Appleタブレットは、新聞・教科書・雑誌の定義を変える
掲載日時:2009.10.01 15:00
「もう誰も本なんか読まない」とスティーブ・ジョブズは言いましたが、アップルは「新端末」のコンテンツ契約交渉を出版社と粛々と進めています。彼らが目指すのは電子書籍・雑誌の配信のみならず、印刷媒体の定義そのものを塗り替えること。
OS Xの改造版で走るマルチタッチタブレットがジョブズ氏に提出されたのは、今から数年前のことです。 「みんなこれ何に使うのさ?」と聞いても答えがなかったので、それきり棚上げになっていました。が、楽曲・動画・TVコンテンツ事業の基礎固めが終わった今、アップルはiTunesにおける大手出版社の印刷コンテンツ販売に向け、動いてます。
NYタイムズ関係者2人から別々に聞いた話によると、同紙には6月にアップルの方から「新端末」に同紙のコンテンツを流す件でアプローチがあったそうです。なんでもR&Dラボで随分前から、キーボードやマウス抜きにナビできるような、Adobe Airを使ってWindowsタブレットはじめ複数のフォーマットで表示できる新聞のバージョンの研究を進めているんだとか。NYタイムズはもちろん自社のiPhoneアプリで新聞コンテンツ配信してますし、ジョブズ氏も最近何度か基調講演でNYタイムズのことを「世界最高の新聞」だと言ってましたからね。
あと教科書出版社のVPに近い筋の人が教えてくれたのは、7月からマクグロー・ヒル(McGraw Hill)とオベリン・プレス(Oberlin Press)がアップルと一緒に教科書のiTunesでの販売準備を進めているという情報です。それ以上の詳しい内容は不明ですけど、それを聞いて思い出したのが2008年に本社Town Hallミーティングエリアで開かれたAppleインターンのアイディアコンペ。役員審査で選ばれた優勝のプレゼンが「iTunesで教科書配信」というアイディアだったんですよ。
ロジックはこうです。教科書の新品は買うと数百ドルする。古本は地元の店で再販しても出版社には一銭もキックバックが戻らない。でもその点、DRMで1回使い切りの保護のかかった本なら、出版社の収入が増えるだけじゃなく、電子教科書は販売経費もわずかで済むので、魅力だ。この巨大な価格差を活かせば、書店を締め出し、市場シェアに地滑り的変動を起こすことも夢ではない(ここで言ってる端末がタブレットなら、本の購入代金を節約した分で端末が買えるし、学生も重い本で背中痛める心配もなさそうですよね)。
また、アップルはつい先日も、雑誌出版グループ最大手の1社から経営陣をクパティーノの本社に招いて、出版の未来についてアイディアを発表するよう依頼してます。インタラクティブな形式の雑誌見本も何点か披露されたようです。おそらく互いの自己紹介と尋問調の会議の後には詰めた話し合いも行われたのではないでしょうか。
雑誌の版元の中には、アップルに対抗するデジタルマガジンのオプションとしてAdobe Air採用を検討している会社もありますが、iTunesが抱えてるような収入・配信システム抜きに実現は考えにくいような気もしますよ。
老舗の書籍出版社にアプローチがあったという情報はまだ僕の耳には入ってませんけど、残りの出版業界の規模を考えると、既にそちらは話し合いが進行中と考える方が自然かも。そういえば春先には本社にトラックで本が大量搬入されているというアンディー・イーナトコ記者の情報もありましたよね。あれもなんかタブレットに繋がりあるのかも。
1月に発表と報じられてますが、別のソースによると、確かにその月内で正しいという話でした。会社の上の方から聞いた情報だそうです。
僕が話した何人かの人は、最初は単にテキストからタブレット形式に変換したコンテンツだけじゃないかと予想してましたけど、うーん、タブレットで印刷媒体見れるのは惹かれますけど、それはKindleやeインク端末でできないわけじゃないし、やっぱり最終ゴールは、レイアウトの動かせない紙の書籍・雑誌・新聞に音声・動画・インタラクティブグラフィックスを取り込んで、出版社がハイブリット化コンテンツを作るところまで持ってくことでしょう。
マイクロソフトのCourierは発売までまだだいぶ間があるし、Kindleは比較的静的なE-Inkで止まってしまってますから、アップルは次世代印刷コンテンツ配信のポールポジションに歩を進めているやに思えてきましたねー。
まず手始めにやるべきことは、今こうして死んだ木(紙)に刷られているものがそもそもなんのためにあるものなのか、その目標をもっと根本から見直すことですね。
Brian Lam(原文/satomi)
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某大学で試験的にKindleをテキストとして導入した際、学生側から猛烈なブーイングを浴びた経緯があるので「教科書の定義が変わるか」と言うと微妙な気がする。その反面、新聞や雑誌はタブレット本体とコンテンツの値段によっては変わるかもしれない。
でも、個人的に新聞紙でくるまれた焼き芋が無くなるのは寂しいかもしれない。
人はあの本をめくる感触、音、匂い、本棚に並べる愉しさを忘れられないと思う。
僕も紙の本の方があらゆる面で好きだけれど
実用的な部分を考えると雑誌や新聞等の「頻繁に廃棄する必要がある印刷物」は電子媒体のほうがいいとおもう。
何にせよ、選択肢は多いほどいいよね。
破棄の頻度を電子化の目安ってのは悪くないかも。
でも、コイツは通勤列車の中に持ち込むにはデカイよね。
しかし教科書みたいに再利用が必須となると、紙の利便性にはなかかな辿りつけないだろう。
検索性なぞを出して利点とした所で、それを行う事からして教育とも言える訳だし。
レコード→iTunes
本→iTunes
私は少年ジャンプの「ワンピース」だけを欠かさず読んでいる。好きなタイトルだけを数十円で購読出来るのなら
最高ですが。。
Kindleでブーイングが出た、メモやマーキング、現在のページ(位置)などの欠点が、使いよくクリアできれば、逆に使い勝手は高いと思います。
下敷きで消えるマーカー機能とかあったらいいですね(笑)
Kindleが上手くいかなかったのは洗練度が全く足りてなかったからだと思う
現実より不便では誰も使わないが現実より便利で心地よく効率が上がるものが出てくれば変わってくる
だからPCで仕事をするようになったり絵を描いたり音楽を作ったりするようになったわけで
記事の通り米国の大学ではもの凄い高価な新品の教科書を買うか、ぼろっボロの古本を買うか(それでも価格は7割〜半額くらい)の2択です。
外国人留学生としては、電子化されていると辞書も引きやすいし、検索もしやすい。チャプターの最後にある小テストもやりやすいし(このあたり、電子化するともっとインタラクティブな事ができそうですよね)、なにしろ授業の予定によっては 10kg 以上もある教科書+ラップトップ+レコーダーなどを持ち歩かなくなる利点は大きいかと。
でも、別にタッチタブレットでやる必要もないかな……なんて思ったりします。iTunes で教科書売ってくれればそれでいいし、MacBook の 13インチの方が読みやすいかも(笑)
家庭でのメディア鑑賞の定義を変えるコンセプトでAppleTVとかありましたけど(笑)まあiTunesベースでもだんだんニッチな客しかついてこなくなった現状を打破したいでしょうね。ネットブック路線じゃ完全に周回遅れなわけだし。
なるほど。
DRMがキモなんだな。