iAdはiPhone画面の8分の1を奪おうとしている

2010.04.09 07:00
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ビジネスとしては正しくても...。

今日のiAd発表、アップルは小規模なデベロッパーへの利益提供のつもりなのでしょう。デベロッパーが自前の広告営業部隊を持たなくても、ユーザーがアプリを使うと、(おそらく)毎回広告が表示されるようになるのですから。ビジネス面では、うまい仕組みだと言えます。

でも、ユーザーから見れば、どうなんでしょう。

続きで考えてみます。
 

もちろん、ギズモードだって広告に支えられています。でも、アップルが実現しようとしていることは、従来の広告とはいろいろな点で違っています。

まずひとつめに、ソフトウェアはこれまでほとんど広告のないスペースでした。一部の例外(たとえばMadden NFLの中のインゲーム・ビルボードとか)を除いて、携帯電話やPCでソフトを買った場合、そこに広告なんてついてきませんでした。PCにフリーソフトをダウンロードした場合は広告がついてくる場合もありましたが、それは単にフリー版から有料版にアップグレードしてくれという程度のものでした。まして、ソフトを使うたびに広告が表示されるなんて、ありえませんでした。


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ここでふたつめの問題点につながります。Web上、またはほとんどのPCベースのソフトで広告が表示されるときでさえ、それらはたいてい比較的小さな画像であり、全画面を占めることはまれです。PCのモニターであれば、30個とかそれ以上表示できそうです。でも、iPhoneの場合はどうでしょう?広告バーが、iAd発表のプレゼンで見ると、スクリーンの8分の1を占めていました。そもそもポケットに入るほど小さな端末に、こんなに大きな広告を入れてしまうなんて...。しかもその端末を買うときにアップルには相当の金額を払っているのに、そのアップルが、ユーザーのiPhone体験の8分の1を、他の誰かに売っているなんて...。

これは言い過ぎ、からみ過ぎだと思う方もいることでしょう。「有料アプリなら、広告は入らないだろう」と言う方もいると思います。が、ここで3つめのポイントです。

全てのアプリについて、広告なしでいられると思わない方がいいです。アップルでは、少なくとも発表の際には、有料アプリには広告がつかないといった制限には全く言及していません。たとえば、かつてはケーブルテレビには広告が入っていませんでした。でも、結局今はどこでも広告モデルを導入しています。テレビ中どこも広告だらけです。CMスキップができるようになってからは、番組の中に商品を登場させる手法がさかんになり、企業はどこまでも利益を追求しています。


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でも、テレビの広告とアップルのiAdにさえも、違いがあります。アップルがiAdを売るということは、ある面から見れば、ソニーとかサムスンがテレビ画面の一部を、コンテンツ事業者ではなく、広告主に売ることに等しいです。または、テレビ局のNBCが番組中に突然、視聴者に対して、この番組のスポンサーになってくれと言いだすようなものです。

別に、携帯電話画面における広告全てを否定しているわけではありません。たとえばニューヨーク・タイムズが自分のアプリに広告を入れるんならわかります。ニューヨーク・タイムズはつねに新しい記事を更新し続けていて、それはまったく無償ではできない、というのは受け入れられるのです。

でも、アップルはすでにたくさんのiPhoneを販売していて、さらにはキャリアからのロイヤリティ収入もあります。そのうえ、すでに販売したiPhoneの画面をユーザーから奪い取るように、広告スペースにして売ってしまおうというのです。

デベロッパーが「広告フリー」を売りにしてアプリを作ってくれればいいのですが、なかなかそうもいかないでしょうね。


Mark Wilson(原文/miho)
 

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