Google CEOシュミット氏はもっと早くAppleの取締役を辞任すべきだった

Google CEOシュミット氏はもっと早くAppleの取締役を辞任すべきだった 1

なんで、今だったのでしょうかね?

先日、GoogleのCEOのエリック・シュミット氏がAppleの取締役を辞任しました。

このタイミングなのは、GoogleのiPhoneアプリが拒否されたとか、それについてFCCが調査中だからだ、とかいろいろ噂されてますね。

でも、それ以前にシュミット氏はもっと早くAppleを去るべきだったのではないでしょうか?

 当初からシュミット氏がAppleの取締役になるのは微妙だとの声もあったようですが、ここ最近彼の立場は微妙から危険なまでになっていました。FTC(米連邦取引委員会)から取締兼任問題について調査もはいっていることで、この危うさは周知の事実だったと思います。

(尚、シュミット氏が辞任した後も、Apple-Google間の調査は続行されるそうです。)

ニューヨーク・タイムズの5月号で取締兼任問題がとりあげられています。

独占禁止法の専門家曰く、取締兼任問題が企業と役人の間に大きな対立をうむことはあまり例のあることではない。

なぜなら、多くの場合、長期の調査を受けたり裁判に持ち越したりするより、兼任することなくどちらか1つを辞任するという方を選択する人が多いからだ。

ということでシュミット氏は辞任したのでしょうが、ポイントは今になるまでこれを大きく問題視していなかったことです。

独占禁止法により、取締兼任問題は、両会社の競合している商品の売り上げがそれぞれの会社の総収益の2%に満たない場合は問題とされない。

Googleの(Appleとの)競合製品と言えば、Androidやもうすぐ始まるChrome OS等、たいていは無料サービスになります。

故に売り上げには直接結びつかないので大丈夫、と思ってたのでしょうか。売り上げに関わらず、これほど競合製品が多いということをヒントにもっと早く辞任するという選択肢はなかったのでしょうか。

7月31日(金)のMercury Newsのインタビューで、シュミット氏は「役員会議での問題は、自分が1部欠席することで解決する。iPhoneがそうだね。」とコメント。

つまり、GoogleとAppleの競合製品に関する役員会議には自分は出席しない、それで(兼任の)問題は解決する。ってことです。

なんだかもうすぐやめちゃう人のコメントには思えません。AppleとGoogleはお互いに協力しあっている部分が多々あるので、自分が両方に関わっているのは気をつけねばならないがいいことだ、ともコメントしてます。

つまり、シュミット氏はAppleの取締役を兼任するということに対して居心地の良さ(そして有益さ)を感じていたわけです。

少なくとも辞任直前のインタビュー時までは、そう感じていたんですね。

が、それを他の取締役や世間、何よりApple自身が同じ考えを持たなかったのです。

ジョブズ氏やAppleの他の役員達にとって、Googleからどんどん出てくる新サービスには驚きの連続じゃなかったのでしょうか?

iPhoneとAndroidSafariとChrome、そしてこれからはOS XとChrome OS

シュミット氏が辞任の際にAppleから出されたニュースリリースにもこのApple側のシュミット氏に対する懸念点がしっかり書かれています。

あいにくAndroidや最近のChrome OSなど、GoogleがAppleのコアビジネスに参入することが増えることで、エリックが利益相反の可能性から、これまで以上に多くの当社の取締役会を辞退しなければならないケースが増え、Appleの取締役としてのエリックの貢献度は今後大幅に小さくなっていくからです。

Chrome OSは今年5月に発表され、Androidは2007年の11月に発表されました。

ジョブズ氏とAppleにとって、シュミット氏(Google)との「興味対象の対立」は、とくに最近始まったことではなかったのです。

シュミット氏にとってみれば、前からのことで、今さら何を言われるわけもないし、ってタカをくくってたのかな。

GoogleとAppleの関係は、シュミット氏の兼任問題も含め、今までとても微妙なままでやってきました。緊張の糸がピンとはりつつ、均衡を保つかんじ。

しかし、近年のシュミット氏(Google)がAppleにとって頭痛の種をまくことで、その糸がきれてしまったのですね。

FCCのGoogleのiPhoneアプリに関する調査なんて、その最たるものでしょうね。

シュミット氏が兼任することで、彼は両者のなれ合いに染まってしまうか、どちらか一方をさぼり気味になるか。まぁ、何にせよいい事はなかったでしょう。シュミット氏自身はあまり気にしてなかったみたいですけど、Appleがようやく気づいたってとこです。

ただ、この糸がピンと張りつめている状態がもっと短かったらそれに越したことはなかったのではないでしょうか? 切れる前に実行されてたらな、っていうことです。

今後、GoogleとAppleがライバルになる点が多くなる以上、両社の間にはっきりと線引きをすることで、きっともっといい方向に進むのではないでしょうか。

ライバルの両社のマネジメントが同じではやはり、いけませんよ。

[The New York Times, Mercury News, Apple プレスリリース]

John Herrman(原文/そうこ)