自由過ぎるAndroidがユーザーに敬遠され始めてる? 悲劇のガラケー化する懸念まで噴出中...

2010.08.17 23:00
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改めてiPhoneが見直される動きにも!

とにかく成長著しい、このところ絶好調な売行きで伸びてきたAndroidではありますが、実はユーザーの間で大きな苦情の嵐になり始めている問題が表面化してきていますよ。マズいことに、どうやらガラケー(ガラパゴスケータイ)とも呼ばれる高機能な携帯電話「フィーチャーフォン」がたどった道のりを追いかけて、すっかり一部のユーザーから敬遠されちゃっているという悲惨な指摘まで出てきています。

せっかくのiPhoneへの対抗馬として台頭してきたAndroidに、一体いま何が起きようとしているのでしょうか? メーカーさん、とにかく売上げをアップさせたい気持ちは分かるんですけど、期待のAndroidの未来を台無しにするような販売戦略は見直していただけませんか?

すでに日本よりもはるかに多くのAndroidケータイが手に入り、一気に普及の波に乗ってきた米国で生じている問題の実態に少し迫ってみることにいたしましょう。これから決して日本でも同じようなパターンが繰り返されることのないように願いながら...
 

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一言で表現するならば、いま市場で次々と発売されているAndroidケータイをめぐる共通の問題は、マルウェアならぬブロートウェア(Bloatware)の大量インストールにありますよ。その名も「膨れ上がる」を意味するブロート(Bloat)から取られているように、購入したばかりの新品ピカピカなAndroidケータイなのに、すでに大幅にメモリーやストレージ容量を占有してしまうソフトウェアアプリなどが搭載されてしまっており、ユーザーが簡単には完全削除できない仕組みになってしまっているんですよね。

たとえば、現在地に応じてお勧めレストランや観光スポットなんかを紹介してくれるアプリ、数々のオンライン対戦ゲームソフト、有料動画の視聴サービスなどなど、どのAndroidケータイを買ってきても、ほぼ間違いなく米国内では多種多彩なソフトウェアアプリがプリインストールされている状態です。でも、これって結構いらないサービスばっかりで、あんまり多くのユーザーには喜ばれていない、むしろ、どちらかというと目障りで二度と必要ないので消し去ってしまいたいんですけどって反応が大半だったりもするんだとか。おまけに多くのアプリが、最初の試用期間のみ無料であるものの、一定期間が過ぎると勝手に有料に切り替わって、利用料金を請求される羽目になるというイワクつきだったりもするんですよね...

実のところ、弊社としましても、本当のところは最初からスマートフォン本体にアプリをプリインストールするのではなく、ユーザーの皆さまが自由に後で欲しいアプリだけをAndroid Marketなどのアプリストアからダウンロードする方式を推奨していきたいと考えています。


でも、この点で最終決定権を握っているのは、一般的に携帯電話キャリアのほうでして、弊社もキャリアの方針には従わざるを得ない状況になっています。やはりキャリア側は、ただ単に端末を販売するのみならず、その後の売上げを確保することも含めたビジネスプランを立てていかないといけないでしょうから...

やや歯切れの悪い回答ではありましたけど、これまでも数々のAndroidケータイのヒット作を世に送り出してきたHTCの広報担当の方が、正直に裏事情を明かしてくれましたよ。ユーザーである消費者のために数多くの便利そうなソフトウェアアプリを詰め込みまくりましたっていうよりは、すべてはメーカーとキャリア側の大人の事情って感じでしょうか。

そう言えば、新しくパソコンを買った後も、もう大量のソフトウェアが最初から入っていて、その多くは使いもしないのにって不満でしたけど、あれもすべてメーカーとソフトウェア提供側とのつながりがあったからこそなんですよね。中には気に入って、そのプリインストールされているソフトを愛用してくれるユーザーなんかも少しはいて、それはそれでパソコン販売後も継続して売上げを確保する道を開くものでもあったりしますからね。

ただし、ちょうどパソコンでも特に米国ではBloatwareが多くの購入者の怒りを招いてしまったのと同様、Androidケータイを購入後、その不要なのに簡単には消せない大量のプリインストールアプリへの苦情の声が、最近は目立って高まってきているようですよ。そもそも必要ないだけじゃなくって、これが入っているせいで、バッテリー寿命が短くなったり、起動に異常に時間がかかったり、CPUパワーやメモリーに影響を与えてパフォーマンスが低下してしまったりという問題が現実に生じたりもしているみたいですからね。

現在、Androidケータイで問題になってきているBloatwareは、フィーチャーフォンの古き良き時代を思い出させるものでもあります。携帯電話メーカーもキャリアも、とにかく他社のモデルとは違う面をアピールしようとするあまり、さまざまな音楽サービスやコミュニケーションソフトなんかを搭載して、かえって多くのユーザーが使わない機能ばかりで膨れ上がった携帯電話の新モデルが次から次へと販売される事態を招きました。それが特にAndroidを搭載するスマートフォンでも生じるようになったということですね。


滑稽なことに、メーカーやキャリアは、まさかユーザーがプリインストールされている数多くのソフトウェアアプリを消し去りたいとまではだれも思っていないなどと決め込んでいるのですが、実際にはその逆のようです。アップルのiPhoneでは、最初からキャリアによってプリインストールされているものなんてほとんどありませんけど、Androidならば販売後も売上げを伸ばせそうなソフトウェアアプリを自由に入れられることに着目したキャリア側が極端に走っていることに、ユーザーは不快感すら覚えていますよ。データ通信プランだけでは思ったように利益が伸びないキャリアのジレンマは理解できますが、ここで判断を誤ると、かえって消費者がキャリアから離れていく逆効果になってしまうでしょうね。

この問題を分析しているForrester Researchのアナリストのチャールズさんは、こんなふうにズバッとコメントしてくれましたよ。超厳格なアプリ審査基準で知られるアップルは、時に多くの反発すら招いてきましたけど、iPhoneにBloatwareがはびこりまくることなんてジョブズが許しそうにないですし、ここはユーザーからも好評価を集めそうですよね。

現時点では、BloatwareがAndroidケータイのシステム面で与えている影響はストレージ容量の占有くらいに限られていますけど、今後はCPUパフォーマンスにまで深刻な影響を及ぼすレベルになってくれば、もう消費者も黙ってはいないでしょう。


そして、とにかくユーザー獲得競争が熾烈な携帯電話業界では、消費者に見限られるほど恐ろしいことはありません。ですから、自然とAndroidケータイのBloatwareも減少傾向をたどって沈静化していくのではないでしょうか。とりわけパソコンよりもリソースの限られるスマートフォンでは、もしBloatwareの問題が根強くなると、一気にユーザーの不満が爆発する方向にだって進みかねませんからね。

Bloatwareの中には、いわゆる購入モデルを脱獄(Jailbreak)でもしないことには削除できない性質のものまであるそうで、やはりこれが限度を超えれば、この上ないストレスになることは間違いなさそうです。きっと多くのユーザーは、まったくBloatwareなんて望みもしないんでしょうけど、ほとんど音声通話でも儲からない携帯電話キャリアにとっては、本当に売上げの確保が頭の痛い問題なんでしょうね...


Priya Ganapati(原文/湯木進悟)
 

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