GIz Explains:Androidが世界を制する理由

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キャラクターもかわいいしね。

アメリカで携帯電話会社Motorolaが初のAndroid 2.0搭載の携帯電話Droidを発表しました。ぱっと見、ただのGoogleのスマートフォンの別ヴァージョンのような気がしますが、Android 2.0はもっと上を行くんです。どのくらい上かというと「Android 2.0は世界を制する!」といってもいいくらい上。

【そもそもAndroidって?】

Android は、オペレーティング システム、ミドルウェア、主要なアプリケーションを含む、携帯端末向けのソフトウェア スタックです。

とGoogleの説明にはあります。

AndroidはLinuxベースのオープンソースモバイル用OS、これにカーネルからミドルウェア、ウェブブラウザ、カレンダー、メディアプレイヤー等のソフトウェア、アプリを1つのパッケージにして提供しているということです。だから「あちらこちらにいろいろありすぎて、意味が広すぎてよくわからない...」って思うのも、そもそもAndroidとはそういうものだからなのです。

Androidはコアなコンポーネントの部分においては無償提供され、Googleはリリースの度にソースコードの開示をしています。

ただ、Androidの主要部分=Googleのアプリ、Maps・GChat・Gmail・Android Market・Google Voice・Places and YouTube等はクローズドソースです。つまり、Googleが公然とこれらのアプリを所有しているわけです。全てのGoogleフォンはこれらのアプリが形は違ってもついてくるので、いちユーザーにとってはあまり大きな問題ではありませんが。

しかし、これが問題になる場合も。例えば有名なAndroidハッカーのCynogenさんはGoogleから訴えられないように、改造されたAndroidからはこれらクローズドソースのアプリを削除しています。Cynogenさんによると「Maps・GTalk・Market・YouTube等のGoogle所有のアプリケーションは区分が別だということ。これらはGoogleの知的財産であり、僕はそれに敬意を表することにしました。だからもうCyanogenMod(Cyanogenさんのウェブサイト)のプロジェクトとしてこれらのアプリをいじることはしていません。」

これはもうちょっと難しい問題に発展します。例えばマルチタッチの問題。Android OSはマルチタッチをサポートしています、スクリーン上の2箇所以上を同時にさわって動作を行うやつですね。ところが、Androidアプリはこのマルチタッチサポートをしていません

故に、HTCがマルチタッチ仕様をOSに追加しようとした際に、オープンソースの部分にしか反映できないのです。例えばブラウザや、自社のクローズドソースのアプリにはマルチタッチ仕様をいれこむ事ができますが、Googleの所有するアプリにはいれこめません。HTCのHeroがブラウザやフォトアルバムでは指でつまんでズームができるのに、GoogleのMapsではできないということになったのです。

これらのアプリはAndroid用にGoogleが作っているアプリということで、Androidの1部というわけではありません。ただ、端末とセットでこれらのアプリがついてくる場合がほとんどですけど。つまりAndroid端末の中には無償提供のAndroid部分Googleが所有するアプリ部分という区別があるわけです。

しかしなぜGoogleはこのモバイルOSの全てをクローズドソースとして自分で作って、完成品を無償提供する形ではなく、「オープンソース化している」のでしょうか? それはもちろん他の携帯会社がOSのコアコンポネントをいじって自由に作るという形を提供したいからですね。しかしもっと大きな理由があります。それは携帯電話という分野だけではなくもっと広いエリアをみてみるとわかるようです。

続きどうぞ。

 

 

【今まで】

2007年11月7日、オープン・ハンドセット・アライアンス(Open Handset Alliance)は参加各社手を取り合って期待の星「Android」を発表しました。ただその際Androidに関して発表された情報はほんの少しでした。

「携帯電話会社は新しい革新的な製品をより早く低コストで市場にだせるようにAndroidを自由にカスタマイズすることができます。開発者はより納得のいくユーザーにとっても使いやすいサービスを作るために必要な情報にアクセスすることができます。インターネットでの開発者のスタイルが携帯の分野に登場です。」

Googleフォンの噂を聞いて、多くの人は正体が掴めないながらもAndroidに期待に胸を膨らませました。もちろん中にはがっかりした人もいたでしょうが。

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そして待ちに待って、約1年後ついに初めてのAndroid搭載のハードが登場しました。T-Mobile G1です。これはなかなか大好評。その6ヶ月後にHTCよりMagicとMyTouchが登場。

そしてAndroidが発表されてから2年もたたないうちに、HTCだけでなく、Motorola、Samsung、Sonyと相次いでAndroid搭載端末を発表し始めました。様々な企業がAndroid端末を発表することで、Androidは「実験的試み」を抜け出し次のステップへ進み始めたのです。

新しい端末が登場するだけではなく、Android自身も変化して行きます。

初Android端末T-Mobile G1はAndroid1.0搭載で出荷されました。1.0は特に欠けているものがあったわけではないですけど、まだ骨子と言える状態でした。

2009年2月よりAndroid市場に有料アプリが登場しました。4月にはAndroid1.5Cupcake:カップケーキ」で大きくアップデート。(※Androidのアップデートにはそれぞれアルファベット順でお菓子のコードネームがつけられています。)さらに1.6の「Donut:ドーナツ」現在市場にでているほとんどのAndroid携帯はこの1.6。そして今回の2.0Eclair:エクレア」がソーシャルネットワークを統合し、インターフェースも向上し、新機種もサポートして登場です。SDKも新しくなり、オプションでGoogle Mapsのナビもサポートしてます。

