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Windows Phone 7アプリ:わかったことと、まだわからないこと(動画)

2010.02.22 21:00 [2] [0]


で、実際、何がどんな風にできるんでしょうね?

今回のWindows Phone 7発表では、上の動画が流されました。このときマイクロソフトは初めてアプリについて言及したのですが、iPhoneアプリのメタファーを使いながら、「アプリからアプリへ次々に移動しなくてはならない」「みんな似たりよったりで、前のバージョンよりちょっと良くしているだけ」などと批判しています。

で、Windows Phone 7では具体的にどうするつもりなんでしょう? 続きでお伝えします。
 

iPhoneがアプリなしで発表されたとき、マイクロソフトは集められるだけの数字をかき集めてiPhoneをコケにしたものでした。「うちらには数千のデベロッパーがいる」「1万以上のアプリがある」「長い開発経験」「成功したエコシステム」などなど。

その後iPhoneもアプリが出始め、グーグルやらBlackBerryやらPalmやらも、それぞれのエコシステムを構築していきました。マイクロソフトが同様のことをなんとか成し遂げたときには、時すでに遅し。Windows Mobileのプラットフォームは死に体となっていました。エコシステムは中核まで腐り、中核に何があるかというと、ボロボロに使い古されたOSの遺物だったのです。マイクロソフトがWindows Mobileを見放したのは正解です。でも、まだ市場にキャッチアップできたわけではありません。

マイクロソフトはWindows Phone 7のアプリ戦略についてまだ曖昧にしていますが、来月の開発者イベントMIXではその計画が完全に明らかになるでしょう。今回の発表では、おおざっぱな方向性を示し、ちょっとだけヒントをくれたという程度です。

その方向性とは、アプリがOSの内部で動くというより、統合して一緒に動くということ、Windows Mobile 6.xの時代に失った時間を忘れ、取り戻そうと真っ向から挑んでいること、ちゃんと使えるものにするためにはこれまで聖域だった前の戦略に反する---おそらくはマルチタスクも含めて---のも恐れないこと、巨大な期待を背負ったプラットフォームとなることなどです。


基本的方針

Windows Phone 7は、既存のOSからは断絶しています。エミュレーターのようなものを除けば、Windows Mobileのアプリは使えません。同じアプリでも新たに作り直す必要があり、それにはまったく新しいツールやAPIを使う必要があります。Windows Mobileを使ったことがある人ならおわかりだと思いますが、これは良いことです。マイクロソフトは、生き残るためにはWindows Mobileを見限る必要がありますから。

100217_windowsphone71.jpgユーザーから見ると、Windows Phone 7はハブの集まりのようなものになります。

音楽用ハブ、人とつながる用ハブ、などが集まった状態です。ウィジェットのようにOSから情報をプレビューでき、アプリのランチャーとして機能します。サードパーティのアプリはハブと統合せず、ハブに依存する形になるかもしれません。

Windows Phoneの責任者のジョー・ベルフィオーレさんにこうインタビューしました。「自社で開発していないものを、(ハブやOSに)どうやって統合するのですか?」回答は以下のとおりです。

今やろうとしているのは、ハブとうまく統合できるような開発用ツールの利用をデベロッパーに奨励することです。ハブの考え方は、ユーザーが1箇所でやりたいことを見つけられるようにいろいろなアプリをまとめようということで、アプリ側もそれに合わせてもらう必要があります。アプリはもちろんハブとは違う利益を提供することができます。

...ある場合にはハブはアプリに誘導する役割を持ち、また、アプリやアプリにつながるサービスからデータを取り出したりする役割を担います。

Windows Phone 7にはアプリのランチャーメニューがありますが、それはハブに統合されているかどうかに関わらず、インストールされたアプリをリストにしただけです。が、とにかくアイコンが格子状に並ぶランチャー---またはマイクロソフトに言わせると「(競合と)同じ」---を避けたいということが本音のようで、リストのほうはセカンダリです。アプリはあくまで、ハブ経由で、またはハブの一部として、使われたいということのようです。


アプリ販売


100217_windowsphone72.jpgアプリ販売に関しては、Marketplaceを用意します。そこでは、マイクロソフトによれば「認定されたアプリケーションやゲームを簡単に見つけ、インストールできる」そうです。外部からのダウンロードはおそらくできないようです。まだわからないのは、実際にゲームと他のアプリを一緒に販売するのか、別々かなのですが、現在公開されているMarketplaceのスナップショットでは、一緒に販売するように見えます。

発表の際のデモでは、Marketplaceのメニューにあったアイテムは見られましたが、それはZuneのハブに入っていました。デモ機で見られた唯一のアプリは音楽サービスでしたが、どうなんでしょう。MIXまではアプリについて情報公開しないという方針が見てとれます。


100217_windowsphone73.jpg


マルチタスク対応は?

