「究極のディスプレイ」、その実力やいかに?~新iMacベンチマーク&バラシ&徹底レビュー!

2009.10.27 22:00
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アップルのシンプルなコンピュータとして誕生して10余年。ますますコンピュータというよりディスプレイの存在感が際立ってきたiMacですが、それにしてもこの新型iMacのスクリーンはドカンと来ましたね~はい~。


シンプリシティ


これは1998年のiMacのCMです。「iMacをネットに繋ぐ3つのステップ」と言いつつ、「ステップ3はない。ないのだよ、ふふふ」と笑いが止まらない声の主は、俳優ジェフ・ゴールドブラム。「マウス繋げてキーボード繋げたら4ステップでしょ!」って? まあまあまあ。

今のiMacは電源差し込んでおしまい。あとはワイヤレス接続とBluetoothの周辺機器がやってくれますから、10年前よりさらにシンプルですよね。その分、さっきも書いたように、これまでになくスクリーンが重要な位置を占めているんでございますよ。


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LCD
 


27インチiMac最注目のスクリーンは、歴代iMacはもちろんのこと、Cinema Displayよりも明るくコントラスト比も高め。LEDディスプレイなので、立ち上げるとたちまち明るくなって、そのくせパワー消費量控え目です。

IPS技術採用の液晶なので横から眺めてもベター。昔の24インチiMac同様、視野角水平178度の圏内ならどの角度から眺めてもカラー精度や輝度にあまりムラが出ません。古い24インチ型よりLCD領域は19%広く、 な~のにピクセル数は60%アップ。109ppiのどのCinema Displayよりもピクセル密度は高いんです。解像度は2560×1440で、ドット数は30インチCinema Displayの90%。...とまあ、どの統計も素晴らしく、数字追うだけで期待してしまうんですが、実際スクリーンで見た映像は、まあ、ポジティブな評価なんだけど完璧には一歩足りない印象でしたね。

デフォルトの輝度がちょっと明る過ぎるんです。もちろんこれは自分で下げて調整できますけど。コントラスト比は良好で、新しく買った僕の13インチMacBook Proですら隣に並べちゃうと黄色がかって色あせて見えます。が、なんせピクセル密度(僕のノートよりシャープ)がこの過密度なので、下手するとシャープ過ぎるというか、僕が普段27インチのモニターとの間にとる距離より画面に近づいて座らなきゃならなかったりします。クッキリ鮮明に見えるのは気持ちいいんです(前世代の16%鮮明)が、これではまるでシャークが角膜をレーザー直撃という感じ。数分もしないうちに眼に疲れが来ました

長時間使うにはできるだけ文字フォントを拡大するか、MacBookの時みたいに近寄って見なきゃダメでしょうね。僕が虚弱なだけかもしんないけど、これまでいろんな器具試しましたが、こういうことに敏感になったのはこれが初めてです。


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13インチMBPやDell 2407 24型と並べるとiMacはこの箸。輝度・鮮明さはダントツ


アップルは「縦横比16:9」をアピールしてます。確かにこの横長ワイドの方が見栄えはいいんですけど、前世代は16:10だったので、劇的変化じゃないです。 21.5インチモデルも27インチモデルも対角線のインチ数こそ増えましたが、縦カウントが減るだけですね。

ガラスカバーは端から端まで全面になって、シルバーの細い縁は消えました。画面はまだグロッシー(光沢あり)で、反射予防のコーティングは施してるんですけど、すごーく照り返しはキツいです。

あ、あと、こんな重箱の隅をつくのは気がひけるんですが、書かないともっと罪の意識感じちゃうので書いちゃいますけど..えとですね、このモニター、真っ白い画面の時、ちょびーーーーーーーーっとだけ斑点が見えるんでございますよ。僕のモデル(複数)はバックライトにも若干ムラが出ます。まあ、真っ白けから他の画面に切り替わると、視聴クオリティーには何ら影響が出ないので、心配は要らないですけどね。

さっき30インチCinema Displayと比べてみましが、これも学術研究とかじゃないですよ(と念押し)。新iMacで一番興味深い機能は、Mini DisplayPort(通常は出力用)が入力用に使える...つまりノートや他のデバイスに繋いでスペアのモニター用にも使えることです。30インチのCinema Displayとほぼ同一スペックで、しかもアップデートしたLEDディスプレイ―これだけ揃ったら、この肩越しに30インチのCinema Display買う理由なんてひとつも思いつかない気がしますよね?

