iPhone 3G S実機最速レビュー(動画あり)

2009.06.18 23:00
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3GそっくりのiPhone 3G Sを、またなんで買うの? 理由は簡単。一度使ったら手放せなくなる驚きのスピードだからですよ!


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スピード差

アップルが3GC(compassのC)でも3GV(video recordingのV)でもなく、iPhone 3G S(SpeedのS)と名付けたのには、それなりの理由があります。今回のアップグレードは高速化がメイン。そしてこのスピードこそが3Gから3GSにアップグレードする唯一にして最大の理由なのです。初めてiPhone買う人も100ドル(約1万円)余分に払って3G Sを選ぶ価値は絶対あるはず。

携帯電話を評価する時は、スペックより機能が気になるものなので、妙に思われるかもしれませんけどね...。iPhone 3G Sは多機能を求める買い物というよりは、大画面のテレビ、高速な車に買い換える感覚に近いかな。今のマシンで十分間に合うんだけど新しいのを1週間試したら、もう後戻りはない、みたいな(多少の出費はかさんでも)。


指紋も平ちゃら

先に書いたように、3G Sは3Gと見た目はそっくり同じです。3G Sの方がちょい重くて、背面のテキストがグロッシーな程度。みんなの前でスティーブ・ジョブズが取り出しても違いは見分けられないでしょう。

3G Sと3Gを並べてみましょう。

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3G Sのスクリーンが少しテカテカ照り返してるのが分かります(?)。これは指紋に耐えるoleophobicコーティングを施してるため。モニターに照らすと虹色に光って見えるぐらいなんですよ。驚いたことに、このコーティング、本当に効果テキメンで、指紋や顔に浮く脂がついてもタッチの性能が落ちなくてスムーズに使えるんです。
 

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上の写真で実際どんなものか分かると思います。左右とも指・顔の脂が同じぐらいついて見えますよね? でも、iPhone 3G Sはまだ普通に使えて、脂が多い部分を触っても指がくっつく不具合がない。お掃除も簡単。シャツでさっと拭くだけ。 ガラス加工ひとつで体内分泌物による手垢が全部消せるわけじゃないですけど、常に肌身離さず触れるものですから、これはうれしい改善かも。


画面が暖かく見える


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3G Sのディスプレイは、3Gより暖か。並べてみると黄・オレンジのティントがかかったみたいに見えます。そういえば、3Gも2Gより画面は暖かくなったんでしたよね? 別に気が散るほどでもないし、暖色がかってるスクリーンの方が、明るさをぐんと増しても目にやさしいですよ。

早業のSと3Gを比べっこ


iPhone 3G S実働シーンをこうして映像で眺めると、速さがご実感いただけるかと。どちらも3.0ソフト搭載なんですが、Safari、メール、カメラ...すべてiPhone 3Gより目に見えて読み込みが速...!

起動すら半分の時間で済みます。

『 Sims 3, Oregon Trail 』とか『Metal Gear Touch』とか、ロードが長くかかるアプリを見ると、新端末の立ち上がりと動作環境がいかにスピーディーか分かります。いやマジで何から何まで速くなってます。まるで2年、3年落ちのコンピュータを新品に買い換えたような...。アプリの見た目は同じなのに、ロードと動作は格段に速くなってるので、同じことをやっても新しいマシンの方がそれだけサクサク使えるんですね。


スピード差が暗示する将来

今後のiPhoneアプリとゲームを考える上で、このスピード差が意味するものは一体なんなんでしょうね? iPhone 3G SはCPU周波数600MHz、メモリ256MB(400MHz 128MBから増量)になって、アプリのパフォーマンスが天井を打つ限界がかーなり高くなりました。また、OpenGL ES 2.0グラフィックス標準対応になったことで、ビジュアルも見違えるほど改善

UbergizmoのHubert記者(元NVIDIA開発者)によると、これは喩えて言うなら『Half Life 1』から『Half Life 2』にコンソールを1世代ひとまたぎするほどの差だそうです。ゲーマーは要注目ですよ。

前にも書いたように、iPhone 3Gのままでも大体のゲームは当面プレイできます。iPhone/iPod touchは4000万台の市場とも言われる中、それを無視して3G S対応オンリーのゲームが出ることもないだろうし、今の携帯で追いついていけます。

ただ、開発者というのはアルコール中毒のようなもので、目の前にもっと大きなシステムリソースを置くと、それを使い尽くすまで使わずにはいられない生き物なんです。実際、大酒呑みだし。

アップルはiPhone 3G Sのような製品のスペックを強調するのは嫌う会社ですが、その彼らですらスピード増強を喧伝する衝動を抑え切れなかった。あのSがあそこにあるのも、それなりの理由があってのことなのです。

