これが世紀の窃盗団が荒らした後のダイヤモンド地下金庫

これが世紀の窃盗団が荒らした後のダイヤモンド地下金庫 1

10段構えのセキュリティ網を破ってダイヤの原石をありったけ盗む。そんなルパンさながらのイタリア泥棒の一味の実話をワイヤードが今月24日号で紹介し、注目を集めています。

取材執筆は、あの海猿の話を書いた友人ジョッシュ・デイビス記者。事件の数ヵ月後たまたま別件でベルギーを訪れてこの話を聞き、ベルギーの刑務所にいるリーダー格レオナルド・ノタルバルトロ(Leonardo Notarbartolo)に手紙で取材を申し込んだのですが、今月を釈放となる前に、なんとカリフォルニアの記者宅に本人から電話がかかってきて、夢の独占インタビュー実現となったそうです。

事件の背景

2003年2月17日、ノタルバルトロはイタリア窃盗団を率いて逮捕された。アントワープ・ダイヤモンド・センター地下2階の金庫を破り、ダイヤの原石・金・宝石・その他金目のものを盗んだ疑い。被害は少なくとも1億ドル相当。

金庫は堅牢で難攻不落と思われていた。セキュリティは10段構えで、そこには赤外線熱感知器、ドップラーレーダー、磁場、地震探知機、1億通りのコンビネーションのある鍵も含まれていた。この強盗事件は世紀の窃盗と呼ばれたが、どう犯行を行ったかの具体的手口は警察にも未だに説明不能のままだ。

ジョッシュ記者×ノタルバルトロ対面インタビュー

ノタルバルトロは、面会室に2ダース分もある小さな長方形のテーブルのひとつを挟んで僕とさし向かいで座った。 彼には相手を震えあがらせる名声がある。マフィアと戦うイタリア警察は「シチリアマフィアと繋がりがあり、従兄弟が次のカーポ・デイ・カーピ…つまりマフィア組織全体を仕切る長に指名されている」と言い張っている。ノタルバルトロは誤った風評は訂正しようと意図している。両手をテーブルに置く。これから話すことを彼はこの6年、ずっと考えてきた。

「私は泥棒でうそつきかもしれない」と、彼は魅力的なイタリア語訛りのフランス語で話した。「だが、君にこれから言う話は本当だ」

警察サイド

PeysとDe Bruyckerは「Diamond Squad(ダイヤモンド特殊部隊)」という世界唯一のダイヤモンド専門警察トップ。その持ち場は、あのラビリンス(迷宮)のようなアンテワープ・ダイヤモンド・ディストリクトだ。世界のダイヤの原石の80%はこの3スクエアブロックの一帯を通る。24時間警察が見張り、63台のビデオカメラで監視体制を敷いている。2003年には30億ドル相当の原石の売上げを計上したが、ここには握手で成立する裏取引きの世界はカウントされていない。商売はこの地区を牛耳るユダヤ人とインド人のディーラー、いわゆる“diamantaire(ダイヤ商人)”の古式ゆかしい家と宗教の格式に則り執り行われている。 2000年ベルギー政府はこの種のことを取り締まるには特別なタイプの警官が必要と気付き、この特殊部隊を組織した。そして最初に雇われたのが、 PeysとDe Bruyckerだ。

De Bruyckerは本部に電話し、全国に緊急配備を要請した。「アンテワープ・ダイヤモンド・センターに強盗だ」。それから金庫のアラームの会社「Securilink」に電話を入れた。

「アラームのステータスはどうなってるんだ?」と、彼は尋ねた。

「すべて正常に動いてます」と、ダイヤモンド・センターからのシグナルを確かめながら、オペレータは言った。「金庫はセキュアですよ」

「だったら何故ドアが全開で、私が金庫の中に立ってるんだね?」―De Bruyckerは四方荒れ放題の現場を一瞥し、食ってかかった。

金庫のセキュリティ見取り図

 

これが世紀の窃盗団が荒らした後のダイヤモンド地下金庫 2

ドア

1. コンビネーションダイアル (0-99)

2. 施錠したロック

3. 地震探知機(内蔵)

4. 施錠した鉄格子

5. 磁気センサー

6. 外を見張るセキュリティカメラ

金庫内

7. センサー解除用キーパッド

8. 光センサー

9. 中を見張るセキュリティカメラ

10. 熱/モーションセンサー(設置場所はおおよそ)

動画

解説はデイビス記者で、前半映ってるのは窃盗団が途中で捨てたゴミです。このあたりを毎朝散歩し、ゴミを見つけ次第警察に通報するのが趣味みたいなご隠居さんが見つけました。この月曜の朝は普段と様子が違い、ビール瓶とかじゃなくゴミの中からダイヤがごろり出てきて、大騒ぎになったそうです。

犯行グループは計5人。ノタルバルトロは本名提示を拒み、終始ニックネームで通しました。

[窃盗一味の顔ぶれ]

(1)Genius(ジーニアス/天才): あらゆる監視システムを不能にできる

(2)Monster(モンスター/怪物): 化け物のように万能な男

(3)King of Keys(キング・オブ・キーズ/鍵の王): 鍵兵衛(未逮捕)

(4)Speedy(スピーディー/早業師): ノタルバルトロの幼馴染。他のメンバーは参加に反対だった

(5)Leonardo Notarbartolo(レオナルド・ノタルバルトロ): リーダー。最初の盗みは6歳のとき

逃走中パニックしたのは幼馴染のスピーディーで、道端に車を停めてゴミを捨てろと言ってきかなくなったんだそうですよ。結局それで足がついてしまったんですね。

記事には各種セキュリティ網をどうかいくぐったか、仔細に記されています。驚くべきことに週明けまで誰一人、セキュリティが破れたことに気付かず、もぬけの殻とわかった時には既に一味は追っ手を遠く離れていたそうな。

ノタルバルトロは本当はフランスの廃屋でゴミを燃やす計画だったというので、もし小さなパニックさえ無かったら今ごろは…!?

[Wired "The Untold Story of the World's Biggest Diamond Heist"]

関連:映画化決定

*記者、編集者マーク・ロビンソン(Mark Robinson)、デザイナー、カメラマン、主幹編集者、校正チェッカーはじめ取材班のみなさんに拍手!

Brian Lam(原文/訳:satomi)

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