冷凍されたい夫たち、理解できない妻たち

冷凍されたい夫たち、理解できない妻たち 1

死んだら、自分を冷凍保存してほしい! という人たちがいます。いつか医学が今よりもっと発達した時代になって、復活できるかもしれないという望みを込めて...。

でも、そんな風に思う男性の奥さんにとっては、死後の再生を願うことが、今の人生の放棄であり、自分への裏切りでもあると感じられるようです。

週末のニューヨークタイムズ・マガジンの記事「冷凍保存が我らを分かつまで」によると、人体冷凍保存のアイデアが存在し始めたのとほぼ同時期に、そんな「敵意の妻」症候群も発生してきたそうです(冷凍保存希望者の男女比は、3対1で男性が多いとのこと)。男性はその脳や体を保存したいのだけど、奥さんの方はそれをあまり望んでいないどころか、むしろネガティブに捉えていることが多いというのです。どういうことなんでしょうか。以下、その記事からです(強調は訳者)。

アメリカ的文脈では、がん克服のために家族の財産を投げ打ってしまっても、それは自分勝手ではない、とされる。しかし、未来(家族にとっては興味もないか、ありえないと思っている未来)に向けて飛び立とうとすることは、現在の家族関係がほとんど意味をなさない人生を考えることを意味する。つまり、不死を追い求める人たちは、今の人生から立ち去ろうとしているのであって、ロビン(冷凍保存されたい夫)いわく「裏切りと放棄」をしようとしていると捉えられるのである。

確かに、奥さんから見れば、「死んでもいつか復活するんだ」とワクワクしている夫の姿は、自分も子供も置いて、わけのわからない別世界に行くことを切望しているように感じられて、なんだかさびしいのかもしれませんね。

男性側は、そんなつもりじゃないんだと主張しています。裏切るつもりなんかなく、ただ脳のデータを全てバックアップしたいだけなんだと。同記事では、冷凍保存を希望しているソフトウェア・エンジニアの言葉を引用しています。

大事な情報がたくさん載ったハードドライブがあったら、保存するでしょう...火に投げ込んだりしません。僕は、記憶は分子配列として保存されていると思っているんです。ただ、記憶を保存しようとしてるだけなんです。

こんな男心、なかなか理解されないようです。

なお、現時点で冷凍保存されているのは200人未満だそうですが、その約10倍の人がすでに登録済みだとか。

[NYT]

Kyle VanHemert(原文/miho)