ミスターAndroidにインタビュー!「これから半年、ぶっ飛びますよ」

2010.05.26 16:00
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威勢がいいです!

Android 2.2が発表され、なかなかよさげです!では、Androidのはどうなるんでしょう?グーグルのエンジニアリング担当副社長でAndroidの責任者であるアンディ・ルビン氏にインタビューしてみました。

ポイントを抜粋すると、こんな感じです。

  • Androidの各バージョンの中身は非常にランダムに決まっている。グーグルでは1リリースずつしか計画せず、年単位の中期計画などはない
  • カスタムUIの機種の新バージョン対応が遅くなることについて、グーグルができることはあまりない
  • キーボードをどうにかしなきゃいけないことは、自覚している
  • HTCはアップルからの特許侵害の訴えに自力で対応することになりそう
  • Androidは「これから半年、ぶっ飛びます」

続きで一問一答もどうぞ!
 

Q:まず、僕の個人的な質問なんですが...。キーボードはいつ改善されるのでしょうか?

A:えーと、確かに少し改善が必要です。でも、いろんなスクリーンサイズに対して汎用的に作ったものとしては、よくできていると自負しているんですが...小さいスクリーン、大きいスクリーン、タテ型とかヨコ型とか、いろいろありますよね。
でも、キーボード自体を改善するっていうのは、わりと限定的な考え方ですね。僕らはもっと全体のフレームワークの方を改善した方がいいと考えてるんです。ていうか、音声チームが、ある意味、必ずしもキーボードを使わなくてもよくなるような仕組みを作ったんです。それはたとえばSMSを送るときに、音声で入力でき、修正はキーボードで、という仕組みです。僕のメインの使い方は音声なんですが、確かにおっしゃる通り、キーボードについて多少テコ入れも必要ですね。

たいていの場合、問題は必ずしもソフトウェア側ではなくて、OEMメーカーのタッチスクリーン側にあることが多いんです。DroidとかNexus Oneのタッチスクリーンのテストをご覧になったと思いますが...みんなそれぞれちょっとずつ違っていて、ひとつのキーボードを、全タッチスクリーンで使えるようにするのは難しいんです。


Q:Froyo(Android 2.2)を見ましたが、カスタムインターフェースの機種だと、最新バージョン対応が遅くなることがよくありますね。たとえばDroid ErisとかHTC Heroを持っている人は、Android 2.1も6ヵ月かそれ以上待ってやっとアップデートしたと思ったら、今度はAndroid 2.2が来ている状況です。こういう問題についてどうお考えで、グーグルとしての姿勢はどうなんでしょうか?

A:うーん、もし僕が独裁者なら、みんなに「これを使え!」って、スイッチ押したらパンパカパーンて感じで強制的に同じバージョンを使わせる、みたいにしたいんですが、なかなかそうもいきませんよね。なので僕らはいろんなバージョンを出すことにしていて、みんながそれを採用したければ、してくれるというやり方です。
今言ったふたつのやり方の違いはこうです。最初のモデルでは、各社が差別化しづらくなって、みんな同じになってしまいます。そうすると何もかもコモディティ化することになって、みんながこのビジネスから出ていくことにもなりかねません。僕らのモデルでは、差別化が可能です。しかもプラットフォームレイヤーでは互換性があるので、マーケットプレイスのアプリはみんな使えます。ベースのプラットフォームの上になるべく早く差別化機能を乗せないといけなくて、そこが競争になっていますね。


Q:ただ、たとえばAndroid 2.1を使っていない場合は、Twitterの公式アプリは使えない、みたいなことがありますよね。

A:ていうか、たとえばWindows Vista用に作られたアプリ、たとえばPhotoshop CS5とかはWindows 3.1では動きませんよね。これは事実であって、特に新しいことじゃないんです。これまでもずっとこうだったし、だから僕らもレガシーへの対応には差をつけているんです。レガシーはあるんだけど、もし新しいOSの機能を使いたいと思ったら、古いOSの上では動かせません。
スピードが早すぎて、Android 2.0からAndroid 2.2に行ったのがすごく短期間だったのははっきりしています。僕としては、このスピードは少しスローダウンすると思ってます。実際、僕は新バージョンリリースは購買シーズンの5月と、9月・10月にすべきだってみんなに言ってるんですよ。


Q:アップデートのプロセスはどんな風なんですか?各バージョンに何が追加されるか、どうやって決めてるんでしょうか?

A:すごくランダムです。計画するのはひとつひとつのリリースだけで、他社みたいに1年とか2年とか5年スパンの計画は立ててません。いわゆるネット企業らしいやり方で、だから繰り返しもあるし、いたるところからイノベーションが集まってきます。たとえばSimplify Mediaは僕らが先日買収したんですが、そのスタッフがFroyoのリリースに携わってます。


Q:HTCは、特許関係で面白い立ち位置にありますね。マイクロソフトから技術をライセンスしていて。そのせいで、彼らはAndroidをある意味フリーで使えないようにしているのですが。この件で将来的に懸念はありますか?

A:僕がMP3コーデックのインプリをする立場なら、もっと川下の、デバイスを売る人たちとか、つまりそこでもうけている人たちが、MP3周りの知的財産権を持っているMPEGの団体にロイヤルティを支払わなくてはいけません。僕がもしマイクロソフトのActiveSyncプロトコルをインプリしてマイクロソフトのExchangeサーバーと通信したら、誰かがマイクロソフトにロイヤルティを支払う必要があります。同じことが携帯電話にも起こっているというだけで、Androidでも他のものでも違いはありません。


Q:次のAndroidで直したい、または追加したいものはなんですか?「やっておけばよかったリスト」みたいなものがあったら、そこには何がありますか?

A:うーん、僕自身ですら、Androidの最初のバージョンを出したときは、Android 1.0というよりは0.8みたいな感じだったんですよ。当時18ヵ月前の僕らと、今の僕らを見比べたら、将来は明るいなと思います。その0.8的なところから2.2までの進み具合はものすごく速かったので、そういうエンジニアリングのやり方、反復的なエンジニアリングを学んでいるような感じです。あと、あらゆるイノベーションのやり方も。
これからよーいドンという感じで、ぶっ飛ぶようなことが起こりますよ。これから半年で。前は18ヵ月かかったのが、今では半年です。


Q:では、1年とか2年後のAndroidはどうあってほしいですか?より大きなゴールは?

A:Androidは、数の勝負になってきます。Androidは、OEMメーカーがハードウェアを作って成り立つ製品ですが、Google I/Oでのデモは非常にユニークでしたよね。僕らは大きいスクリーン(Google TV)のことも小さいスクリーン(Android 2.2)のことも発表しました。ARMプロセッサもIntelプロセッサもデモに出したし、OEMではHTCとか、テレビだとソニーとか、紹介しました。
つまりAndroidは製品カテゴリ横断で、メーカー横断で、CPUアーキテクチャ横断で展開していますし、何でも受け入れます。また、全サービスがAndroidに向かっていますし、Androidは幅広い製品カテゴリに拡大しようとしています。これは前例のないことですよね。

今の状況をグラフで見たら、横ばいだったのが急上昇するポイントにいるんだと思います。その渦中にいるときはわからなくて、あとになってから振り返って「ああ、あんなところにいたんだ」って思うような、そんなときだと思います。これからAndroidは、急激に普及していくと思いますよ。


matt buchanan(原文/miho)
 

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