が、まだそこまで...じゃないんです。



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フルサイズの1080p版トレーラー2本を並べて表示したところ


問題はサウンド。

XboxをiMacに繋いでその画像をネット一番乗りで公開しようと思って(タイトルは「2世界衝突」!)、monopriceにMini-DisplayPort-to-HDMIアダプタを発注したんですけど、あいにくPS3もXboxも解像度に関わりなくHDもそれ以外もサウンドのHDMI入力は使えなかったんですよ(←ハンズオンの前に注文しちゃったんでしょうね...)。今市場で買えるアダプタは一方通行と聞いてるので、HDMIソースの音源拾ってiMacに出力することは当分できない模様です~。

こうして書いてる今この瞬間にも、きっと誰かがMSゲームをデスクトップMacに送り込むケーブル作ってると思いますが、現状ではまだないわけだし(新しく出るケーブルは音声込みになって、コネクタを通してiMacに音声を取り込み、動画ソースはネイティブの解像度まで表示が可能になると思います)、出たとしても何ヶ月も先の話になるみたい。今すぐゲームコンソールやブルーレイプレーヤーを繋いで使うつもりで買うと肩透かしになるんで、ご用心、ご用心。

一方、ラップトップ繋いで使うのは面白いですよ。妙な感じですけど、うれしいボーナスだし、用途もはっきりしてますからね。

使い方はこう。Mini-DisplayPort to Mini-DisplayPortのケーブルをiMacに差し込み、オンにします(オフのまま使えるソニーのオールインワンとは勝手が違う)。するとiMacが一瞬チラチラッと点滅したかと思うと...iMacがラップトップの霊...じゃなくて像に入れ替わるんです!

ミョーなのは...iMacがモニターとして動作してる間、キーボードとマウスは全部動作がブロックされるのに、キーはいくつか普通に動くこと...。pause/play(一時停止/再生)、FF、RR、音量コントロール、明るさ調整キー、これ全部動く。MacbookならMacBookの画面を見てる最中なので、いつものアイコンでは表示されませんけどね。

それともうひとつ面白いのが、ある1台のコンピュータのモニター用にiMacを使いながら、もう1台(iMacのこと?)から楽曲を聴くことも可能なこと。...XBoxならゲームの音源聴くだろうし、なんに使うの?という疑問はありますけど。

Macと外付けソースの切り替えは、「コマンド+F2」です。

(*21.5インチiMacは27ほど鮮明・美麗ではないけど好ましい進化を遂げました。チャート参照)

おっと、ワン・モア・シング! LEDディスプレイは既存のパネルより薄型。幅・重量は増えてるので、レイアウトや温度調整を組み込むスペースは十分確保できたみたいですね。

というわけで、いよいよ筐体と中身の話に移りましょう(まだ終わりじゃないのよ)。


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筐体


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iMacの筐体は総プラスチック製から、2007年にアルミニウム+ガラスになりました。こんな大判のアルミを加工できるPC工場なんてないので、最初のアルミモデルは自動車工場で型抜きしました。今のiMacはさらに大きなアルミ使ってるし、ケースも大きければ、背面には黒いプラスチックのキャップに代わり継ぎ目のないメタル素材をすっぽり被せてますよね。薄型に仕上がる黒プラスチックの利点は消えたけど、寸法を工夫したお陰で約1mm薄く、ワイドに仕上がりました。見た感じもスリム。

お、スタンドは正面に突き出るところが徐々に1.1mm分、薄くなってます。これも画体をスリムに見せるのに一役買ってるんですよ。


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アスペクト比が横長になったことと、あと、あご(スクリーンじゃなくコンピュータであることの唯一の証!)が前より22%縮んで、ずっとカッコ良くなりました(個人的感想)。サイズ大きめになったことで、内蔵部品のレイアウトも変わりました。アップルとiFixitからその詳しい話を聞いて、ほ~と思った点もいくつかあります。

一番重要なレイアウト変更は、GPUとCPUがケースのほぼ正反対の両端に配置されたこと。で、各々ヒートシンクを装備し、音の静かな冷却ファン各3個で大量の熱を飛ばしているんですよ(アイドリング状態で20db未満。非常に静か)。


