「ジョブズは上司としては最悪だ」(ハーバード・ビジネス・レビュー)

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スティーブ・ジョブズには、誰もが知ってる2つの面があります。社員をプッシュして、市場を塗り替えるような、ものすごい製品を作らせる人だということ。そして、上司としては最悪な人だということです。

で、後者を裏付けるような記事が先日、ハーバードビジネスレビューに出ました。

ジョブズはあれだけ美点があるのに、ことリーダーシップに関しては偉人説(Great Man Theory) -CEO中心の経営執行権力モデル- に執着している。今どき時代遅れで長続きもできないし、所詮は死ぬ運命にある僕ら人間にすれば偉人論なんて、一時も休まず移ろい変わる世の中で無益なものだ。

昨年ワイヤードマガジンが出した巻頭特集にその論点がうまくまとまっていた。記事は冒頭、こんな印象深い逸話を紹介している。

 

- 会社の駐車場が混んでいて停める場所探しに困ると、同CEOは自家用のメルセデスを車椅子専用スペースに停めるのが常だった。時には車2台分のスペースに二股かけて停めることもある。このパターンがあまりにも目に余るようになったため、社員らが氏のワイパーにこう書いた紙切れを残すほどだった。-「Park Different」。

さらに執筆者リーアンダー・ケイニー記者は、「ジョブズの駐車態度は伝説だが、これには氏のビジネスに対するアプローチが非常によく現われている。彼には一般のルールなど通用しないのだ」と書いている。要するに、自分の会社を秘密のヴェールに覆い隠し、社員には暴君のごとく感情を爆発させ、美しくデザインされた製品を顧客に使い易いようにする必要最小限の調整を行うことさえ拒むということを言っているのだろう。(賢明なるブロガーがコメントで不謹慎極まりない言い方だが、こう書いていた。「スティーブ・ジョブズは肝臓も交換可能なのに僕のiPhoneのバッテリーが交換不能なんて信じられないよ」 )

ワイヤードの記事には、アップル本社所在地「One Infinite Loop」は、エンドレスなプログラミングを指すジョークから生まれた住所なんだけど、駐車場は本当に冗談じゃなく無限ループで、午前10時過ぎると延々車を走らせないと停められない、シリコンバレーの会社ではお偉いさんにも専用スペースを設けず、平社員と平等に早い者勝ちにする伝統があるので、こんな現象が起こるという背景の説明もありますよ。

あのジョブズCEOが駐車場ぐるぐるしてたら不気味でしょうね...今は黒服のお抱え運転手がついたから心配ないんでしょうけど...。

というわけで経営者のみなさん、スティーブ・ジョブズを見本にしたいと思ってるんなら、それはやめましょう。良いところだけ真似るのはいいです。製品をちゃんとドアの外に売り出すとか。でも悪いところは真似ちゃ駄目ですよっ。

[Wired, Harvard Business via PC World]

Jason Chen(原文/訳:satomi)