LISA:相対性理論の最後の謎を衛星3基とレーザーで解く過去最大の実験

LISA:相対性理論の最後の謎を衛星3基とレーザーで解く過去最大の実験 1

アルベルト・アインシュタイン死後55年。彼が一般相対性理論で予言した重力波の実験が、実現に向け動き出しましたよ。

3つの衛星を太陽周回軌道にのせ、互いに300万マイル(482万8032km)の距離を保ちながらレーザー光を撃ち合う未曾有の大実験を、NASAと欧州宇宙機関(ESA)が共同で計画しています。名づけて「Laser Interferometer Space Antenna(レーザー干渉型宇宙アンテナ、通称LISA)」。

信じられない話(+予算の無駄遣い)に聞こえますけど、物理学の研究者たちはこれで「重力波」が本当に存在するかどうかわかるじゃろう、と期待をかけています。

レーザー光と言っても衛星には危害を加えないものです。各衛星には浮遊するゴールドプラチナのキューブが複数装備されており、これを使って互いの距離の微細な変化を観測するんだそうな。

プラン起草委員会メンバーで重力波の専門家のグラスゴー大学Jim Hough教授は、英ザ・テレグラフ紙にこう話してますよ。

 

「重力波はアインシュタインの一般相対性理論の中で実証が最後まで残ったものだ。重力波はブラックホールや重力崩壊した星みたいな大質量の物体が空中を加速度運動した時に生まれる。おそらく巨大ブラックホールみたいなもっと大きな引力を持つ別の物体に引っ張られることから生じるものと思われる」

重力波は検出が厄介なことも手伝って、これまで行った地上実験では思うような成果は挙がっていません。宇宙ならお互いの距離が死ぬほど離れている(基線長が500万km弱もある!)ので、地上で無理だった低周波数域の重力波検出もできるというわけですねー。

もちろん検出器具のスケールは過去最大(日本の「DECIGO計画」は互いの距離が1000kmのようです)。

これだけの時間と予算をかける価値が本当にあるのかな? と思っちゃいますけど、重力波が検出されると、今ある光・ラジオ波・X線などの電磁放射では知り得ない宇宙の情報も分かるんだそうですよ。

例えば、ブラックホールは光も放射も吸い込まれたら最後、抜け出せませんよね。だから情報もないんだけど、グラスゴー大学の別の研究者によると、「ブラックホール周辺の、ワープした時空から生じる重力波を観察できれば、ブラックホールも新解釈が可能になる」らしいので、ここはなんとか頑張ってもらいたいところ。

アインシュタインが残した最後のパズルが解かれるのは、でも、まだ何年も先の話みたい。チームでは2020年の打ち上げを目指しています。

とりあえずここで動画でも見ておきますかね。衛星が三本の矢みたいに分かれてビーム連携して正三角形を成し、そのまま太陽の周りをくるくる回って移動しますよ。で、Y字のパイプ内にキューブが浮かんでます。なかなか劇的。

[(LISA via The Telegraph] Wikipedia - 宇宙重力波望遠鏡

Kat Hannaford(原文/satomi)