100217_windowsphone74.jpgそして、スマートフォンを語る際に、マルチタスキングについては避けて通れません。

iPhoneではできません。Androidではできます。Palmでもできます。Windows Mobileでもできました。

これはスマートフォンのOS比較の際にはほぼ必須項目で、iPhoneに対する批判の種であり、その批判にはマイクロソフト派も乗っかっていました。ですから、Windows Phone 7はマルチタスク対応しますよね?.

マイクロソフトのベルフィオーレさんへのインタビューでは、こんな答えでした。

えー、Windows Phone 7 SeriesのコアになるOSはマルチタスクのOSで、これはいろいろな目的で使っているんです。たとえば音楽を聴けば、再生中にプレイバックしたり、いろいろな操作がスムースにできる、そんな感じです。メールを使うときは、メールが安定的に使えるようにサポートします。こういったことをバックグラウンドで実行しています。

技術的には、この状態はマルチタスキングですが、それは「厳密にはマルチタスキング」ということであって、そういう意味ではiPhoneもマルチタスクです。ということは、Windows Phone 7はマルチタスク対応ではないのでしょうか? サードパーティのアプリについてはどうなんでしょう?

サードパーティのアプリについては、MIXでもっと詳しく話します。ただ、サードパーティのものに関しては、アプリが動作していないときでもユーザーに価値を提供できるかどうかはっきりさせる必要があります。たとえばライブタイルがそうです。ハブへのデータフィードもそれにあたります。

アプリがバックグラウンドで動けるとしたら、アプリが動作していなくても便利かどうか「はっきりさせる」必要はないんじゃないんでしょうか? やっぱりマルチタスクじゃないんでしょうか? もしくは、マルチタスクなんだけど、すごく限定されたものなのでしょうか? その可能性はありそうですね...。


最大の謎

マイクロソフトは次のSDKや、デベロッパーポリシーアプリの制限事項などについては触れていません。開発側が厳密なデザインルールに合わせなくてはいけないのか、iPhoneのようにSDKが統一した見栄えになるように支援してくれるのか、などは不明です。

現在のマイクロソフトのApp Marketplaceのあり方から考えると、そんな親切なSDKは期待できないかもしれません。この点についてはまだ本当に曖昧で、つまり近々何かアナウンスされるのでしょう。「今と同じだろう」と言う人もいます。(「今と同じ」とはWindows Mobile 6.xアプリ開発のことですが、まるで砂漠に水も食糧もナシで放り出されるように、マイクロソフトはほったらかしです。ま、そのツケが今来ているわけなのですが)

とにかく、マイクロソフトが何らかの開発ツールや、デベロッパープログラムを用意してくることは誰しも疑わないところです。本当の疑問はこういうことです。誰がアプリを作るのか? Windows Mobile 7はデベロッパーにとって開発するに値するプラットフォームなのか? iPhoneアプリのデベロッパーはアップル生態系から引き離されるのか? ゲーム開発者は、マイクロソフトのモバイルXboxの夢をかなえるために動くだろうか? 現在、こういったことが最大の謎なのです。

今はWindows Phone 7が、あたかも最高に輝いているかのようですが...1年後、どうなっているでしょう。1年後には、iPhoneやAndroidのアプリにも、さらに多くの時間やカネや技術がつぎ込まれていて、今よりさらに良いものができているはずなのです。

Androidが、iPhoneと(差があるとはいえ)比較可能な程度にアプリ開発が進むまでに短く見て1年かかりました。Windows Phone 7は、2010年終盤までは端末も市場に出ていないのです。それなりのユーザー数を獲得するにはさらに数ヵ月必要でしょうが、競合は成熟したプラットフォームを持つ陣営が2、3もあるという状況なので、おいそれとユーザーが移っていくとも考えにくいです。

マイクロソフトが全てを正しく実行したとしても----アプリのポリシーはリベラルにし、デベロッパーへの売上配分はケチらず、SDKはかゆいところに手が届き、端末の発売はスムーズに大規模に---、Windows Phone 7は2012年まで競合にキャッチアップできない可能性が高いと思われます。


2012年ですって!

来月のMIXではどんな発表があるかわかりませんし、マイクロソフトがモバイルで成功しようという意志は固いものでしょう。が、どんなにがんばっても、厳しい道のりとなることは間違いなさそうです。


John Herrman(原文/miho)
 

4106102986
マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 (新潮新書) (新書)

世界標準の作られ方をみてみましょうか




 

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コメント(2)

iPhoneに飽きた人の受け皿には良いタイミングかもしれない

    iPhoneには飽きたが、次の買い替えは、やっぱりガラパゴス機能全開の機種でないと。

    mobile SUICAはお出かけに素晴らしく便利だし、i-modeは小画面での情報の取得には便利。
    QRコードも思った以上に使えば便利。
    カメラもそれなりに力を入れて欲しい。

    そういうのを我慢しての「スマート」であれば要らない。
    SHARPがそういうフル・ガラパゴス対応のスマートフォンを出すと言う話では有るから、様子を見ないと。


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