3メガピクセルのカメラ

3G Sはオートフォーカスとビデオ録画も可能になりました。また、スクリーン上で焦点を合わせたいところをタップすると、空中のその地点に自動的にフォーカスを合わせるインターフェイスもついてます。


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画面をタップして、なんでも自動機能をアクティベートすると、オートフォーカスだけでなく自動露出補正、自動ホワイトバランスまでできて、より自分の思い通りの写真が撮れます。違いが際立つのは、被写体から数インチ離れたマクロの接写(上)。上の2枚の写真は全く同じ距離、同じ光量で撮ったものです。以下ギャラリーでもお分かりのように、3G Sの方が暗所の撮影(3Gの不得意分野)の状態も良いようです。全体の自動ホワイトバランスも。


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iPhoneのカメラに革命を巻き起こすほどの変化じゃないですけど、メガピクセルを詰め込むだけ詰め込んで、あとは放置、というのとは全く違いますね。



意外といい、ビデオのクオリティー

これは逆に携帯にしては、かなり良いです。アップルは毎秒最大30コマ(30FPS)と言ってましたが、この上の深夜番組『Saturday Night Live(SNL)』のHD録画で分かるように、かなり近いです。常時30FPSではないんですが、動画はとってもスムーズ。暗所の撮影は、カメラ全般にある物理的制約でうまく撮れないんですが、少なくとも流動的です。

タップ・トゥ・フォーカス(&再露出)機能は動画撮影でも使えるので、シーンの一部をカメラで狙うことができます。

撮った動画は直接YouTubeにアップロードする前に余計なフロントや背景のところを素早くトリミング。この「quick trim」は、黄色のドラッグできるボーダーがついてたり、iMovieで動画トリミングするのと全く同じように使えます。アップルによると、3Gはプロセッサが動画撮影を処理できないのでビデオ機能がないそうな(ジェイルブレイクした3G端末ではビデオも撮れてます)。こうして実際に3G Sを使って30FPSで動画撮影した今は、15FPSで満足できなかったという話も信じられる気がしますね。


090617iPhone3GS_screen_f.pngのサムネール画像


7.2Mbpsの高速データ通信

3G SをApp StoreのSpeedtestアプリで何日か早朝・日中・深夜に分けて計測してみた結果は、3Gがたったの1165Kbpsだったのに対し、GPSのクロックスピードは平均1568Kbps。上り速度は比較的近く226Kbps(3GS)と209Kbps(3G)なんですが、レイテンシーは174msの3GSが、231msの3Gを大きくリードしています。平均すると、3G Sのスコアは3Gより50%高く、個別のランではしばしば2倍からほぼ同等のスピードという幅でした。

興味深いのは、下り速度の改善です。AT&Tは7.2 HSDPAをまだ展開してない場所も非常に多いんですね。僕らのテストは3G S発売日前に行ったものなので、AT&Tがこのインフラで新型をサポートし始めたら、3G Sユーザーのロード(負荷)がどれぐらい全体のスピードに影響を与えるか、3G Sのスピードがどれぐらい上がるか、わかると思います。

実用という意味では、ネットワーク速度と処理速度がアップしたことで、メールやSafari、その他データ食いなアプリの待ち時間はダウン。Wi-Fiで繋がってる時も、処理速度の速いプロセッサ搭載なので3Gよりは早く仕事が処理できる、というわけですね。


コンパスで方向音痴にさようなら


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新端末は地磁気センサとコンパス(方位磁針)内蔵。北がどの方角か一発でわかります。端末は地面に垂直に立てても水平にしてもOKで、矢印と数字を見ると大体、今自分がどの方角を向いてるか分かります。

うれしいボーナスは、Google MapにあるFind meボタン。これを一回押して自分の居場所をGPSで特定してもらうと、次回からはその場所を起点に地図の向きを合わせて表示してくれるんです!

これはすごく便利で、例えばサンフランシスコで地下鉄の終電逃して道に迷った時とか、道から道までは距離あるし、道路標識は小さくて暗くて見えなくて、次の角まで延々歩いていって初めて「反対方向だった!」と気づいてトボトボ戻ったり、あるんですけど、ああいう無駄足もなくなりそう。方向音痴には福音ですね。

コンパスはたいした機能じゃないように聞こえるかもしれませんけど、地磁気センサとGPSがあると、あの拡張現実(AR)対応ブラウザ「Layar」なんかも3G Sで使えるんですよ。


待望のNike+サポート

これは個人的に長年待ちに待った新機能ですねー。なんせNike+使いたいばかりにiPod touch 2G買ったクチですから。それが今ここに。ちゃんと使えました。アプリはtouchと全く一緒。Nike+対応端末で使い慣れたランニング機能は全部使えるようになってます。走りながら携帯持ってると何がいいって、常に手元に携帯があることです。 ステレオBluetoothヘッドセットお持ちの方は、音楽聴きながら走って、しかも必要とあらば電話にも出れるんです!


