップルにとって最後のMacworldとなるとしても、そこにジョブズ氏さえ現れることなく、大きなクライマックスとすることができないと、この最悪のタイミングで発表しなければならないことに、一体どんな意義があるというのでしょうか?

そもそも、いずれはジョブズ氏もCEOの座を退き、アップルから去らねばならないことなど、もうだれの目にも明らかなことではありましたよね。じゃあ、その花道として、史上ラストとなるMacworldの基調講演で最後を飾り、噂になっていた、最新型の「Mac mini」だの、スリムデザインになった「iPhone nano」だの、格安モデルの「Netbook」のMac版だの、感動と驚きの発表の連続で、堂々とジョブズ氏が聴衆を魅了して、自らアップルを去る発表をするなんて、そんな流れだって、十分にあってもいいですよね。

それが、今回の基調講演は、いきなり降って沸いたかのように、世界製品マーケティング部門を率いる上級副社長のPhil Schiller氏を起用と、衝撃のアナウンスです。しかも表向きには、「もはや撤退が決まっているMacworldに、ジョブズという大物を送り込んでまで投資する意義はない」なんて説明が加えられていましたけど、これには裏が大アリでしょうかね。

米ギズ編集チームが予測した、最悪の事態はこうです。つまり、もうジョブズ氏の健康状態は、思いのほか急速に悪化してしまっており、たとえわずかの瞬間でも、ジョブズ氏を基調講演に登場させて、その後の製品サービスなどの発表は、他の開発チームを率いる面々に譲るといったシーンでさえ、実現不可能なまでの、危篤に近い状況にあるのではないか…というものですね。

これでも最悪のタイミングは避けられたのか…

以前からガンを患い、闘病生活でも知られていたジョブズ氏が、いつどのようにアップルを去ることになるのか?

だれもが触れたくない話題だったんでしょうけど、まさかジョブズ氏が死を迎えた瞬間、そこでアップルから去ることになるというタイミングほど最悪のものはないでしょう。現に今回の一連の中止撤退発表などを受けても、まだアップルの株価は、下落こそしましたが、幸い大暴落という反応には至っていませんからね。

でも、もし仮に現時点で、ジョブズ氏の訃報なんて、万が一にも伝わってしまったりしたら、どのような反響が市場で生じるでしょうか? それは考えただけでも恐ろしいことですから、やっぱりアップルとしては、そろそろ穏便に、ジョブズ氏から他の人物へと、権力の委譲や、社内経営体制の刷新などを図っていきたいところなのでしょう。

だから、まだ少しはジョブズ氏も元気でいる間に、なんとか早目に経営シフトを進め、そのことを世間にも知らしめて、来たるべき事態への衝撃を和らげる意味でも、このタイミングで今回の発表をすることこそ、現状では最善と判断したのではないかとの分析が、最も有力であろうと、米ギズ編集チームはにらんでいるようですよ。

そもそも社運のかかる株価の動向が、ジョブズ氏という1人の人物の命運に左右されてしまいかねない現状を、アップルとしては、一刻も早く打開していきたいというのが本音なんでしょうね。

ただ、それをやるならやるにしても、もう少しスムーズに、ジョブズ氏にMacworldで花を持たせるとか、そういう手段もあったはずですから、やはり今回のタイミングで踏み切らざるを得なかったことには、並々ならぬ事情があるとしか考えられません。

ジョブズ氏なき後のアップル

ジョブズ氏の後を継ぐ人物としては、COOのTim Cook氏も有力だったんですけど、ここで代わりに基調講演でPhil Schiller氏が出てくるということには、何らかの大きな意味合いもあるのではないでしょうか。

とにもかくにも、ジョブズ氏が本当にアップルを去ることになったとしても、すぐにアップルの製品サービスの方向性に、重大な変化が訪れることはないと考えられているようですね。だって、来年中に発表される製品ならば、もうとっくに現時点でも準備が急ピッチで進んでいるところでしょうから。

やはりまず最初に惜しまれるのは、ジョブズ氏のプレゼンテーションの才能でしょう。また、たとえこれまでアップルが描いてきた製品ロードマップに遅れが生じることはなく、今後数年はジョブズ氏の息がかかるアップルの姿を見られるとしても、その後の将来に関しては、やはり不安が残ることは否めないかもしれませんね。

これぞMacworldで最大の発表だった可能性

来年のMacworldの基調講演当日でも、今回の撤退アナウンス以上のインパクトを持つ発表は聞けないかもしれませんね。そして、アップルも、それを知って、わざと今回の発表タイミングを計算してきた可能性だってあるそうですよ。だって、一般に米国では、あまり広まってほしくない、それほど大々的に取り上げられてほしくないアナウンスは、これから週末の休みに入る金曜遅くに、こっそりと出してきちゃったりするのが常ですから。わざわざ米国時間で火曜日に今回の発表をしてきたところに、意外にアップルの巧みさが関係しているのかもしれませんね。

ま、なにはともあれ、ジョブズ氏には、まだまだ元気に長生きしてほしいと願うばかりです。だって、何も彼の健康状態について、公式に発表があったわけではありませんから。

それにしても、実は本当はジョブズ氏の健康状態には何ら異常がなく、ただMacworldで大した発表製品がないので、単に彼にご登場願うまでもないなんてのが真相だったりしたら、これはこれで寂しすぎますね…

果たして、その真相やいかに?

matt buchanan(原文/訳:湯木進悟)

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