Giz Explains : SSDってどんだけすごいの?

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スピード。堅牢性。性能。静音性。

SSDの魅力はたっくさんあります。でも、バリバリのパフォーマンスはそのうち低下するかもしれないし、いつかは摩耗してしまうかもしれない...と心配じゃないですか?

その心配への回答、もしかしたらここにあるかもしれませんよ。

SSDがなぜ素晴らしいか
(または、ハードドライブよりはマシか)

SSDの素晴らしさを理解する前に、HDD(つまりみなさんがこれまで使ってきたハードドライブ)について振り返ってみましょう。

基本的に、ハードディスクドライブは次のように動作しています。ドライブ内部にはプラッタという超高速回転する磁気の記録面があって、ヘッドがディスクに近づき、データを読み書きしています。だいたいレコードプレイヤーのような感じですが、違うのは、ヘッドが表面に触れることは絶対になく、むしろそれは絶対やってはいけないという点です。

で、ここがハードドライブの問題点です。つまり、ハードドライブは壊れやすく(コンピューターを落としてはいけない、とか)、また、ヘッドが物理的にデータの入っている部分に対して動いていかなくてはいけないために遅い、という欠点があるのです。

いっぽうSSDでは、シリコンに直接アクセスすることができます。

中にあるのはフラッシュメモリチップの集まりと、全体を動かすコントローラの集まりです。物理的に動くパーツはなく、回転したり、ディスク上に散らばったデータを探したり、ブィィィン音がしたりといったこともありません。その結果、従来のハードドライブよりもほぼ全てにおいてめちゃめちゃ速くどうかと思うくらい高速の立ち上がり(ちょっと古い動画ですけど、今でも同じです)、アプリの起動、ランダムライトとその他ほぼ全てのドライブのパフォーマンスが上なのです(巨大ファイルの書き込みは除く)。

評価基準として、サンディスクのSSDグループゼネラルマネジャーのドロン・マイヤーズドーフ氏はこう語っています。「SSDと同じ性能を出すには、ハードドライブは4万RPMで回転する必要があります。で、落としても大丈夫かというと...まあ、少なくとも多少はOK。」

以下、詳しく解説します!

 

SSDの秘密

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たいてい、SSDの中にはUSBメモリと同様のNANDフラッシュメモリチップがストレージとして入っています。それに、従来のハードドライブと同様の小さなDRAMがついています。

DRAMもフラッシュメモリなのですが、ストレージのメモリは不揮発性、つまり電源を落としてもデータは消失しないのに対し、DRAMは揮発性のメモリで、電源を落とした瞬間に消えてしまいます。でも、DRAMはただデータをキャッシュする役割で、全体を高速化するために一時的にデータを保持できればいいので、それで問題ないというわけです。

で、フラッシュメモリ自体についてもうちょっと補足します。ここがSSDの良くも悪くもポイントなので、わかりやすく説明するようにがんばります。

フラッシュメモリはトランジスタでできたメモリ・セルの集まりです。メモリにはふたつの基本的な種類があります。

ひとつめはシングルレベルセル(SLC)で、これは1セルあたり1ビットのデータを記録することができます(ビットは情報の基礎的な単位で、1か0のどちらかの値をとるっていうあれです)。SLCはものすごく速く、しかも長持ちするのですが、パソコンで必要なだけのデータ量を記録するには高価すぎるという問題があります。なので、実際にはSLCメモリは法人向けサーバなど、10万書き込みサイクルが必要とされるようなコンピュータにしか使われていません。

もうひとつが、一般個人向けのメモリに使われるのはマルチレベルセル(MLC)メモリで、現在、1メモリあたり最大4ビットまで記録することができます。「マルチレベル」とは何がマルチかというと、ビット数を拡大するために使われるボルト数の段階が複数ある、ということです。MLCのSSDドライブはSLCのそれよりずっと安価ですが、速度は遅く、また価格が安い分だけ摩耗しやすいという欠点があります。それでも当面は、一般に普及するのはMLC系の製品になると思われます。

SSDの欠点

構造的に、フラッシュメモリはブロックに分けることができ、さらにページに分割することができます。ここで、フラッシュの大問題のひとつに突き当たります。データは、ページのレベルでは読み書きできるのですが、消去するときにはブロックレベルでしかできないということです。言い換えると、たとえば256kのブロックと4kのページがあって、1ページ相当のデータだけ消したいという場合であっても、そのページを含む1ブロック全体を消したあとに、消した1ページ以外の全データをまた同じブロックに書き込み直さなくてはいけない、ということです。

