自分だけのChrome OSを今すぐ作る方法

自分だけのChrome OSを今すぐ作る方法 1

グーグルが今度出すオンラインのOS「Chrome OS」って見た目どうで、どんな風に動くんでしょうね?

ああ、来年まで待ち切れな~い! というみなさまのために、ここでは今のアリモノを総動員し、Chromeに近いものを作る方法をご紹介したいと思います。

その前に「Chrome OSとはなんぞや?」をちょこっと復習。まずはグーグルの解説から。:

「Google Chrome OSはオープンソースの軽量なオペレーティングシステムです。当初はネットブックが対象です」、「ユーザーエクスペリエンスはほとんどウェブで行われます」。つまり「Google ChromeはLinuxカーネル上の新ウィンドウシステム内で動作する」ウェブをプラットフォームとするOSです。ARMプロセッサ(携帯スマートフォンに必ず入ってるような)とx86プロセッサ(みんなが使ってる標準のCore 2 Duoみたいな)にも対応。ウィルスをよせつけず、アップデートが簡単にできるよう一からリデザインしたセキュリティ・アーキテクチャも備えています」

米GIZMODOのマット記者の記事より。:

「敢えて予想を述べるなら、Chrome OSは完全にブラウザがベースのOSと、一般のLinuxディストリビューションの中間を行くものになるだろう。前者に偏ってはいるけれど」

つまりあれですね、Chromeはウェブに生息するLinux OSで、グーグルが自社デザインの特別なインターフェイスで提供する同社のサービス・スイートにほぼ完全に依存する、と。

その謎に包まれたウィンドウ・マネジャー、メニューシステム、デスクトップ環境の外観についてはギズも予想がつかないので再現不能ですけど、Chrome OSのウェブ側の残り半分はもう出来上がってますから、無理やりアリモノ掻き集めて繋げることはできます。

ではさっそく、機能限定の自分だけのOSを手作りしてみましょう!

 

Linuxを調達

暇な午後のソフトウェア・プロジェクトに取り掛かる前に、まずは発射台を仕入れねば。つまりLinuxですね。これはどのディストリビューション使っても効果は一緒ですけど、本ガイドではXubuntuというディストリビューションをメインに取り上げてます。

なぜかと言うと、Xubuntuは極めて互換性に優れ、尚且つ簡単にインストールできるという、そのバランスが完璧だからです。超人気Ubuntu Linuxディストリビューションの1バージョンであり、機能を絞った超高速なデスクトップ環境「Xfce」を備えているので、高速かつ軽量

ま、何はともあれXubuntuのサイトからダウンロード始めちゃいましょう(安定した最新バージョン「9.04」がお目当てですよ)。

設営方法は何通りかあります。

Xubuntuをネットブック(Chromeが最も自然に馴染む当初ターゲット)にインストールしたい方は、起動可能なフラッシュドライブの作成が必要になりますよね。この方法はUbuntuのWindows、Linux、Mac OS Xへのインストール手順にかなり良くまとまってます(日本語版解説はここここ)。

普通のラップトップやデスクトップで試したい方、外付け光学ドライブがある方は、ダウンロードしたISOをCDに焼いて、そこからインストールしても良いでしょう。また、Xubuntuから無料のインストール専用ディスクを発注・取り寄せも可能です(日本は対象外ですが)。最後に、僕みたいにVirtualBoxみたいな無料のバーチャルマシンから試してみるのも一案ですよね。これならダウンロードしたISOから新システム起動するだけでOKです。

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インストール中は、いろんなオプションが出てきます。気をつけたいのは、「自動でログイン(Log In Automatically)」というボックスを選ぶこと。こうしておけば、のちのち起動からブラウザ表示までのエクスペリエンスが若干スムーズになりますよ。

インストールが完了(30分もかかりませんでした、本当に)すると、真っさらなXubuntuのキレイなデスクトップが出てきます。ひゃーナイス! ...がしかし、感動もソコソコに置き換え作業着手です。

ブラウザを選ぼう

ブラウザはもちろん必要です。なんてったってここがChromeエクスペリエンスの本丸ですからね!  Googleのサービス・スイートを使うのも、このウィンドウを通してだし、ブラウザを出ることはまず無いのでは?

グーグルのサービスは、「Google Gears」というプラグインを使うと、オフラインでデータ保存でき、より高速な読み取り、オフラインでの作業が可能になりますし、アドビのFlashはインターネットを格段に面白くする技術。選ぶからには、こうしたWebの各種テクノロジーすべてをサポートするブラウザでなくてはなりません。

Chrome OSは、言うまでもなくグーグルのChromeブラウザが搭載になって出るでしょうけど、ChromeブラウザもLinux対応のものは現在やや貧弱で、例えばGearsは現時点ではとても動いているとは言えない状態だし、Flashも形式上は使えることになってますが、しょっちゅうクラッシュします。

でも「本プロジェクトでは可能な限りグーグリー(グーグル流)なものを追求したい」という方は、どうぞLinux対応Chrome(「Chromium」という名前です)を使ってみてください。これはLinuxアプリを単一インターフェイスで一元管理するプログラム「Synaptic」(Systemuメニューからアクセスできます)の「Sources」リストに以下の文字列を加えると使えますよ。

deb http://ppa.launchpad.net/chromium-daily/ppa/ubuntu jaunty main

deb-src http://ppa.launchpad.net/chromium-daily/ppa/ubuntu jaunty main

Flashをオンにする方法はこちら

でも、そんな拘りはプロの方には必要ないかも。

直観では納得できないかもしれませんが、Linuxでグーグルのエクスペリエンスが最大に楽しめるのは、Firefoxなんです。 FirefoxならXubuntuに既に内蔵になってますからね。ただし、ここからちょっと...というか、かなり調整が必要です。以下に紹介しましょう。

