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富嶽を超えた! ナチスドイツの驚くべきNY核爆撃計画

2010.07.15 21:00 [3] [0]

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ナチスドイツ科学力世界一ィィィィィ!!

V2ロケットなんてほんの序章に過ぎないっていうんだからビックリです。実はマッハ22超音速爆撃機アメリカ本土攻撃を計画していたというのですから。あまりにバカげてる? いやいや、コンセプト自体はかなり現実的なものです。
 

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ナチスドイツ自体は戦争に負けましたけど、世界初のジェット戦闘機、巡航ミサイル、大陸間弾道弾800mm超重列車砲グスタフ/ドーラなど実現したものからコンセプトまで色々打ち出しています。もちろんコンセプトにとどまっているものも多いですが、人々を魅惑するものばかり。そしてその中から実現化されるものもあります。例えばサターンVロケットなどはそのひとつ。


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特にEugen Sänger's Silbervogel( "Silver Bird")は数あるコンセプトの中で特筆すべきもの。問題児 Hermann Göring率いる Air Ministryが来るべきアメリカとの戦争に備え、アメリカ本土攻撃可能な爆撃機を計画していました。


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デザインスタディのほとんどは従来型の爆撃機の延長でしたが、Silver Birdだけは発想がまったく違いました。ロケットカーなどのデザインを行い、戦後NASAでアメリカのロケット開発に従事したロケット協会 Verein für Raumschiffahrtのメンバー Sängerが提案したもの。すでに目は大気圏外に向いており、1933年に発行された書籍 Raketenflugtechnik ("Technology of Rocket Flight")でその大枠が示されていました。それを1944年に将来妻となる Irene Bredtと共に Air Ministryのプロジェクトとして拡張、Über einen Raketenantrieb für Fernbomber ("A Rocket Drive for Long-Range Bombers")、ロケット推進装置をもつ長距離爆撃機としてデザインしました。



Silver Birdはブースターをもつロケット推進飛行機で、航空界では名機として数えられます。大胆不敵なこの計画、ドイツ本土内から発進。長い発射軌道は3km以上にもおよび、V2ロケットに使われたロケットエンジンたくさん束ねたブースターでまず1920km/hまで加速。ブースターを分離後メインエンジンに点火、メインエンジンは90トンの燃料を使い、細長いスマートな機体をマッハ30まで加速、高度144kmまで引き上げます。その途方もない数値はもはやSFといっていいほどですね。

とはいえ、発進はまだまだなほう。


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大変なのはニューヨークに向けての大気圏再突入です。降下しなければならないのに飛行機自体は揚力が発生するようにデザインされているのでなかなか落ちません。そこで大気圏に何度かバウンドさせて減速させる方法を思いつきました。水面に投げた石が跳ね返って最後にポチャンと沈むイメージです。無事大気圏再突入するとそこはもうアメリカ大陸、ペイロードから4つのでっかいブツ、まあおそらくは核爆弾でしょうけど、それを落としたらそのまま一気に大日本帝国勢力下太平洋まで滑空していっちゃたりなんかしちゃったりして。


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とまあ広川太一郎的にいえば計画は完璧なのですが、その後の研究によると色々と不都合な真実が発覚。特に誤算だったのは大気圏再突入時ので、もし実際にこの計画を実行していたら Silver Birdはかなりカリカリこんがりフライドチキンになっていたことは間違いないでしょう。

このプロジェクトはドイツが劣勢となり、近くのソビエト連邦との戦闘が激しくなると遠くのアメリカの脅威を心配している場合じゃなくなってキャンセルされました。ソビエトの兵器はドイツの最先端技術に遠く及ばないものでしたが、スターリンの物量作戦が勝ったのは歴史のとおりです。


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スターリンは押収したドイツロケットセンターの文書から Silver Bird計画を知り、実現しませんでしたが SängerとBredtをソビエト連邦へリクルートしています。一方 Silver Bird計画自体はアメリカ空軍にひきつがれ、1960年初頭 X-20 Dyna-Soar計画となりました。Silver Birdと同じくブースターを使用、 Titan III ロケットを合体させて発射するものです。ただ1963年、この悪魔的な計画はキャンセルされ、宇宙に関連する計画はいっしょくたにNASAに統合されます。当初まったく目的が異なったとはいえ、Sängerの夢見た大気圏再突入可能な飛行機自体は10年後、スペースシャトル計画として現実化しました。


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Sängerは戦後数年をフランスで過ごし、その後故郷ドイツへ戻りラムジェットソーラーセイルの研究を亡くなる1964年まで続けました。彼のイマジネーションは戦争の前後で失われることはなかったということですね。


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(参考文献)

Eugen Sänger and Irene Bredt: Über einen Raketenantrieb für Fernbomber (8.3 MB PDF of a full English translation of Sänger and Bredt's 1944 report)

Juhani Westman: Global Bounce: Eugen Sänger, Irene Bredt and the Long Range Rocket Bomber

写真: Jan B.H.A. Vervloedt (V-2 rocket), Eugen Sänger (Silbervogel flight path), NASA (X-20 Dyna-Soar), various artists

Peter Orosz(原文/野間恒毅)
 

4883925684
ナチスの発明 (単行本)




 

新着コメント
コメント(3)

>大変なのはニューヨークに向けての大気圏再突入です。降下しなければならないのに飛行機自体は揚力が発生するようにデザインされているのでなかなか落ちません。そこで大気圏に何度かバウンドさせて減速させる方法を思いつきました。

逆逆www。
航続距離を伸ばすためにワザと大気圏に弾かれる跳ね石軌道を計画したんですよ。 ^^

浮上したUボートから打ち込むミサイルのほうが現実味がある気がするけれど…

オイゲン・ゼンガーとイレーネ・エリザベート・ブリットがフランスに移住し
結婚した後、ソ連からの強制リクルート失敗。
ソ連側の指揮者がスターリンのドラ息子ヴァシリー(アル中)酒飲み過ぎ?
無為に時間を過ごし任務失敗、あげくに実行グループの大佐が亡命した。


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