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ポートは、後ろにMini DisplayPort、USB 2.0ポート4個、電源プラグ(ワイヤーはここだけ)、 Firewire 800、ミニジャック/光学入出力、Gigabit Ethernet。マウスとキーボード間のインターフェイスを繋ぐBluetooth 2.1+EDR対応ワイヤレス、あとは802.11n Wi-Fi。ケースは総アルミですけど、アンテナは背面トップ中央にあるプラスチックのアップルロゴ内に忍ばせています(賢い)。受信シグナルは僕のノートより気持ち強め。

iChat専用カメラとマイクロフォン(後者は約1ダース分の小さな穴をひとまとめにしたMacBook Pro風マイク)はトップに装備。新モデルは背が高いけど、前モデルに比べサウンドは良好でした。マイクがトップにあるので、パワフルになった新ツーウェイ・スピーカーから出る音が邪魔にはなりません。というか、ならないようにしたようです。座った場所から楽曲とSPLのメーターで測ってみたら、僕のノートブックのマイクで拾える音は70db、iMacは76db。音は耳で違いが分かるぐらい、大きくリッチです。24インチiMacは手元にないので比べられませんけど。

ケースがゆったりした分、RAMは4基積めます。これは下からアクセスできますよ。 (OS X Snow Leopardも出荷されたことだし、プログラムと64-bitのOSは一度に4GB必要になるので、これは将来の備えになりますね)。


分解ギャラリー(ソース:iFixit)

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パフォーマンスは?

僕がテストしたiMacは3.06GHz Core2Duoプロセッサ、メモリ4GB、ATI Radeon 4670グラフィックス搭載モデル。上位モデルのクアッドコアi5チップやi7チップ、ATI Radeon 4850 GPU搭載のモデル(11月よりiMac搭載で出荷がスタートします)じゃないです。

より重要なポイントは、この僕が持ってる現在出荷中のモデルは、前世代のもっとハイエンドなカスタム発注のマシンとほぼ同等の性能を持っているということ。iMac発売週に米ギズが紹介したシステムのベンチマークでは、すべて事実上性能は「同じ」という結果が得られました

Core i5とかi7のマシンがまだ手元にないので、そちらはアップルの正式発表から借用しておきますね。まあ、本当かなーという感じで読んでくださいね。特にエキストラのCPUコアは、まだほとんどのソフトがこうしたチャンネルを効率良くレバレッジできてないのが現状なので、融通の利かない乗算として、要注意ですよぉ~ん。


ベンチマーク

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3Dに関しては、Maclifeに『Doom 3』と『Call of Duty』のフレームレートスコアが載ってます。正確じゃないにしても僕が今持ってるマシンは大体こんな感じ、ってことですね。でも、繰り返しになりますが、この今日(米版掲載日)発売になるマシンは前世代の似た装備のマシンより速くはないですよ。同じパフォーマンスで値段が安いだけ

でもでも、これまた繰り返しになりますが、もっとハイエンドのマシンが出るのを待つのもいいんですけど、そのあり余るパワーもほとんど活かせるかどうかの保証はないんです。というのも、出荷時搭載になるマルチコアのCPUとGPUの技術を活かせるアプリを除けば、Snow Leopardもまだそういうアプリは数が揃ってないので...。プログラムはそのうち出ます。でも、クアッドコアのマシンを買っても、すぐさまスピードアップするかどうかは、まだ保証の限りじゃないですね。

例外もあります。Core i5/i7のチップは、もっと安いマシンに搭載になってるCore 2 Duoチップより低クロックなくせに、シングルコア用アプリはもっと高いクロックスピードでしゃかりき動かせるんですよね。4つのコアすべてが燃焼中というわけじゃないので、 チップ側でスペアの電気と余剰な加熱を使ってダイナミックに自動で作動中のコアをオーバークロックしてくれるというわけです。なので、i5チップは2.66GHzから3.2GHzに、2.8GHzのi7チップは3.46GHzになるんですよ(最大8台のバーチャルコア向けにハイパースレッドで動作する4コアの場合)。

こうして聞くと速そうですけど、これについては11月にもっと深く掘り下げたテストを行う予定です。現段階でみなさんが留意すべきことは、手持ちのデスクトップが買ってまだ1年半も経ってないなら、今の世代のiMacで最高のチップが出る前にアップグレードするなんて、ちょっと馬鹿げてますよってことですね。


他には何が入ってくるの?

