Palm Preがすごい(初見&動画&レビュー&株&価格予想)

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今年CESの目玉のひとつは「Palm Pre」。

モバイルの寵児として生まれ激しい競争に晒されているパームが起死回生をかける、ポストTreoのPalm新OS搭載マルチタッチ携帯で米Sprint社より2009年前半発売が予定されています。

価格未発表。下馬評では199ドルだったのですが「iPhoneより良いものを何故おなじ値段で売るのだ」というCEO発言で200ドル以上、ことによると399ドルという憶測が呼びかってます。

Pre発表の当日、パーム株は34.85%アップ

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久々に「パーム健在」を強烈に印象付けたPreと新OS。その発表から動画ハンズオンまでひとまとめに、どうぞ!

1. 基調講演

ロバート・スコーブルら著名人が大勢詰めかけた木曜の基調講演会場は、普通のCESとは一味違う、アップルを思わせる熱気に包まれました。台風の目はたぶん、このお方。

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そうです。アップルiPod部門元ヘッドのジョン・ルーベンシュタインPalm会長ですね。

講演では氏がまず登場しアップル時代のこと、アップルを辞め荷物をまとめてメキシコに高飛びした話を紹介、「モバイル端末こそが次代のテクノロジー潮流だ」と檄を飛ばしてエド・コリガンCEOに代わりました。

「技術を『目に見えないもの』にすること」が目標。そう語るコリガンCEOは、「パームにとっては単なる機能やボタンより、ライフスタイルとユーザビリティが大事」と、Palm Pilotを例にとって紹介。「モバイルは我々のDNA。当社はコンピュータはやらない。冷蔵庫もセットトップボックスもやらない。当社がやるのはモバイルだ」と、同社のルートを再確認しました。

新端末「Palm Pre」は、「毎日の暮らしを効率的にする」端末です。3.1インチの480x320のマルチタッチスクリーン搭載で、下にキーボードがスライドアウトします。スライダーはカーブがかかっててソニーエリクソンのSE Xperia X1みたいな感じです。 3メガのカメラ、LEDフラッシュ、EVDO rev.A、WiFi、ブルートゥース対応、交換可能なバッテリー、マイクロUSB、USBマスストレージサポート、3.5mmヘッドフォン専用ジャック搭載。

形状は「Treo 680」を思わせますが、表から見えるのはスクリーンとボタンだけで、メインのUIにはジェスチャーゾーンも。あと、置くだけで充電できる電動歯ブラシの充電器みたいな電磁誘導式のワイヤレスチャージャー「Touchstone」(下)もありますよ。

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新端末には新OS「Web OS」搭載。これはウェブに散らばる情報をひとつのUIにシームレスに統合するOSで、使ってる人がOSよりコンテンツや情報にのみ集中できるよう、デザインではシンプルを追求しました。

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iPhoneと同じフリック操作によるナビも沢山ありますし、とっても美しく洗練されたUIです。情報は「カード(Cards)」というタブにオーガナイズし、指で転回したり、カードからカードにシャッフル(移し替え)も可能。すべて指先で操作できるので、デモでは終始スタイラス、キーボードを一切使わなかったのが印象的でした。

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注目の新機能は「Synergy(シナジー)」です。これは全サイト(Facebook、Gmail、AIMその他)から連絡先を引き出して均一化し、Palm Preのリストにひとまとめに整理できる機能ですね。ダブりは弾くので、同じ連絡先が何度も重複して出ません。これはカレンダーのイベントも同様です。Synergyでメールチェックしながらカレンダに会議のスケジュールを記入したり、連絡先の誰かにIMを送ったり、簡単に操作できます。

音楽のUIもクールで、楽曲のカードをピックして再生したら、あとはメールのスクリーンにぴゅんと戻ることができます。素早いし、必要な情報が全部表に出ているのが魅力ですね。

以下はPalm Preの公式ビデオツアー


では早速、触ってみましょうか!

2. 動画でウォークスルー

 


新型端末「Palm Pre」がどのように開発されたか、の紹介と、あとはフィンガーナビ、メニュー、ウェブブラウザ、メディアプレイヤーなど。


Webブラウザのウォークスルー。ナビ、カード(タブを指すPalm語)、flash対応ではない悲しい証拠の映像も…


Pre楽曲プレーヤー、Amazonミュージックストア


3. 初見レビュー

[形状]

重量4.8オンス(136g)。当初思ったより小ぶりで、サイズ的にはiPod classicに大きなHD内蔵した感じです。iPhoneほど薄くはありませんけど、これはスライダー式なこと考えたら許容範囲ですね。片手で簡単に操作できます。

[Web OS]

Web OSのUIとUX(ユーザーエクスペリエンス)は本当に最高。20分使っても反応が「悪い・途切れる・遅い」ということが滅多にないんです。かなり考え抜いたデザインです。スタイラスやd-パッドじゃなく指操作ですから、余計に苦労が偲ばれます…

[Card]

「Card」システム。これは情報を自分の目の前に出しておいて、今なにをしてるか分かる素晴らしい手法かと。アプリを立ち上げたら、それを携帯のデスクトップにドラッグして新規カードが作れます。で、アプリのカードは使い終わったら、カードを上に弾くだけでカンタン終了。

[ジェスチャーバー]

スクリーンを使わない入力テクノロジーも水準が高いです。タッチ携帯は片手操作がとても難しくて、特にスクリーンの上の方にタッチしようとすると大変です。そこでPalmではスクリーンの下のところに黒い「Gesture Bar」というのを設けて、ここにナビの一部を並べて効率化しました。

[加速度センサ]

