本当にアイアンマンを造った人、Shane Mahanさんにインタビュー

本当にアイアンマンを造った人、Shane Mahanさんにインタビュー 1

     

もう観ました? アイアンマン2

米映画興行収入ランキングでは2週連続で首位でしたけど、日本ではどうなんでしょう。

今回は、映画のために本当にパワードスーツを作った実在のトニースターク・Shane Mahanさんへのインタビューをご紹介したいと思います。

 Q:何体のアイアンマンのスーツがあるの? っていうか壊れてしまった時のために、沢山スペアがあったりするんですか?

A:皆さんは、予備のスーツ、スタント用のスーツ、とか沢山のスーツがあるはずって期待しているんですよね。実際のところは、完全な予備のスーツは無いんですよ。ウィップラッシュスーツの場合は、一応ゴム製のアームとメタルのアームのセットを沢山用意してたよ。モナコのシーンは手荒なシーンだったからね。最終的にミッキーはずっとメタルのアームを装着していたよ。アイアンマンのスーツについては、顔の予備がいくつかあったぐらい。ということで結局、映画全体を撮影するのに、まるまる完ぺきなスーツは1つだけだったってことになるね。

Q:あなたは撮影中ずっと、撮影のセットに張り付いてスーツをチェックしてたの?

A:はい。もちろん。だって、常にどのシーンでもヒーローは最高にカッコよくみせないとダメだし、スタントがあればちゃんとバックアップしないとですからね。これって、十代の子供がフェラーリを乗り回して帰ってきた姿を見る親の気持ちに似ているかもしれません。挑戦ですよね。

Q:ちなみに、アイアンマンを実際に制作するのに、何人でどのぐらいの期間がかかりました?

A:ん~、チーム単位で回転ドアから入ってきては出ていくっていうかんじだったんですけど、多分70人近くの人が関わって、おそらく4~5ヶ月ぐらいかかりました。それに、アイアンマンのスーツだけじゃなくて、ミッキーロークのウィップラッシュスーツなどなど、他にもいろいろ制作するものがありましたから、チームに分かれて何十人もの人達が、自分たちの限界で作業をしていました。でも、ウィップラッシュのスーツは、トニースタークの世界と全く違うもので、新鮮なかんじだったので、作っててかなり楽しかったですよ。

本当にアイアンマンを造った人、Shane Mahanさんにインタビュー 2

Q:アイアンマン2の新しいスーツについて教えて下さい。

A:最初の映画用のスーツのデザインは、Marvelのアートチームがおおまかにデザインをしたものだったんです。本当に素晴らしくて大成功を収めました。

そして、最初の映画を通じて、アリなものとナシなものを学ぶことができたんです。なので、この第2作目にはそこからの教訓をちゃんと反映させていきたいと思っていました。

   

完ぺきな世界や本当の産業界では、まずプロトタイプを作っては、改善を加えて完成品をつくります。でも映画の世界では、数週間という限られた時間とリソースのなかで、一体を完成させていくことになりるので、いろんな実験をしたりする時間の余裕はありません。なので、一作目のスーツはプロトタイプみたいなものでした。続編を制作することの良いところは、前作の経験から得たうまくいったところ、改善した方が良い所をブレストして取り入れることができるところなんです。

私たちは、Jon Favreauが私たちに求めているものは何か? 俳優達が求めているものは? など、前作からの教訓を得て知った事を盛り込んだ、ガイドラインを作成したんです。要望に応じて改善したのは、例えば今回はスーツを軽量化したり、着脱を迅速にできるようにしたりとか。これは、俳優たちにとっても周りのスタッフやプロダクションにとっても、かなりハッピーな改善だったみたいです。特に撮影でクタクタになった深夜ごろの俳優陣の背骨も軽量化されたスーツに感謝していたみたいです。

ただ、実は私たちが造った物理的に着用可能なスーツは、ヒップより上の部分だけで、脚と足の先部分のスーツは無いんです。デジタル処理をして組み合わせているんですよ。

Q: ということは、撮影中アイアンマンは青いパンツをはいていたの?