この2.0エクレアヴァージョンは現在Motorola Droidにしかはいっていませんが、あと何ヶ月したらあちこちで見られるようになるでしょう。

【AndroidはただのモバイルOSではない】

さて2008年前半に発表されたまた別のニュースリリースを見てみましょう。

「Androidはただのハードウェアではありません。あらゆるハードウェアに対応することができる完璧なソフトウェアのプラットフォームです。そこには全てがあります。ブートストラップローダーから多くのアプリケーションまで。音声認識に興味がある? ヴァーチャルマシンのリサーチが必要? Linux埋め込みのマシンが必要? 全てがAndroidにはあります。オープンソースにはグラフィックライブラリ、メディアコーデック、さらにとても使いやすい開発ツールまでがあるのです。」

過去2年のAndroidに関する話はだいたいがLinuxのライト版というよりは、電話OSとしてでした。Googleが電話方面で忙しくしている間に、Androidは電話以外にも他の分野に少しずつ進出し始めたのです。

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Androidのネットブック、計画のうちです。米大手ブックストア「Barnes&Noble」のAndroid搭載電子ブックリーダーNook、驚くようなことじゃないです。Androidのナビ、もちろんでしょう。音楽プレイヤー、もう使ってる人がいます。フォトフレーム等その他の商品もすでに準備中です。

これらの製品はAndroidっぽくみえません、Android搭載ってすぐにピンときません。なぜなら、我々はAndroidといえばすぐ携帯関連のものを連想しがちだからす。しかし、これらの製品(Androidの使い方)も携帯電話と同じくらいAndroidの今後を担っていることは事実です。ただ、電話ほどわかりやすく見えてないだけ。

Android搭載のビデオにアプリの引出しはついてません。でもカーネル部分もウィジェットも同じです。Android搭載のミュージックプレイヤーはカスタマイズされたインターフェースかもしれません、でもiPod Touchのように何千というアプリにアクセスするのことが可能です。Android搭載のフォトフレームは他のデジタルフォトフレームと見た目では全く同じかもしれません、でもワイヤレスのコネクションが落ちた時にちゃんと完璧な設定画面を表示してもとに戻すヘルプをしてくれます。

さらにこれらの製品は他のものよりもいくぶん安くなるかもしれません、だってAndroidは無料提供されていますから。Androidにはこのような未来が開かれているんです。すばらしい。

【次は?】

Androidが初めに制するのはやはり携帯業界。Android 2.0はただおもしろい携帯端末ってだけでなく、実際とても購入価値があります。米GIZMODOのMatt記者は「インターネットフォンと言えばAndroidとなりうるくらい価値がある。Android2.0はiPhoneと同じようにビッグヒットとなる予感」とレビューしています。

現在残る問題点(乏しいメディアプレイバック、メディアを管理するデスクトップクライアントの欠如等)はAndroid自体の問題ではなく、その主要スポンサーであるGoogleの問題点であると言えます。これらの問題をGoogle自身が解決するのか、それともオープンソースと開発者達が夢見るように彼らが溝を埋めて解決していくのか。どちらにしろ未来のGoogleフォンの成功の可能性のために必要なことです。

成功の可能性は確実なものとなってきています。単にAndroidがどんどん世に広まっているという事だけではなく、ライバルのWindows Mobileは苦戦をしいられている事実も成功に拍車をかけているようです。

Motorolaが「Microsoftと今後は仕事したくない」と言ってたり、HTCはWindows Mobile搭載を継続するも、半分をAndroidに移行させる予定だったり、Sony EricssonからMicrosoft関係のヒットプロダクトがここ数年でてなかったりと、ライバル達は苦戦中なのです。さらに多くのユーザーが考えるように、Windows Mobileでできることは、Androidでもできます、しかもよりよく。

もちろんそれでもMicrosoftはWindows Mobileを開発し続けるでしょうね。

他のモバイルOS、SymbianのCEOが「AndroidなんてただのLinuxのプラットフォームの1つにすぎない」なんて発言してますが、ちょっとグラグラしてますし、Palm Preはプロダクト自体は素晴らしくもアプリやハードの提携が少ないことからAndroidのライバルにはなり得ないだろうし、RIMのBlackBerryはそもそもAndroidのライバルの心配はないでしょう。Android2.0、Palm OS、iPhone OSと比べるとBlackBerryはちょっと一昔前な感じが否めないですから。

さてさて、こんな理由から今後はAndroidとiPhoneがスマートフォン市場の大半をしめることになりそうです

もしGoogleがAndroidの欠点を直すのに10年かかるとしても、Android(またはGoogleフォン)は携帯業界のビッグネームになるでしょう。さらに、Androidのビッグネームは携帯だけではなく、電子ブックリーダー、ポータブルミュージックプレイヤーから、もしかしたら考えもつかないようなプロダクトまで広がる可能性が大いに有ります。

ただのモバイルOSじゃないんです、目に見えないところでAndroidは多くのガジェットに広がっていくのです。

John Herrman(原文/そうこ)