1つ目小僧は人間よりもゲームが上手!?

1つ目小僧は人間よりもゲームが上手!? 1

おーい、1つ目小僧さんやーい! そろそろご飯だからゲームやめて2つ目に戻っておくれやーい。

脳科学者のMark Changizi氏の視力に関するおもしろい解説です。

2つの目を持つ人間も実はゲーム中は1つ目状態にある、というお話。

Changizi氏は「The Vision Revolution: How the Latest Research Overturns Everything We Thought We Knew About HUman Vision」の著者。本の中でChangizi氏は人間の視力に対してたくさんの疑問に答えています。「色ってどうやって見るの?」とか「なんで目は前向きについてるの?」等、普段は気にしてないようなことも、これをきっかけに興味が持てます。

両目で見ることによって、人は奥行きを感じることができますが、ゲームプレイ中には1つ目状態にあるそうです。なぜでしょうか?

Changizi氏曰く、「1つ目の状態を体験したことがある人は少ないだろう。片目をつぶっているのと同じ状態なのだが、この状態を頻繁に長時間経験したことがある人はもちろん少ないだろう。ましてや片目の状態で何か複雑な作業をすることもないだろう。だが、もしファーストパーソンゲーム(プレイヤーが主人公の視点で行うゲーム)をやったことがあるなら、それはなによりも1つ目の体験に近いものである。2つの目を持っていようと、むしろ目をいくつ持っていようとも、ビデオゲームというのは1つ目状態でプレイしているものなのだ。」

Changizi氏が言うには、ビデオゲームの映像は1つの視点からだけなので、両目ともに1つの同じ画が送られているということに。つまりは1つ目状態にあるということ。

それをまとめてChangizi氏は、「よって1つ目小僧の方がきっとゲームが上手なはず。もともとこの視界なので、慣れる必要がないからです!」

奥行きは両目で感じるのでは? 脳にはいってくる画が例え1つ目状態のものだったとしても、我々はゲームの3Dを認知することができます。これは、ゲームのグラフィックが実に現実的で、奥行きを感じるための十分なヒントを与えられているからです。ゲーム内で、近くにあるものは大きく見え、遠くにあるものは小さく見える。この遠近感が実に大げさに使われているからなのです。

さて、2つ目状態じゃなくても奥行きを感じることができるというわけです。では、1つ目状態にある時、我々が失ってしまうものが何でしょうか? 我々にあって1つ目小僧さんにはないもの。

Changizi氏はコール オブ デューティ2を例に解説しています。例えば、Changizi氏が狙撃手で薮の中に腹這いになり隠れて敵を狙う、としましょう。

ここで1つ目状態では問題にぶつかります。この薮の中から外の様子を伺うのは1つ目状態ではほぼ不可能なのです。ターゲットがどこにいるのかを薮の中から、葉っぱの間からうかがわなくてはいけません。1つ目の状態でより周りを見るには、自分の位置を、物理的に体を右へ左へと移動して見るしかないのです。

薮があるからその間からしか物が見えない。当たり前のことですが、両目でみるともっとクリアーに見えるのです。

それはなぜでしょう? 百聞は一見にしかず。やってみましょう。

顔の前で指を広げて手をかざしてみてください。そして指の隙間から遠くにあるものを見てみてください。多少みにくくとも、見えますよね。それが何であるかわかりますよね。本棚だったり、オフィスの向こうに座る同僚だったり、ドアだったり。さて、では片目をつぶってみましょう。完全に1部分しかみえなくなります。逆の目をつぶってみましょう。見える部分はかわりますが、やはり1部分しかみえません。つまり両目で違う画をみることによって、見ている画はより完全なものに近づき、より多くの情報がはいってきているわけです。

下の画は、Changizi氏の本にでてくる例です。この様な薮の中からの状態だとはっきりわかりますね。2つ目と1つ目の大きな違いが。

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Changizi氏はこれをX線のビジョンのようだと例えています。スーパーマンみたいですね。でも、X線なしで見えるわれわれはスーパーマン以上ってことです。両目でみることによって片目づつでは隠れている情報を1つの画としてとらえることができる。

本当に人間の体とはよくできているもんですねぇ。

Mark Changizi氏の著書「The Vision Revolution: How the Latest Research Overturns Everything We Thought We Knew About HUman Vision」はBenBella Booksより発行されており、Amazonでも購入することができますよ。

Mike Fahey(原文/そうこ)