大丈夫? F-35戦闘機、コスト削減で脆弱化

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今後、米軍の戦闘機の90パーセント以上を占める予定のF-35が、コスト削減のため装備を減らすそうです。

F-35のメーカー、ロッキード・マーティンは、この戦闘機にかかるコスト上昇を抑えるようプレッシャーをかけられてきました。生産価格が、妥当とされる金額のほぼ倍になっているのです。また、研究開発費も40パーセントも上昇しています。一部のアナリストは、2400台の製造に3880億ドル(約35.5兆円)かかると試算しています。

そこでロッキードは、InsideDefense.comによると、「機体1台あたり11ポンド(約5kg)の軽量化および、140万ドル(約1.3億円)のコスト削減。そのため、エンジンクーラントの停止バルブと油圧ライン、ドライベイの鎮火システム6個の内5個の取り外し」を決めたそうです。

が、こうした対策によって、F-35は対空兵器からの攻撃に対し、従来よりずっとひ弱になってしまいました。ある専門家は言います。「燃料を満載した状態で非常に高い圧力がかかり、非常に高温になったものが、高温の金属片と270VDCの電気部品と近接する場合、防衛手段は、停止バルブとドライベイ(燃料が吹き込む場所)の鎮火システムしかありません。」

国防総省の兵器テスターチーフであるマイケル・ギルモア氏は米国議会に対し「装備を元通りにすべきだ」とする文書を送っています。ギルモア氏によれば、上記の策で削減されたコストと、コスト削減策による弱体化で戦闘機を2台失った場合の損失を比べると、後者の方が大きいそうです。

実弾演習で、F-35の脆弱性は明らかになっています」海兵隊の航空担当副司令官、ジョージ・トラウトマン中将もつけ加えています。

これまで、F-35の強みのひとつは、対空射撃をそれほど想定しなくていいことでした。非常にステルス性が高く、対空砲から見つかりにくかったのです。が、Air Power Australiaのレポートによると、従来言われていたより実際は発見されやすいのです。「本当の意味でステルス機ではないのは明らか」なのです。

これに対しロッキードは、最近の「技術的ブレークスルー」によってステルス性問題は解決したとしています。機体表面にステルス性のある繊維を埋め込むらしいです。

Danger Roomへのメールで、ロッキードのスポークスマン、ジョン・ケント氏は、国防総省のテスターはF-35の脆弱性について誤解している、と主張しています。

「厳格な戦闘分析を行ったことで、エンジンヒューズと鎮火システムによる生存可能性向上は非常に少ないことがわかったのです」とケント氏は書いています。「こうした変更はF-35の運用アドバイザリーグループによってレビューされ、F-35パートナーの9地域が参加する実行推進会議で承認されたのです。全員一致で、今回の対策による重量減はこの戦闘機の性能向上に寄与すると考えました。現在のF-35のデザインは、JSFPO(Joint Strike Fighter Program Office、F-35開発プログラム事務局)が想定する脆弱性の範囲内です。」

確かにそのとおりなんでしょう。ただし、トラウトマン中将いわく「軽量な対空兵器でよく使われる、30mmの高性能焼夷弾などは例外」とのことです。それってロシアも保有していて、世界中で売られている兵器ですが...。

Photo: NG.mil

Noah Shachtman -Wired(原文/miho)

(※ご指摘ありがとうございました。記事修正しました!)