取りも取ったり100万ドル!アップル社員が収賄逮捕。貢いだアジアのサプライヤー6社とは?

2010.08.17 12:00
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100815_apple-devil-logo-ss.jpg業界全体では氷山の一角、手段を選ばないコスト競争の「炭鉱のカナリア」とも言われてる逮捕劇。

アップル勤続5年の国際購買マネジャー、ポール・シン・デヴァイン(Paul Shin Devine、迪瓦恩)容疑者(37)がアジアのiPhone・iPod周辺機器サプライヤーから総額100万ドル(8400万円)以上のリベートを受け取った疑いで米時間13日逮捕されました。

FBIとIRS(内国歳入庁)の合同捜査で電子送金詐欺、マネーロンダリング、裏金授受など23件の容疑が固まり、カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁に起訴となったもの。今日(米時間16日)の初公判では原告は無罪を主張しましたが、検察側は「2007年2月頃から現在までに受け取ったリベートは総額250万ドル(2億1330万円)」と初報の倍以上の額を主張しています。求刑懲役最大20年。

本件では、現地サプライヤーの取りまとめ役としてリベートの一部を受け取ったと思われるシンガポールのJin Li Mould Manufacturing Pte元社員アンドリュー・アン(Andrew Ang)容疑者(35)も共謀の疑いで捜査を受けています(未逮捕)。

サンノゼマーキュリー紙が14日伝えた初報によると、デヴァイン容疑者はアップルの肩書きを利用して社外秘情報を入手してサプライヤー半ダースに流し、その見返りとして海外口座複数(妻名義の口座含む)と国内口座を経由してバックマージンを受け取っていた、と起訴状にはあるそうです。リベート受け取りのトンネル会社「CPK Engineering Inc.」を使ってたりと、なかなか巧妙なスキームですね。

同容疑者は海軍士官学校卒業後、社会人経験を経てMITスローンでMBAを取得したエリート。アジア系。

気になる情報の中身ですが、これはウォールストリートジャーナルによると売上げ予想、製品スペック、競合他社の目標価格と入札価格などで、例えばシンガポールの某社には「アップルの希望は1セント、競合は4セントと言ってきているので、2セントで提示するといい」といった具合に事細かに指示していたようです。

アップルもずっと野放しだったわけではなく、今年4月(訂正!)には同容疑者のノートパソコンから機密情報・金銭の受け取りを示す怪しげなメールが大量に見つかり、これと別に13日付けで民事提訴に踏み切った、と話しています。逮捕の報道を受け、「社内であれ社外であれ不正直な振る舞いは容認ゼロの態度で臨む」と広報は発表しました。

受け取った情報はサプライヤーが、アップルから有利な条件で契約を結ぶ交渉に利用していたそうですから、だとすれば贈賄側も罪になりそうな話ですよね。

訴状には中国・台湾・韓国・シンガポールを含むアジア各国の企業半ダース分とあるだけで、名前は明らかにされていないのですが、ウォールストリートジャーナルがアップルの訴状の方にある以下3社の名前を公表しました。
 

・韓国のCresyn(2007年2月から毎月6000ドルの「コンサル料」を送金)
・中国のKaedar Electronic(iPodケース製造)
・シンガポールのJin Li Mould Manufacturing(ここ単独で100万ドル)

因みにKaedarを一昨年ごろ買収したPegatronは台湾Asustek Computerの子会社で、CDMA対応iPhoneを受注したとWSJが伝えた会社ですね。「この裏金スキャンダルが発注停止につながるんでは...との不安感から月曜株価が4.26ポイント下がりましたよ。残り3社はどこでしょうね?


[Mercury News via Business Insider, WSJ, BusinessWeek]

Casey Chan(原文/satomi)
 

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