ゲームプラットフォームとしてどうなの? Mac版Steamをベンチマーク!

ゲームプラットフォームとしてどうなの? Mac版Steamをベンチマーク! 1

このたび、ゲームプラットフォームSteamMac版がリリースされました。実際どうなのかTom's Hardwareがベンチマークしてくれましたよ!

詳細は続きでどうぞ。

 ゲームの世界では、新しいプラットフォームができるくらいエキサイティングなことはなかなかありません。今月、ValveMac版Steamを開始したのもそのひとつです。Macユーザーにとって、Steamはいくつかの点で有望なゲームプラットフォームとなるでしょう。ゲーム開発は容易になり、タイトルはプラットフォーム横断でローンチされ、コンテンツがもっと増えていきます。

長い間(そして今も)ゲームはMacの弱点でした。ほとんどのゲームが、Mac向けにはなってこなかったのです。が、SteamがMacに対応したことで変わっていくでしょうし、現時点でもその変化を見ることができます。Steamストアには、MacでもPCでも使えるゲームが並んでいます。Mac版リリース記念として人気タイトルPortalが5月24日まで無料提供されています。

Mac版Steamの課題

ただ、Mac版Steamを成功させるためには、Valveにはいくつか越えるべきハードルがあります。まず、現在Steamで提供されているタイトルのほとんどはWindows版のみです。つまり、これらのゲームはマイクロソフトのDirectX APIを通じて動作するように作られているのですが、Mac OS Xでは、グラフィックスはOpenGLで扱われています。ValveのSourceエンジンはDirectX(WindowsとXbox360で使用)でもOpenGL(Mac OS XとPlayStation 3で使用)でも使えますが、そこには大きな違いがあります。

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ふたつめのハードルは、ゲーム開発です。現在Mac版が出されているPortalに関して、WindowsからMac OS Xにポーティングされただけなのか、きちんとMac向けに作り直されたのか定かではありません。が、今回のテストを通じ、いくつかのバグが発見されました。それを見る限り、少なくとも現時点では、これらのタイトルは納期最優先にするために、ポーティングされただけだろうと考えられます。

Portalのバグ例

これを書いている時点でも、SteamはValveが継続的にアップデートしています。今日もすでにふたつの大きなアップデートがあり、Portalもアップデートされました。残念ながら、それでもまだバグが多いです。ときどきクラッシュするし、欠けている部分もあるし、色が出てないこともあります。最新のアップデートでは、向こう側が見えなきゃいけないポータル(下の画像の青とかオレンジの楕円)が、真っ黒になってしまいました。

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これはこのゲーム的に大きなバグです。やっぱり、Mac版Steamを作るには、単に既存ゲームをポーティングするだけでは不足なのでしょう。DirectXのタイトルをOpenGLで動かすのは、ちょっとした仕事では収まらないはずです。

ベンチマーク

Portalはグラフィックス的に一番凝ったゲームというわけでもないのですが、WindowsとMac OS Xの差を見るために、両方で使えるゲームとして選びました。我々は以下のふたつのプラットフォーム、2009年中盤のMacBook Proとカスタムビルトのハッキントッシュで比較実験をしてみました。

・2009中盤 アップル MacBook Pro:

CPU: Intel Core 2 Duo @ 2.53 GHz

RAM: 4GB DDR3 @ 1067 MT/s

GPU: Nvidia GeForce 9400M 256MB、197.16 WHQL

HDD: Intel X25-G2 SSD 80GB

スクリーン: 1440x900

音声: ビルトイン・サウンド

Mac OS Xバージョン: Version 10.6.3(最新アップデート済み)

Windowsバージョン: Version 7 64-bit(最新アップデート済)

・ハッキントッシュ:

CPU: Intel Core i7-975 Extreme Edition @ 3.33 GHz

マザーボード: Gigabyte X58A-UD7

RAM: 18GB Kingston DDR3 @ 1079 MT/s

GPU: ATI Radeon HD 4890 1GB、Catalyst 10.4

HDD: Intel X25-G1 SSD 80GB

スクリーン: 2560x1600

音声: ビルトイン・サウンド

Mac OS Xバージョン: Version 10.6.3(最新アップデート済み)

Windowsバージョン: Version 7 64-bit(最新アップデート済)

・結果:

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このFPSの表を見ても明らかなように、Mac版PortalはWindows版にはまったく及んでいません。でも、いくつか面白いことも発見できました。Mac版Portalは現状でも、去年のMacBook Proのような比較的ローエンドなモデルでもプレイできる程度のフレームレートは出せています。ここでの最大のボトルネックはGPUです。

ハッキントッシュでは、もっと違う面白いことがわかりました。どうやらMac版Portalでは、いろいろな要素の組み合わせのせいで、Windowsほどの3Dのパフォーマンスが出ないようなのです。まず、我々はMacのドライバが大きな役割を果たしていると思います。上記のハッキントッシュではアップルのデフォルトドライバを使っていて、そこに多少のコミュニティエンジニアリングを施しています。これは最適化としてはベストな方法ではないです。アップルがもっとハイパフォーマンスなドライバをリリースするまでは、プラットフォーム間の差は埋まらないでしょう。

次に、OpenGL vs. Direct3Dの問題があります。一部の専門家、たとえばジョン・カーマックなどは、OpenGLを強く勧めています。が、マイクロソフトがDirectXを推し進めているのは明らかなので、こちらを採用するゲームタイトルは増加傾向にあります。MacのOpenGLは、ゲームよりは生産性向上系アプリに向いています。

ちなみに、BlizzardのWorld of WarcraftもMac OS XとWindowsどちらでもネイティブで入手可能ですが、やはりWindowsの方がずっと動きが良いです。2560x1600のスクリーンを最大設定にして使った場合、World of Warcraftは、上のハッキントッシュで最大150~200 FPS出せるのですが、MacではWindowsの35~50パーセントで限界に達してしまうようです。上に書いたような要因のためだと思われます。

アップルにおけるグラフィックス問題

グラフィックスドライバとアプリの入手しやすさは時間とともに改善するでしょう。そしてMac版Steamがメインストリームになり切ったら、デベロッパーはタイトルをポーティングするだけでなく、WindowsでもMacでもほぼ同時くらいにゲームを出すようになってくるでしょう。これまでゲームの世界から締め出されてきたMacユーザーにとって、楽しみが広がってくることでしょう。

ですが、残念ながら、GPUに選択幅がないことがアップルの大きな問題で、アップルではWindowsと同じくらい優れたものがほとんどないのです。たとえば、高価なMac Proタワーで使われる最先端のGPUのひとつは、AMD Radeon HD 4870なんですから。

以下、Mac版Portalのギャラリーもご覧ください。

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原文/miho)