音声コントロールに挑戦!


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連絡先の誰かに電話をかける時は「Call(+名前)」、電話番号回す時は「Dial(+番号)」。適正なコマンドさえ覚えておけば、後ろの音がうるさ過ぎない限り、アプリはかなり正確に声を拾ってくれます。それにとってもスマートなお利口さんで、「Call Mike」と言うと連絡先のマイク君を片っ端から拾ってきて読み上げ、もっと具体的にお願いします、って頼んでくるんですよ。すごいですねー。

楽曲コントロールも動きます。バンドの名前って英語とも違う妙な名前が多いので混乱する場面もしばしばでしたが。例えば「Phoenix」と何度言っても「INXS」や「DMX」と間違えちゃうんですよね...。でもコマンドは得意みたいで、「Pause music(楽曲一時停止)」、「Who is this song by(誰の曲?)」、「Previous track(前のトラック)」、「What song is playing?(今流れてる曲の名前は?」、「Shuffle(シャッフル)」、「Play more like this(これと似た曲をもっと)」は正確に音を拾って処理できました。

「どう命令するんだっけ?」と度忘れしちゃったら、「Voice Control」機能で画面を眺めてると、そのうち、お求めのコマンドが浮かんできますよ~。



バッテリー寿命も何故かいい

3G Sでびっくりなのは、これだけ高速・高機能なのにバッテリー寿命が改善してることですね。アップルによると3G通話以外の全カテゴリで改善してるのだそうな。これはギズ独自のテスト結果とも多かれ少なかれ合います。つまり1回満タンにしたら1日中バッテリー切れの心配はない!ということ。しかも携帯は高速、だから道順やレストランのサイト探しの待ち時間も少なくてOK、なのでさらなるバッテリー節約に繋がる、まさに好循環。


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以上長々と見て参りましたように、iPhoneファミリーで3G Sの占める位置って非重要ってわけでもないんです。Nike+サポート、地磁気センサ(コンパス)、ビデオ録画、音声コマンド、より優れたカメラ、より長いバッテリー寿命、より速いデータネットワーク...何一つ後戻りはありません。何よりも毎日ありがたみが実感できる改善は、処理スピードが速くなったことですよね、間違いなく。だからアップルはこの携帯を3G Sと名付けた。3G SのSは「Speed」なんてもんじゃない、「Super fast(超高速)」のSと言っても良いぐらいのものなのです。3Gなんだけどベターでありたい、その結果辿り着いたツボが、これです。

不運なのは3Gユーザーです。今ごろ「399ドル/499ドル払って3G Sに今すぐ乗り換えるべきか否か?」の難問でうんうん唸ってる頃なんでは?

日本で24ヶ月分割払いで機種変更する場合の月々の支払い額はこちらさらに細かい最新版はこちらですが、アメリカでは7月か8月か9月に正規アップグレード条件の契約満期を迎える人に対し、AT&Tは全額補助の199ドル/299ドルで機種をアップグレードするようです。それ以外の人は18ヶ月の満期になるまで忍の一字。3Gより確かに良い携帯なんですが、AT&Tは199ドル/299ドルの標準プライス適用までアーリーアダプターに発売後さらに6ヶ月の待ち時間を要求しているわけで、これはイラつきます。

それだと買い換える頃にはiPhone 3G Sのライフサイクルの半年が経過しちゃってて、そろそろ来年6月のWWDCが気になり始める頃ですよね。ほんでこれがまた3Gの進化形とかじゃなく真に革命的なiPhone新デザインが...出ちゃったりするんでございますよ!


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ギズは第1世代iPhoneのレビューでは「待て」、iPhone 3Gのレビューでは「ゴー」の判定を出しました。今回のiPhone 3G Sで唯一の問題は、3Gもう持ってる人にとってはエクスペリエンス的にそんなに違いはない、ということです。

Palm Preのレビューでも書きましたけど、僕、iPhoneのルック&フィールには少々飽きがきてるんです。なんか新しい何か、未知のものを求める人には PreMyTouch 3Gでしょう。

でも、iPhone 3G Sは総合点では今出回ってる中ではベストのスマートフォンですし、既に知ってるものに洗練を加え強化したバージョンが欲しい人、App Storeの何万というアプリをいじってみたい人は迷わずiPhone 3G Sですね。


(UPDATE:他の現地メディアの反応は米主要媒体レビュー早見表でどうぞ)

[Apple]

Jason Chen(原文/訳:satomi)



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