見せ方と売り方 Appleマジックの秘密とは!

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魅せ方と言うべきか。

これいいのにと思っていても売れないモノ。なんでこんなものがと思っても売れるモノ。

モノを売るためのマジックは一体どこにあるのでしょう。そのマジックを知っているのは...、そうジョブズ氏率いるAppleです。Appleの見せ方売り方の魔法をさぐれ!

モノの売り方。売り手の宣伝方法のアイディアが足りないからじゃないの? いえいえ、そういうわけじゃないのです。Appleのやり方の最大の特徴とは、試作品を一切公開せず完成製品をどんっと市場に送り出すということ。これがAppleと他企業との大きな違いと言えます。これによってAppleと消費者の間に信頼関係を築きます。

1934年のシカゴ・ワールド・フェア、スローガンは「Science Finds, Industry Applies, Man Conforms(科学が見つけ、産業が適用し、人が順応する)」このスローガンによって製品プロデューサー達はモノ売りの基本方程式にはまってしまいます。試作品をだし、一般からの反応を測定し、そしてそれに基づいて製品化していく。結果そうして製品化されたものは当初のものと比べて無難な製品になります。そう、(悪い意味で)とんがってない製品になります。

もちろん、途中経過を発表することでお互いが競争しあって切磋琢磨するといういい面もあるでしょう。

「将来はこんな感じです、そしてその将来へ向けての途中経過で今すぐ買えるものはこんなのです。」それがまさに試作品の発表です。家電だけではなく、それに近い業界もこの流れにのります。車業界はモーターショー等でコンセプトや試作品を発表。ゲーム業界も同じく。

しかし、ジョブズ氏のやり方は違いました。Appleは従来のやり方を覆すマジックを使ってきました。

 Appleの見せ方は職人技とも言える高度なもの。パフォーマーであるジョブズ氏の流れを邪魔しない服装、彼の巧みなユーモアのセンス。そして他との最大の違いであり魅力であるのは、ジョブズ氏が新製品の発表をする時にはその新製品が存在しているということ。同じ日に購入できる状態であるということ。(たまに、たぶんとかそのうちってのもあることがあるが。)

ここで、その真逆のやり方をしている企業としてLenovoの例を。今年のCESでLenovoはIdeaPad U1の試作品を発表しました。ネットブックのスクリーン部が外れてマルチタッチタブレットになる注目大の製品。やるな、と言いたくなる製品です。ただ、もちろん購入はまだできません。そして購入ができないということこそ、Lenovoの戦略でありそしてLenovoが自分自身を甘やかしている点でもあります。

まず、この取り外し可能なタブレットスクリーンがついてこない他の自社製品を軽視。そして今後このタブレットな新製品を買うかもしれない消費者にたいしてメッセージを送っています。

「うちらこんなにすごいものを作れちゃうんだよね。でもね、ちょっと自分たちの思ってるやり方に100%自信もっていくぞっていうかというと、そうでもないの。だからもしこうしたら? みたいないい方法があったら教えてくれないかな?」

そうやっていくうちに、消費者は「そんなもんか。あんまし期待しないでおこう」と思い始めます。

あの時のあの試作品は? あの時あんなにドキドキしたあれは製品化されたの? どこにいったのよ? とがっかりしないように、あまり期待しないようになります。試作品はしょせんは試作品である、と思うようになります。

Appleはここで消費者と信頼関係をつくっているのです。

新製品だすよ!でたよ!これが自分たちが思うベストだ。自信満々だ!うけとれー!きっと気に入ってくれるはずだ!

消費者はそんな自信満々な製品に魅力を感じ、Appleの出すものを信頼していきます。新製品だよと言ったらその日のうちに発売される。

夢見てがっかりすることはない

試作品が悪いと言うのではないです。みんな誰もが試作品は大好きです。開発者は自分のやっていることをチラ見せして胸をはることができる。会社はその度にイベント等で宣伝できる。そしてメディアや消費者はそれに対して夢を見る事ができる。

ただ、この流れが必ずしも売り上げにつながっているというわけではないということです。

業界にとって、新製品発表前のリーク情報や噂はつきものです。Appleにとっては噂は宣伝の一環となっているとも見れます、がしかしそれはあくまで副産物の位置づけとしてであって、売り方見せ方の第一線のものではありません。Appleは製品発表の際、その製品をとてもわかりやすく明快にみせます。Appleは自社の製品を自信満々で発表します。自信満々で堂々とすることを躊躇しません。というのもAppleがそうしようがしまいが、Apple製品はワールドクラスであるという文化をすでに作っているからです。

試作品のかわりにAppleは特許をとります。もちろんそれももし隠すことができたら隠してしまうでしょうけれども。

Appleだって試作品は作ります。新たなトリックを試して、それが動くかテストして。試行錯誤が革新のための地肉となるのはもちろん百も承知です。ただその何か足りないものがあるかもしれない試作品段階のものをださない。完成するまで我慢しています。時に冷たいと感じることもあるAppleですが、それでもAppleはハイクラスなレベルまで自分たちをもっていきました。そのレベルをもって、より多くの製品を売り消費者をより喜ばしています。

CESは毎年ラスベガスで開かれ、そこでは多くの製品が発表されます。改革がどこまで進んでいるか、そのステップを見る事ができます。が、その日家に変える時、その製品を手にして帰ることはできません。

つまり、多くの会社は見せ過ぎなのです。見せ過ぎなのは製品だけではなく、夢もです。試作品を見せる事によって消費者に未来を夢見せすぎているのです。約束できないかもしれない夢を。

Appleの魔法はつまりは夢ではなく製品を見せるとこにあるのでしょう。

Joel Johnson(原文/そうこ)