あの宇宙を撮ったのは? 宇宙で使われたカメラ達

魅惑の大宇宙。

我々民間人が宇宙へ行けるまではまだもう少しかかるようですが、地上にいる僕らでも、宇宙からの写真や動画によって宇宙の壮大さをいつでも感じることができます。考えてみたらすごいですよね、技術の進歩って。

...しかし、あの宇宙の写真ってどんなカメラでとったんだろうって思いません? NASAの事ですから、何十年も先取りしたとんでもないカメラを使っているんでしょうか。

ということで調べてみました、数々のNASAの宇宙ミッションで使われたカメラ達をどうぞご覧あれ。

1962 ハッセルブラッド 500C


Photo from hasselblad.jp

62年、NASAのマーキュリー計画(アメリカ初の有人宇宙飛行宇宙)でウォルター・シラー宇宙飛行士が、ヒューストンのカメラ店で購入したハッセルブラッド500Cを宇宙へと持ち込みました。同じマーキュリー計画では、次にご紹介するミノルタ ハイマチックも持ち込まれていますが、ハッセルブラッド500Cは最小限の改造(正確には本体のレザーは取り外してある)で持ち込まれたカメラです。

カメラは基本的な一般ユーザー向けのもので、装備はPlanar f/2.8と80mmレンズ装着のものだった。彼はNASAの宇宙飛行士の卵で、スタッフにも恵まれていた。新しく購入したカメラで宇宙の写真でも撮ろうと思っていた彼はハッセルブラッド本体のレザレットの部分を剥がし、反射を抑えるために金属面を黒く塗った。そして1962年にマーキュリーというロケットに乗り込んだ時に、そのハッセルブラッドのカメラも携行した。宇宙に出てからは、周りの景色に圧倒された。そして持参したカメラで数枚写真を撮った。

1962 ミノルタ ハイマチック

あの宇宙を撮ったのは? 宇宙で使われたカメラ達 1Photo from Wikipedia

61年にミノルタから発売されたレンジファインダー機ハイマチック。ハッセルブラッド 500Cと同じく、NASAのマーキュリー計画(アメリカ初の有人宇宙飛行宇宙)で使われました。ただしこちらは、結構改造されたようです。

このカメラは米国アンスコ・オーセット社からの要求でミノルタが市販品を改造し、軽量化、宇宙服での操作性向上、電子レリーズ化したもので、レンズ部やシャッター部などの当社の潤滑グリースが採用され、マイナス数十度の宇宙空間でも固まらない当時としては高価なシリコーン油をベースにしたグリースが使われた。現在はワシントンのスミソニアン国立航空宇宙博物館に保存されている。[国立科学博物館−産業技術の歴史より]

 1969 ハッセルブラッド EDC(電子データカメラ)

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Photo from hasselblad.jp

アポロ11号月面着陸の際に使われたカメラがこのハッセルブラッド EDC。ニール・アームストロングが月に降り立った時の写真はすべてこのカメラでとられました。

あの宇宙を撮ったのは? 宇宙で使われたカメラ達 3

有名すぎる月への第一歩。誰もが一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。ずーっと不思議に思ってたんですけど、アポロ月面計画の写真って十字のマークがついてますよね?(写真右上のほう) あれってガラス製のプレートに十字がついていて、それが記録されたものだそうです。

1971 ニコン フォトミックFTN

ニコン初のスペースカメラがこの「フォトミックFTN」。見ていただくとわかると思いますが、かなり無骨ですよね。NASAからの要望で、市販品のフォトミックFTNとは大分違う見た目になっています。ダイアルが手袋をしたままでも操作できるように大きく設置してあったり、ボディの材質も強度の面で大きく変化しています。

レンズのツノ(?)もカッコいいですよね。写真からすると55mmの単焦点のようです。

1981 ニコン F3

1981年のスペースシャトルコロンビア号の登場から使われるようになったのがニコン F3。NASAの特別なフィルムを装着可能で、フィルムの途中でもフィルムパックごと交換することが可能です。レンズはNASA仕様のマイクロニッコール55mm f2.8が取り付けられています。

あの宇宙を撮ったのは? 宇宙で使われたカメラ達 6
Photo From NASA

2001 Kodak DCS760(ニコンF5ベース)

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さてさて、みなさんお待ちかね、いよいよデジタルカメラが宇宙にも持ち込まれますよ。最初に持ち込まれたのはKodak DCS760。有効画素数600万画素、ISO感度80~400と、いま見ても使い方によっちゃ、使えるスペックとなっています。

こちらの写真はDCS760を使って取られた地球の写真。キレイですねぇ。ウットリ...。

2007 Nikon D2XS

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2006年に発売されたニコンのフラグシップ機「D2XS」。NASAから計76台の公式発注受けました。市販品との違いは、潤滑剤のみだそう。

有効画素数1240万画素、5コマ/秒連続撮影、当時世界最短約37msのレリーズタイムラグということですから、今のデジカメとほとんど変わらない性能ですね。撮影された画像はこちら

2009 Nikon D3S

そして、2009年。ISO102400&動画機能を備えた「D3S」11台がNASAより発注されました。レンズは「AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED」。

詳しい性能はこちら

という事で、ざっと宇宙へ行ったカメラ達をご紹介しました。なにより驚きなのが、NASAはほとんど市販品をそのまま使用しているということ。もちろん宇宙用にカスタマイズは見られますが、僕たちが手に入るカメラであのキレイな写真が撮られたっていうのがなにより嬉しいですね。今回はNASA公式発注以外は取り上げませんでしたが、他にも宇宙飛行士の若田光一さんはオリンパスのE-3を持っていきましたよね。

さてさて、時は2009年。今世紀最新鋭のカメラ「D3S」の宇宙からの写真に期待しつつ、筆をおきたいと思います。

(遠藤充)