ウェブブラウザや写真ビュワーなんかのアプリで使える加速度センサも備えており、表示はスクリーンの構え方によって縦・横切り替えが可能。これできる携帯は他にも沢山ありますけど、Treの加速度センサは「動作がかなり良い」ということがポイントです。

アプリを使ってる最中も、Gesture Barからスクリーンに指をドラッグし、そこで一瞬ホールドすると波状のドックが出てきて、別のアプリが簡単に素早く起動できます。G1やBlackberryに似たフィールのトラックボールも、Web OSのUI操作を素早くする、もう一つの手法です。

[キーボード]

最新Palm製品のキーボードと大体同じルック&フィールで、素晴らしいというほどじゃないですけど、動作は充分良好です。横からスライドアウトするキーボードに何故しなかったか訊いてみたら、答えは2つ。(1)縦でも横でも大して違わないし、メッセージは縦に構えて打つ人の方が多い、(2)他のスマートフォンで縦にQWERTY配列のスライダーを備えた製品はあまり出てないので、こうすることで独自色が打ち出せる、というものでした。

[デザイン]

ハードは素晴らしいですけど、デザインはそれほどでも。本当にナイスで独自色もあるんですが、かわいい感じで、大き過ぎる石ころを想像してしまいます。スクリーンは若干大き目にした方がもっと活用度も上がったと思います。スクリーン横が黒いのも僕好みではないかな…

[ネットがOSの主役]

本携帯最大の魅力は「インターネットがOSの中心的役割りを担っていること」です。各種サービスから情報を引き出し、それを独自のフレームワークに統合化する辺りは、もう、トップノッチ(一流)です。

メッセージも、同じウィンドウからメール、グーグルチャット、AIMでIM送信までできるので、アプリを別々に3つ開いて切り換えなくても済むし、すんごく便利です。1度に3つのアプリでやり取りすることはないですけど、別々のサービスのやり取りを一元管理できる有り難味は1週間も使えば実感できるかと。

[ブラウザ]

TreoのGarnet OSのBlazerブラウザとは大違いですよ。AndroidやiPhone同様、Webkitで開発した新ブラウザなのでフルページ表示は10秒以内です。 ズームとドラッグ/パン機能のい操作・フィールも他のブラウザに似ます。引っ掛かるところはなく、ブラウザの反応は極めて良好でした。

[検索]

検索は携帯で直接できます。で、Webブラウザを開かなくても、その同じクエリをGoogleやWikipediaで検索することができます。アプリやブラウザという枠に押し込めずインターネットを水面下で動かすという、パームならではのアプローチがこんなところにも…!

[OSデザイン]

Web OSのデザインには間違いなくiPhone OSの影響が見てとれます。HOMEスクリーンのボトムにアプリのドックを置くところなんて iPhoneのプレイブック(戦略ノート)そのまんまですし、これがうまく機能しているんです。メニューのデザイン(連絡先など)もページ1枚に収まる以上の余計なものを出さないところなど、iPhoneが完成させた手法をそのまま採用しています。

[スクリーン]

美しいです。写真で特に違いがよく分かりますよ、本当に明るく鮮明に出るので。他のどんな携帯よりもシャープと言ってもいいぐらいです。

[カメラ]

すごく綺麗に撮れます。無茶苦茶明るい場所じゃなくても色彩はリッチに出ます。やや荒めですけど、他のカメラフォンで撮るようなザラザラと色あせた写真にはなりません。これは、カメラ専用アプリの裏で画像のポスト処理を行っているお陰もありますね。

[ビデオ撮影]

Preでは目下対応してませんが、将来はアップグレードを予定しるそうです。インターネット携帯という謳い文句だったので、ネット世界で大きなパートを占めるユーザ生成型動画には当然対応してると思ってたので、これにはちょっとがっかり。ライブ映像をYouTubeに直接アップロードできるなんて、Preの哲学にぴったりだと思うんですけど…。来年は絶対加えるべき機能!

[アプリとSDK]

Web OSのアプリとSDKは期待できそうです。パームはSDKを誰でも使えるように公開し、あと携帯からしかアクセスできないApp Storeも開設、アプリには承認プロセスも設けるようです。 常に例外はありますが、アプリに関してはビッグブラザーみたいに厳しく取り締まるつもりはないとのこと。パームが一番気にしているのはアプリのセキュリティと安定性です。携帯にハックの元になる穴を作ったり、クラッシュするアプリが出ないよう目配せする程度のようです。パームはさらに、一部の選ばれた開発会社と協力体制をとり、SDKには出ていないOSのもっとディープな領域にもアクセスを与える予定だと話してます。

[Amazonミュージックストア専用アプリ]

AndroidのG1に匂いもかたちもそっくり。楽曲はレビューしたら、同じスクリーンでDLできます。

[flash対応]

Preがflash対応になるかどうかも尋ねてみたんですが、今はまだ検討してないそうです。ニューズウィークのDan Lyons記者はflash対応になるって主張してますけどね。

[iPhoneにない新機能]

コピペ! それとMMSメッセージングもできます。 iPhoneのハードコアなユーザーがずっと夢見てる機能ですね。

[電話会社]

PreとWeb OSプラットフォームはSprintオンリーになるかパームに尋ねてみたら、ゆくゆくは他のキャリアからもWeb OS対応製品は発売になるとの答えでしたが、それについては今回特に発表はなかったです。

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以上です。写真ギャラリーはこちらこちらで見てくださいね。

関連:ITPro

Adrian Covert、Christopher Mascari、Jesus Diaz、Andi Wang(原文1原文2原文3原文4原文5原文6/訳:satomi)

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UPDATE : 誤植を修正しました。ご指摘のコメントありがとうございます!