ブラウザをそれらしく変える

何はさておきFlashから確保しましょう。Applications>Systemメニューから先述の「Synaptic」を開き、「Flashplugin」という名称のアイテム(Flash Player 10です)を検索するか、あるいは以下のスクリーンショットにあるアイテムが出るまで進んでいきます。

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「Apply」をクリックするとインストーラーが動くので、そのまま放置します。さ、これでおしまい。FirefoxもYouTube、Pandora、その他大勢のサイトに対応できてるはずですよ。

次にGoogle Gearsを入れます。これはFirefoxの拡張機能として単にここでダウンロードしちゃえばOKです。これでオンライン生活も、ちょっとはオンライン生活臭が抜けたものになりますよ。例えば、メールもオフラインでアーカイブ保存できるし。グーグルの大体のサービスはGearsが使えるので、各サイトで設定ページ開いて、「Gears」や「Offline Access」のオプションを片っ端からオンにして回りましょう。

違いが一番出るのはDocsとMailです。Gears導入で、ウェブサービスはユーザーに意識させないまま本格的なオフライン・アプリに姿を変えますから。これはすごいですよ。僕らがChrome OSに実装されることが確実に分かっている数少ない機能のひとつですね。

さて、あとはGoogle Toolbarを入れてみましょう。グーグルがどんなインターフェイスの黒魔術を練ってるか分かんないですけど、見かけはどうあれ、当座はここがグーグル各種サービスのダッシュボードみたいな役割りを果たすことになります。ショートカット、GmailやGoogle Calenderの通知機能を提供するほか、ブラウザが普通のOSのように感じられるトリックも少々備えるはず。例えば、Google Toolbarのプレファレンスでは、Gmail送信とMailto:リンク生成を同時に自動化するオプションも選べるほか、Google Docsで各種ドキュメント形式の文書を自動的に開くオプションも選べます。

あたかもOSの残りは存在しないかのような幻想を生みたいので、こうしたオプションもチェック、チェックするわけですが、これではOpenOfficeのウィンドウ、メールクライアントも粉々じゃないですかね...。いやいや、どうかそんなことになりませんように!

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最後に「Speed Dial」というFirefoxの拡張機能を調達します。これはGmail、Reader、Google Docs、Google Newsなど、自分が必要なGoogle Serviceすべてを取り込めるGridベースのお気に入り専用ホームページ。ブラウザを開くと最初に出るページであり、これがいわばOSということになりますかね。最初の設定は左図のように。

どうしたわけか本気出て止まらない方は、FirefoxをGoogle Chromeっぽく見せるスキンがここにありますよー。

余計なものは全部捨てる

さてと。何から何までグーグル一色な生態系でChrome OS風味な生活に必要なものが全て揃ったところで、今度は余分なものを全て捨る番でございます。つまりブラウザの余計なゴチャゴチャ、システムメニュー等々、みなさまのグーグル・スイートとみなさまの間に転がるその他諸々ほぼ全部ですね、はい。

最初の一歩は、Firefoxのインターフェイス(機能オーバー気味になってるはず)から余計な贅肉をそぎ落とすこと。以下に僕のソリューションを縮小したものを貼っておきますけど、これは、FirefoxのView>Toolbars>Customizeメニューで各自好きなようにアイコンをドラッグ&ドロップするだけで同じものが再現できますよ。上図の設定にすれば、ブックマークとナビゲーションのバーは完全に削除できるし、スペースもかなりセーブできます。ま、気が済むまで遊んでください。―「この入力ボックスは要らないな」というのがあるかもしれないし、僕の設定よりずっと少ない機能のインターフェイスで間に合う人もいるかもしれませんから。

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ほぼOKなところまでFirefoxのインターフェイスをダウンサイズしたら、今度はデスクトップの作業に取り掛かります。でも、不要なメニューバーとショートカットを全部削除するその前に、起動時Firefoxが自動で立ち上がる(つまりブラウザに起動する)ように確認しておきましょうね。これはApplications>Settings>Session&Startupと進んでいき、以下のような値を空欄に入力して新しい起動アイテムを追加するだけでOK(最後の空欄はFirefoxですよ。これだけは絶対変えちゃ駄目)。

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さ、残りのところは全部抹殺します。画面の上か下にあるシステムパネル(デスクトップの上か下にあるStart Menuっぽいもの)を右クリックして、「Customize Panel」をクリックすると、あとは上のパネルを削除したり、下のパネルを「autohide(自動的に隠す)」に設定したりできます。終わったら再起動。

起動すると、こんなグーグル尽くしな松花堂弁当みたいな画面が出てきますよ~。

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ようこそ、Chromeへ! なんちゃってだけど!

どんな気分でしょう?

先にも書いたように、ここでバンバンこね合わせて仕上げたものはChromeではありません。グーグルが出す最終版の製品はおそらく表面上これとは似ても似つかない外観になると思われます。が、このちっちゃなウェブに強いフランケンシュタイン(継ぎ接ぎの)OSは、Googleの長期ビジョン―つまりみんなが自分のコンピュータで保存、使用、経験するもの全てがオンラインベース(願わくばグーグルのサーバー上)となり、ネイティブの アプリはせいぜい小さな必要悪に過ぎない存在になる―の何かを捉えていると思います。

この実験は、Chrome OSのインターフェイスの詳細、ボンネットの中の仕組み、利用モデルを予想するのが目的ではなく(この3つについては実験失敗です、断言していい)、Chrome OSという発想がみなさんに馴染むかどうか、みなさんのコンピュータを使う方法に適合するかどうかを占うもの。少なくともそれは味見できるんじゃないでしょうか。

で、どうでした?

コメントでご感想・ご意見お聞かせくださいね。

John Herrman(原文/訳:satomi)