【今日の一枚】これはなに?

【今日の一枚】これはなに? 1

ヒント: 韓国、農業、テレビ、愛(の地政学)

 こたえ:

韓国中部Yeongju(栄州)に住む農業従事者Lee Si-kapさん(39歳)の家です。

Leeさんは衛星アンテナ保有数で国内で右に並ぶ者のない最高記録保持者。買いも買ったり85個のアンテナで遠くはアフリカ、カナダはじめ世界100ヶ国以上から衛星TVチャンネル1500局の放送を受信しています。

電波の届かない途上国ならいざ知らず、韓国でなぜ衛星アンテナが要るんでしょうね?

実はLeeさん、嫁不足の農村にベトナム、中国、フィリピンなどから来る海外花嫁のために野良仕事の傍ら無料で衛星アンテナを立ててあげてるんです。その活動が去年後半からテレビで紹介され、大勢の人がキャンペーンに加わり、今や国民的ヒーロー! 「アンテナ・マン」の名前で親しまれています。

韓国では若い女の子が都会に出ちゃって、農村の嫁不足が深刻です。ソール南東160kmのここ栄州でも、この1年半のうちに海外花嫁の数が28%増えて250人になってます。その半分はベトナムからの花嫁さん。

韓国に同化を急ぐ花婿たちは未だにアンテナ立てるのを嫌がるそうですが、設営してあげた家からは、故郷のテレビを見せてあげた方がお嫁さんも寂しさが紛れて生活により良く順応する、とうれしい報告も。Leeさん自身はまだ独身なんですけど、子どもの頃に父親が家出して自分に自信を失くし、外で友だちがうまく作れず、音楽だけが友だちみたいな生い立ちだったので、外の世界に馴染めない花嫁さんの気持ちはよく分かるのだそうです。

韓国の番組ではあまりロックが流れないので衛星アンテナを試しに立ててみた、それが電気を学んで短大を出て農業を始めた23歳の時で、以来ずっと中古アンテナが趣味です。

空を見ると他の農家の人のように空模様占うんではなく、軌道を回る衛星をつい想像してしまうというLeeさんは、空中にはテレビの電波が「アザミの種」みたいに満ちている...とNYタイムズに語っていますよ。

[NYT]

John Herrman(原文/訳:satomi)

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