アップル秘伝。マスコミが食いつく意図的リークの作法

アップル秘伝。マスコミが食いつく意図的リークの作法 1

極秘情報漏えい犯を容赦なく追い詰める鬼の「アップル・ゲシュタポ」も、必ず全員捕まえるわけじゃなく、中にはリークしても見逃してもらえる社員もいるんです。

そう、元Apple上級マーケティングマネージャーのジョン・マーテラロ(John Martellaro)さんのように、マスコミに餌をばら撒く「意図的リーク」を任された社員です。

元空軍オフィサーでアップルのエグゼキュティブだったマーテラロさんは、先日ウォールストリートジャーナル(WSJ)が流したAppleタブレットのスクープ元記事)なんかはまるで絵に書いたような見本だと言います。

そんな簡単にマスコミが飛びついてくれるものなんでしょうか? マスコミを手玉に取るアップルのリーク手順をマーテラロさんはこんな風に書いてます。

 

まず上級エグゼキュティブが来て、こう切り出すんだ。

「表に流さなきゃならん情報があるんだが、ジョン、誰か大手報道機関に信頼できる友人はいないかね? もしいるんなら彼・彼女に電話して世間話のついでという感じで、ポロッとこの話をして記事になったら有り難いんだがなあ、と仄めかしてくれんか。メールは使うなよ!」

情報伝達は常に対面か電話で行う。メールは絶対使わない。広めた内容になにか食い違いがあっても紙の証拠さえ残ってなければ片方の言い分の否定材料はないわけだし、両サイドとも相手の単なる誤解だと言い張ってそれらしく否定の一点張りで通すことができる。アップルも報道機関も安泰だ。

昨日(米時間4日)の記事の場合、おそらくウォルト・モスバーグ(Walt Mossberg)は通してない。モスバーグ氏はゴタゴタの蚊帳の外に置いて火の粉が降りかからないよう配慮してると思う。それとWSJ側からは記者2人が取材に関わった。こうしておけば互いに相方を指さして、「このネタで記事書くよう彼に言われたんだと思ってた! すまんすまん」と言えるからね。

最後に。あの記事がオンラインに公開になったのは東時間の月曜夜遅くだから、株式市場を操作する目的で行ったとは誰も言ってこない。

マーテラロさんは、情報リークは株価暴騰のため行うのではないと言ってますよ。仮に暴騰しても誰からも文句は出ないわけですけどね。

概してリークする場合は、一般の反応を確かめるとか、ライバルを出し抜くとか、提携相手を巧みに操るとかいう目標が具体的にあるみたいですよ。それでもアップルはクリーンなままでいられるし、「未発売の製品の話は一切しない企業」という定評を引き続き維持できるというわけです。

現実にはアップルだって、やるときはやるんです。正式な非公式情報に関して言うなら。無論こんなの大企業では当たり前に行われてる戦術でしょうけどね。

[The Mac Observer]

Sean Fallon(原文/satomi)