人間の進めぬ空間だからこそロボットが行くのだ! 瓦礫と化した廃墟で実働配備されるレスキューロボ軍団

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道なき道を自分で切り開いて助けに行きますよん!

鉄腕アトムに始まって、ガンダムサンダーバードの世界まで、困った時には救助に来てくれる愛と感動のロボットマシンたちは、ボクらの夢でもあり、憧れでもあると思うんですけど、まだまだこれってなかなか想像の領域を超えられませんよね。

な~んて思ってたら、すでに世界でも最先端レベルの日本のロボット開発の産物として、次世代レスキューロボットの実戦配備が、もう本当に目前にまで迫ってきてるんですってね。悲劇の大災害が都市部を襲ったり、爆発事故やテロ戦争で一瞬にして廃墟になってしまったような危険な現場で、負傷して救急手当てを待つ人のもとへ、まさに刻一刻と迫るタイムリミットの前に、時間との戦いでハイテク頭脳を駆使して救助へと向かうロボ軍団! 夢の世界ではなくなりつつあるという現状を知って、心から感動しちゃいましたよ。

ではでは、ここまで進化したレスキューロボットの最新事情を、あの壊滅的な阪神淡路大震災からの復興を遂げた神戸の街からレポートしてみたいと思います。どうぞ続きをご覧くださいませ。

 

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ただ今、神戸空港が目と鼻の先、ポートアイランドの神戸国際展示場にて、今週は「国際フロンティア産業メッセ2009」が開催中なんですね。このイベント、環境・エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、ロボットなどなどの分野で、まだ未発表の最先端技術や製品サービスなんかも多数登場し、「未来を変えていく」をキーワードに、わりと面白い発表が飛び出してきたりするんですよね。

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とりわけ、今年の会場にはロボットのみにテーマを絞りきった「RT(ロボットテクノロジー)イベント」コーナーが設けられていて、ついに実用化を迎えつつあるレスキューロボットをテーマにしたプレゼンテーションで盛り上がってますよ。

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まずは開会後に、東北大学大学院情報科学研究科教授の田所諭氏が壇上へと登場。実はかの有名な「ロボカップ」レスキューロボットバージョンとして、「ロボカップレスキュー」まで立ち上げちゃった、この分野では日本でも屈指の研究者となる田所氏は、1995年1月17日にマグニチュード7.3の地震が襲った阪神淡路大震災の時は、ほぼ壊滅状態に陥った神戸の市街地で生活しており、死んでいてもおかしくなかったという大変な苦難を生き延びた経験の持ち主なんだとか。

「まさにひどい目に遭ったというのが感想なんですけど、あの時、実は大災害に対応する技術って、そんなに進んでなくて、ロボットが救助に向かうなんてSFの世界以外の何物でもありませんでした。自分は研究者として、ロボット関連技術を活かして、災害時に人命を救うことに貢献していきたいと思いました」

そんな願いから、まさに手探りの状態で研究開発を重ねつつ、とりわけファーストレスポンダーと呼ばれる、大災害の発生後に最初に現場へと駆けつける、自衛隊や警察、消防といった分野の人々の直面する危険度を下げるために活躍する数々のレスキューロボットの実用段階へと、現在は限りなく近づいてるんだそうです。

「人間ではどうしようもない災害時に、鉄腕アトムやガンダムのようなロボットが出現して救助へと向かう...。残念ながら、まだこのレベルに達しているロボットはありません。あくまでもメインの救助に当たるのは人間です。でも、その人間にとって、どれだけ有効な道具(ツール)としてロボットが力を発揮できるかという、この分野での期待には応えられるようになってきていますね」

すでに90年代からレスキューロボットが形になり始めてはいたものの、本当に現場で使用されるためには、ある大きな壁を超えなければならないこともわかってきました。それは、やはり社会への認知度というのが、とてつもなく低いという問題点だったんですね。そこで、田所氏が中心となって、2002年には国際レスキューシステム研究機構が設立されるに至ります。ちょっと露出度が増えて、世の中での認知度も高まってきたんだそうですよ。

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そして、いまや来年中には実用化という段階にまで開発が進んできたのが、この閉鎖空間内高速走行探査群ロボット「Kenaf」なんですね。重量20kgほどのKenafは、倒壊したビル街であっても、わずか60cm程度の穴さえ開いていれば、そこから果敢に進入して、あとは胴体部分のメインクローラとサブクローラを駆使しつつ、周囲の地形を半自律的に判断しながら、階段の上り下りなんかはもちろんのこと、どんどんと瓦礫の山をも乗り越えて生存者の捜索へと向かいますよ。

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ここでミソになっているのは、あくまでもKenafは、情報収集に努めるロボットに仕上がっている点なんだそうですね。つまり、実際に生存者を見つけた後は、今度はタッグを組んでやって来る相棒ロボット「UMRS」に委ねます。同じく悪路を走破する運動性能を備えたUMRSは、体重100kgまでの人を担架に載せて運べる台車けん引性能も持ち合わせるほか、どうしても先行するKenafが進めなくなった場合、例えば、ドア開放アームで閉まっているドアをこじ開けたり、ブルドーザーのように瓦礫の山を押しのけたりといった強力な連係プレーなんかも期待できちゃうようですね。周囲の安全を確認し、後方で待機する人間の救助隊に3次元地図や映像による収集情報が伝わった後は、最も救援を必要とする地点へと迅速に人間が駆けつけて実際の救助活動を行うという、まさにこれまで人間だけで行っていた時とは比較にならないレベルでの救助速度&クオリティー向上が実現するとのことですよ。

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ちなみに、この閉鎖空間内高速走行探査群ロボットの操作卓と呼ばれるコントローラーが、ちょっとボクらの心をわしづかみです! なななんと、ゲームのコントローラーじゃないっすか...。日頃から、状況の見えない災害現場へとレスキューロボを急行させて操縦するスキルアップを図るため、ロボ操作隊員はバーチャルワールドのトレーニングゲームをやりまくって、とにかく慣れていく訓練を積み、ゲーム三昧で操作感覚に磨きをかけていくことが求められるとのことですよ。おぉぉ、これは我らギズモードの兄弟ゲーム系ブログメディア「Kotaku Japan」から隊員を募ったらいいんじゃないっすかね~

「もうあの阪神淡路大震災から14年以上の歳月が流れるのに、まだレスキューロボットによる人命救助は行われていないではないか...という厳しい指摘もあります。これからの5年が勝負だと考えています。この5年以内に実際にロボットで人命を救う実績を必ず上げていきます」

そう締めくくった田所氏に、会場からは熱い熱いエールの拍手が送られていました。ちなみに、すでに実用段階に達し、運動性能では世界一との評価も米国で受けるに至ったKenaf&UMRSのコンビは、現在もう本当に使いたいという受け入れ先の救急隊とか、量産してやるぜっていうメーカーさんとかを大募集中なんだそうですよ。つまりは、ギズ読者の皆さまだって、俺さまが買って使いこなしちゃるわいって意気込みさえあれば、買えるかもしれないってことですね。ただプロトタイプの現モデルだと、1台1000万円くらいはするんじゃないかって話ですけど...

(湯木進悟)