Windows Phone 7アプリは他に追いつけるのか

Windows Phone 7アプリは他に追いつけるのか 1

今できることは、やり切った感があります、が...。

マイクロソフトは、これまでのところWindows Phone 7に関して大体うまくやってきています。今年終盤までは発売されませんが、先日、デベロッパー向けの発表がありました。

その中で、どうしても解消できない疑問があります。Windows Phone 7は、アプリに関して、どうやって他社に追いつこうとしているんでしょうか?

問題はこうです。Windows Phone 7が今年のいつか発売されるときに直面する問題は、他の新規アプリプラットフォームと同様の「タマゴが先か、ニワトリが先か」問題です。売る相手もいないのに、複雑なアプリ開発に投資するデベロッパーがどれだけいるでしょうか?一方でもし、良いアプリがないプラットフォームだとしたら、それに乗り換えるユーザーがどれだけいるでしょうか?

これは、Windows Phone 7が発表されたとき、2月の発表にもかかわらず、発売は今年末というスケジュールがわかったときから大きな疑問でした。今回のデベロッパー向けの発表でこの疑問は解消されるかと思いきや、あてが外れてしまいました。

Palmの例を振り返れば、アプリを初期に充実させておかないと、プラットフォームにとってときには致命的な痛手になることが明らかです。が、Palm webOSや、Androidと比べたところで、Windows Phone 7の状況が改善するわけではありません。発売される今年末までには、競合プラットフォーム、特にiPhoneとAndroidは、今以上にユーザー、そしてアプリを増やしていることでしょう。

Android Marketにはすでに3万以上のアプリがそろっており、増え続けています。アップルのApp Storeにいたっては14万以上ものアプリがあり、こちらも増加の一途です。さらに、iPadアプリが洪水のように押し寄せてくると思われます。もちろん、アプリの数だけではプラットフォームの価値を決められませんが、やはりiPhoneにはAndroidよりも優れたアプリの選択肢があり、AndroidにはPalm webOSやBlackBerryより良いアプリがそろっている、と見ることができます。

そんなわけで、2010年のホリデーシーズン(年末商戦)に、スマートフォンを買おうとしたら、すでにたくさんのアプリが使えるプラットフォームと、おそらくまだまだなWindows Phone 7が、店頭にある、ということになります。そんな状況に対し、マイクロソフトは何ができるでしょう?マイクロソフトのデベロッパー部門バイスプレジデントのスコット・ガスリー氏に、どうやってみんなを呼び込むつもりかを聞いてみました。

Windows Phone 7の開発は、たとえばiPhoneやAndroidのアプリを作るよりずっと簡単です。結局デベロッパーが考えることは、クールなアプリを作れるだろうか?それは簡単にできるだろうか?どれくらい大変だろうか?で、もうかるだろうか?ってことですから。

確かに、ある程度はおっしゃる通りでしょう。マイクロソフトはWindows Phone 7のアプリ開発のハードルを非常に低くしました。開発ツールは発表によると無償ですし、発表のステージ上では、Windows Phone 7アプリを作るのがいかに簡単かをアピールしました。ガスリー氏自身が聴衆の前で、簡素ながらTwitterアプリを作って見せたのです。

さらに、先日発表されたローンチパートナーはそうそうたる面々です。

このイベントとカンファレンスは、かなりの興味を喚起していると思います。最初の発表以降の3週間は、今日発表できたパートナーに興味を持ってもらえたという意味でも、成功でした。ですから、私はローンチまでには、相当幅広いアプリをそろえられるだろうという自信をもっています。

そしてその通り、アプリはそれなりにできるのでしょう。でも、ローンチパートナーがそうそうたる布陣だった過去の例には、Palmもあります。短期間にパートナーを集められるのは、PRの力でしょう。でも、それだけでは長続きしません。

疑問の核心は、すでに確立した、金のなる木であるApp Storeや、成長株のAndroidから、デベロッパーを奪うことができるかどうかなのです。いま、iPhoneのデベロッパーに対し、ユーザーもいないのに何と言って説得するのでしょうか?バイスプレジデントでWindows Phone Program Management担当のジョー・ベルフィオーレ氏によると、

もし私が今、iPhoneアプリのデベロッパーと対面しているとしたら、我々と組むことには検討の価値があります、と私は言いたいです。我々が構築しているユーザーエクスペリエンスや、それに対する感想や反響を見てもらい、リアルな人にリアルな世界で我々のストーリーを知ってもらえれば、Windows Phone 7は成功すると思っていただけると思います。

が、こここそがマイクロソフトの苦しいところです。ハードウェアに関する情報は少ないし、まったく新しいプラットフォームとユーザーエクスペリエンスであり、ほとんどの人が、発売前に実機で体験できないのです。それでも時間とお金を投資することについて、デベロッパーに納得してもらわなくてはなりません。

そのためマイクロソフトは、開発そのものを極力シンプルに、やりやすいようにしています。開発のリードタイムをたっぷりと与え、開発ツールに慣れるための余裕もあります。なるべくたくさん良い評判を立てようと、PRもがんばっています。マイクロソフトとして今できることはやり切っている、そんな感じが伝わってきます。

とはいえ、最終的にWindows Phone 7を買うかどうかを決めるのはユーザーの意志であり、それはマイクロソフトにもコントロールできないことです。マイクロソフトはそのために必死になるでしょうし、デベロッパーの力も借りる必要があるでしょう。それでも、Windows Phone 7のアプリが、他のプラットフォームとやっと比較できるくらいにそろってくるのは、おそらく2011年中ごろになると思われます。

マイクロソフトのモバイル市場での巻き返し大作戦、長い道のりになりそうです。

John Herrman(原文/miho)