【サイボーグ・ライフ】ラボで臓器を作る人(動画あり)
掲載日時:2009.11.16 21:00
臓器売買のダークな世界に強敵登場!
今の科学は思った以上にすごいとこまで来てるんだなーと実感したのが、こないだTEDMEDで見た映像です。動画の主人公は米ウェイクフォレスト大学再生医療研究所アンソニー・アタラ(Anthony Atala)所長。ラボで人間の臓器・組織を再生する研究を20年近く行っている方ですよ。
再生したペニスを移植したウサギが子作りに成功したニュースでご記憶の方も多いんじゃ? 博士はインクジェットプリンターから細胞を噴射して腎臓を印刷(形成)しちゃうんです。なんという荒業! 普通、3Dプリンターと聞いても合鍵つくるぐらいが想像力の限界ですよね...。
「再生医療」は、人体の自己治癒を促す臓器修復・移植を探求する、とっても面白い分野です。アタラ所長のラボはこの分野専門の研究所としては世界最大級。以下にお送りします5本の動画(製作:同研究所)は、アタラ博士の過去20年間の成果をまとめた「BESTヒット総集編」とも言うべきものです。
一晩でかたちになった研究はひとつもありません。ほぼ全て臨床試験はまだのものばかりですけどね。
案内役は、同研究所上級広報マネジャーのカレン・リチャードソン(Karen Richardson)さん。マッド・サイエンティストなんだけど完全に正常なアタラ博士とのQ&Aは動画の後に、どうぞ!
ウェイクフォレスト大学再生医療研究所は、戦地で負傷した人たちの再生医療を専門とする科学者たちのコンソーシアムの一員として、例えば人間の耳と指をラボで再生するプロジェクトなんかを手掛けてます。最終目標は手足を丸ごと再生すること! この動画では、研究員たちが耳と指の土台に細胞を播種していますね。
ウェイクフォレスト大学再生医療研究所では、インクジェット技術を使って組織や臓器を3D印刷しています。ここでは小さな2室の心臓を印刷し工程を披露。
ラボで筋肉を再生する工程には「運動」も!体内での働きをソックリ真似てくれる装置の中で、体育のお時間です。運動は、いざ本番で機能する際に必要となる特性を伸ばす助けになるんですよ。
(同上)
(同上)
Atala博士インタビュー
臓器生成・再生は今どこまで進んでるのか?
今の患者さんたちは既にラボで生成した臓器や組織の恩恵を受けています。例えばラボで培養した膀胱は二分脊椎の子供や脊髄を傷めた成人を対象に臨床試験中ですし、もうじき膀胱がんの患者さんにも試験利用する運びとなります。組織エンジニアリング技術は、狭くなった尿道(体から尿を排出する管)の治療にも使われていますよ。
5年後なにをしてるのか?
現在ラボでは22種類の組織と臓器の再生に取り組んでいます。血管、心臓弁、骨、筋肉、腎臓、肝臓などです。科学の進歩は必ずしも一直線とは限らないので、目的達成まであとどれぐらいかかるか言い当てるのは不可能です。
10年後は?
うちの研究所も他のところもそうですが、今は臓器エンジニアリングのみならず、糖尿病から尿失禁、心不全まで各種症例に応用する細胞セラピーの研究にも動いています。克服すべき壁はたくさんありますし、時期的見通しを立てるのもほぼ不可能ですが、こうした技術に将来性があることは確かですね。
20年後は? (はいはい、馬鹿な質問ですよね。でもだから面白いんですよ)
どれぐらいかかるかは何とも言えませんけど、ある臓器がけがや病気にかかったら、その臓器を棚から買ってすぐ「差し込んで」代用できる未来は必ず来ると思いますね。われわれは臓器エンジニアリングや細胞セラピーといった技術のブティックを構え、医師が患者のニーズをベースに理想的な治療法を選ぶ時代が来ると思いますよ。

(写真)生分解性の3次元の台で増加・発達中の膀胱の細胞を支え、人の膀胱を成形していく。技師は台に細胞の「種を撒く」。プロジェクトの詳細はこちら(提供:Wake Forest Institute for Regenerative Medicine)
Gizmodo今週のテーマは「This Cyborg Life」。人体を聖なるものとしてではなく物体として見た場合、そこから何が起こるのかを掘り下げていきます。
Mark Wilson(原文/satomi)
UPDATE: 訂正しました、ご指摘ありがとうございます!
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>生分解性の3次元の台で増加・発達中の気泡細胞を支え
「気泡細胞」という用語はおかしいです。原文をみるとbladder cells
となってますから、「膀胱の細胞」と訳すのが正しいと思います。
こまけぇ~こたぁ~いいんだよ
人間は既に進化のどん詰まりという人も居ますし、
今後、人間は自らを改造して進化していくのでしょうか。