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古いマウスに代わって、新マウス「Magic Mouse」が同梱になってます。マルチタッチ対応で360度スクローリング&スワイピングもできるので、使ってみると、Macbookのトラックパッドみたい。前にも書きましたけど、僕がノートを使う一番の理由はトラックパッドが大好きだからなんですよね。ジェスチャーや指先の動きを正確に拾い、尚且つキーボードに近い―これだけでマストハブだと思います。

レビューを担当したジェイソン・チェン記者も、好きなんだけど欠点がゼロってわけじゃないって書いてましたよね(iMac買おうと思ってる方は是非そちらも読んでみてね。アップルが提供するオプションはこれだけなので)。

Magic Mouseで唯一問題かなーと思ったのは...27インチiMacの付属品の割には、ポインタの感度を最大に設定しても、やや速めに手首に弾みをつけてスワイプしただけでは高ピクセルのランドスケープの3分の2までしか届かない点。スクリーンの端から端まで到達するぐらいマウスに加速をつけたかったら、マウスパッド上で手を激しく動かす以外、方法がないんです。 もっと感度上げてくれないと。..ソフトウェアのアップデートお願い!

キーボードも昔のケーブル付きのから、ワイヤレスのBluetoothモデルに一新です。このキーボードなら、マウスの隣に置いてもお似合いだろう、ってアップルは言ってます。スクリーンも過去最大になってモニター役も兼ねることだし、映像見るときなんて、遠くからリモコンに使えて便利ですね。ただ、ちょいと小さいかな。マシンと並べるとサイズが不釣合いです。Macはワイドになったのに、キーボードは短くなっちゃって(テンキーパッド抜きになったのは前バージョンからです。数列キー分の幅が減ったのは、初代のアルミのiMacに比べて、という意味)。


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ああ、あとですね、ラップトップ、AppleTV、iMacすべてに同梱になってた白プラスチックのリモコンは楕円のアルミのリモコン(ボタンは黒のゴム)に変更となりました。長くなってiPod nano風。これからは同梱じゃなくて別売(19ドル/1980円)です。チーン


競争力チェック

他のPCメーカーさんが出してるオールインワンもありますが、今んとこiMac 27インチほどデカくて高解像度な市販品はない模様です。

ソニーのVaio LとかHPの製品には、赤外線(IR)対応のタッチスクリーン、TVチューナー、ブルーレイ専用ドライブなどプラスの機能もついてるし、HPのTouchsmartみたいな手堅い製品もあります。Macのプラットフォームと結婚しちゃう前で、こういうの重視する人はそちらでも良いでしょう。タッチは半煮えかもしれないですけど...。


コストパフォーマンス

一番おいしい狙い目は、1200ドルの21.5インチ。でもアップグレードするなら、1700ドル(16万8800円)の27インチも一考の価値ありです。でもでも27インチをアップグレードするなら、クアッドコア搭載モデルも検討した方が...2000ドル(19万8800円)、2200ドル(?)でこの内容はなかなかですからね。

カスタムビルドはクアッドが出るまでは、あんまりお買い得じゃないです。一安い27インチかクアッドを選びたいところですが、ギズが現物テストするまで待っても遅くないでしょう。

27インチiMacと昔の30インチCinema Displayを比べると、後者はピクセル数が10%増えるのに100ドル高く出すなんて、もったいないです。そう、コンピュータでもないですからね。


ハードウェア・ギャラリー

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まとめ

さ、これで、安い方のモデル買おうか、倍の値段で高いモデル買うべきかどうかで悩んでる方にも、大人の判断ができる材料は揃ったと思います。(クアッドコアのベンチマークはまだですけど)

新しいチップが遅いというんではなく、新しい内部のレイアウト、デザイン、スクリーンを1ヶ月待つ方が、アップルに隠しだまを残らず吐かせる意味でも賢明ですよ、ということですね。そのうちSnow-Leopard対応アプリも市場に出て、パフォーマンスのスコアも出ますから。


[総論]

・大型の美しいディスプレイは超高解像度&明るい。

・筐体デザインはさらに美を極め、あご(画面下の縁)も縮んだ。

・もっと高速なパーツは未出荷。今のコンポーネントは前世代のもので発売中。

・ブルーレイプレーヤー、タッチスクリーンその他諸々はない。僕はいいけど、気になる人もいるかも。


Brian Lam(原文/satomi)

UPDATE:訂正しました、ありがとうございます!
 

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