これは大問題です、というのは、まず第一にMLCフラッシュメモリは1万回の書き込みサイクルで摩耗してしまうからです。

第二に、ドライブがいっぱいになってきたとき、パフォーマンスがやたらめったら低下してしまうからです。書き込み自由なブロックがなくなると、消去→書き直しのサイクルを次々にしないといけないので、オーバーヘッドがものすごいことになるからです。

第三の問題は、SanDiskのCEOエリ・ハラリ氏によると、「レンガの壁」問題が近い将来に起こる、ということで、これはストレージがチップレベルでは拡大の限界を迎える可能性がある、ということです。

欠点への対応

問題は、それでも僕らはSSDを次のコンピュータを買うときには使いたい、ということです。安心してください、問題のあるところには、解決策があるはずですよ。

SSDの主要なコンポーネントに、フラッシュメモリのほかにコントローラがある、と書きましたよね。コントローラは、メーカーによって異なり、差別化のキモになっています。サンディスクのマイヤーズドーフ氏いわく、「コントローラこそ秘伝のタレ」、現状、フラッシュを物理的・論理的にいかにうまく扱うかということが競争要因になっているのです。つまり、アルゴリズムの競争というワケですね。

フラッシュメモリの長い歴史において、最初の標準技術は摩耗性能で、これは単にドライブの同じ部分に何回も書き込まないということでした。なので、ブロックを消し始める前にドライブをいっぱいにすることで、消去・書き込みのサイクルを節約しています。

「書き込みアンプ」問題 --- 1MBの文書で4MB相当の書き込みが必要、なぜなら上で説明したブロックとページの問題があるので、読んだり消したり書き直したりすると結果的にそうなる --- は低下しつつあるとマイヤーズドーフ氏は言っています。なぜなら、ドライブ管理はブロック・ベースからページ・ベースにシフトしつつあるからです。よりきめ細かいアルゴリズムがあり、キャッシュや予測が適切にできれば、不要な消去や書き込みは少なくなるというわけです。

注目すべき技術はTRIMです。

ご存じのとおり、コンピュータから何かを削除しても、すぐに消えるわけではありません。OSは「このデータの上に他のデータを置いていいよ」というマークをするだけです。ハードドライブは、何かを削除したということ自体感知しません。TRIMの機能があると、何かデータを削除すれば、OSがSSDにそれを「消していいよー」と通知します。SSDはそのブロックをキャッシュに出力し、消したいページを消して、保持したいデータは新しいブロックにコピーし、次回書き込みたいときのためにきれいなページを残してくれます。これによって、読み込み→消去→再書き込みのサイクルをあらかじめ済ませておくことになるので、新規に何かを保存するときのパフォーマンスが向上します。Windows 7ではTRIMをサポートしていて、マイヤーズドーフ氏によるとWindows 8はSSDに関してはさらに改善する見込みだということです。

値段

ストレージの限界、つまりセルの中に存在しうる電子の数は、ムーアの法則よりも速いペースでフラッシュメモリのストレージを増加していて、現状ではNANDフラッシュを開発した東芝がチップのキャパシティにおいて最強です。

東芝は、16個の4GB NANDチップを合体させた64GBのNANDフラッシュモジュールを最近発表しました。このことは、さきほど言った「レンガの壁」に近づいているように見えますよね。

しかし、マイヤーズドーフ氏は、(彼のボスの沈鬱な発表にも関わらず)楽観的で、「フラッシュ産業ではこれまでにいくつもの壁がありましたよ。MLCへの移行あり、1セルあたり3ビット、4ビットが可能になり...。物理的な壁があるたびに、パラダイムシフトが起こり、パフォーマンス・カーブの次のステップに移行することができるのです。」と述べています。

なるほど、これなら少しは楽観視でいいのかも?

では、大問題です。SSDは、いつごろ「買える」価格になるのでしょうか?

有名なSSDのうち、160GBのバージョン1はインテルのX25で、470ドル(約4万2000円)です。OCZのColossusは実証されたSSDで、1TBモデルは2200ドル(約20万円)のMSRPです、もうちょっとしますけど。対照的に、1TBのWDの従来型ハードドライブは、運が悪くても100ドルくらいです。

マイヤーズドーフ氏は、SSDのバイトあたり単価が底値にまで下がる時期は、需要と供給の状況からして、いつになるかわからないと語っていますが、「主要な」ノート型パソコンには256GBのSSDが、18ヵ月以内に搭載されるようになるだろうと予測しましたよ。

う〜ん、どうなるんでしょ。今後が楽しみですね。

[Thanks to SanDisk]

matt buchanan(原文/miho)