A: 青じゃなかったけど、彼らはチェッカードマーク付きの黒いパンツをはいてましたよ。おかげで、アイアンマンはコミック比率でいうと約2メートルという長身だけど、そんなに大きなスーツを作る必要はありませんでした。ただ、Jon Favreauは細部までこだわった仕事をするために、シーンによって、本物のなスーツが欲しいと考えていました。例えばヘルメットやバイザーを上げて話をする時などです。その時のためにやっぱりヘルメットを造る必要があったんです。その例は、映画の中でも多く観ることができます。

スーツのデザイン自体は、一作目からマイナーチェンジをしていて、スーツのデザインを再設計したRyan Meinerdingさんは、最高の仕事をしてくれました。私たちは、彼と一緒に俳優の身体のうえでいいかんじに機能するようにしてくれました。

Q:どうやって、実際にスーツを制作したんですか? CNC機械加工を使ったんですか?

A:うぅん。CNCは使いませんでしたけど、デジタル・モデルをとって数字が正確になるようにしました。スーツを制作するにあたっては、部品にヤスリをかけてから、組み立てて、テストして、ペイントするといった、かなり大量の手作業がありましたし、完成するまでには本当に沢山のプロセスを経てきました。正確に金メッキしたり、目やハンドライトがちゃんと光るように設置したりという細かいディテールを盛り込んだうえで、簡単に着脱できたり動きやすいようにユーザーフレンドリーなスーツになるように計算しているんです。

Q:これらのスーツは、本当に動くパーツとかモーターが設置されてるの?

A:動くパーツはあります。でも、武器を配備する時は、実際のスーツの上にデジタルで加工していますよ。だって、スーツの中に本当にミサイルを入れるスペースなんてありませんからね。イリュージョンですよ。

基本的に、動くパーツは、手、関節部分、手首、胴、クビ、腕です。俳優の皆さんが思うような演技ができるように私たちは着心地がよくて自由に体を動かす事ができるユーザーフレンドリーなスーツを造らなければならないんです。

本当にアイアンマンを造った人、Shane Mahanさんにインタビュー 3

  

Q:Legacy Effectsでは、実際のオブジェクトを制作していますけど、あなたのチームはデジタルについて、どれぐらい意識する必要があったんですか?

A:中には、完全にアニメーションなシーンもあります。だって、飛べないし、無傷で家を突き抜けることもできませんからね。実写にしたら、スーツのパーツが壊れちゃう可能性大ですよね。そんなシーンでは、ダウニーが本当にスーツを着ている感じにしたいのでクローズアップが欲しい! ということで、さっき話したように、監督はヘルメットを僕たちに作ってほしいと思ったんですよ。

両方の映画で、デジタル・エフェクトのチームとの仕事は素晴らしいものでした。僕たちはスーツを制作してペイントした後、デジタル・エフェクトチームがスーツの全ての表面をスキャンしたり、高画質の写真を撮って、フルサイズのモデルを制作したんです。

  

リアルなスーツは、テクスチャーやペイントはもちろんのこと、エフェクトチームにとって、スーツのライトが実際にどういうふうに動くのか? など信ぴょう性を出すために知りたいことを教えてくれる存在なんです。それを技術的に取り入れることによって、二作目の映画がより良いものになったんだと思います。僕たち自身も二作目には、改良したスーツを制作しましたからね。

Q:スーツがアーティストによって2Dと3Dでモデル化したものを、3Dでリアルなスーツを製造した後、再び3Dモデルにするために再スキャンするっていうアイディアは、なんかカッコイイですね。

A:これが、私たちがデジタル技術を受け入れるということで、それが説得力のあるな視覚効果をもたらしたんだと思います。

Q:少し前に、デジタル VS 実用的効果に関して、あなたの興味深いコメントがありましたよね。あなたは、あなたの限界があることは分かっているし、アイアンマンを飛ばそうとは思わないと。そういったシーンは、全部デジタルアニメーションで撮るべきだと。でも、もし、無制限に時間があってリソースとシナリオがあったら、実現できると思いますか? 

A:もし、そんな事が起きたら最高に素晴らしいです。Xゲームに参加するみたいな、命知らずの奴に本物のアイアンマンのスーツを着せて、飛んでる姿を撮影するのって、カッコイイよね? うまく隠れるようなパラシュートが必要だけど。絶対カッコイイはず。でも、それって、かなりリスキーだし、役員会議でOKが出るアイディアじゃないよね...。

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デジタルアニメーション無しのアイアンマン、観てみたいような気もしますけど、その日が来ることはなさそうですねぇ。以上、本当にアイアンマンのスーツを制作したShaneさんのインタビューいかがでした? まだアイアンマン2を観てない人、もう観ちゃった人ももう一回観る時には、ここは実写? ここはアニメーション? なぁんて視点で映画を観るのもたのしいかもですよ。

-Mark Wilson(原文/junjun )