月が縮む理由

月が縮む理由 1

満月きれいですね

ところであの月、冷茶に浸したヒヒの睾丸のように縮んでるって、知ってました? いくぶん表現は異なるものの、NASAが月探査機ルナー・リコナイサンス・オービター(LRO)から送られてきた最新画像を分析した結果それに近い発表をしました。冷めて縮んでるかもしれないんだって。

月も誕生した当初は熱かったんです。一般に最もよく受け入れられ、シミュレーションやら月表面の物質検分でも立証されている理論(ジャイアント・インパクト説?)によりますと、月は約45億年前、火星サイズの物体と地球が大衝突して形成され、飛び散ったものが一丸となって形成されたようです。小惑星・流星(隕石)の雨あられで生じる衝突、そして放射性物質の崩壊が相まって、月は長らく高温に保たれてきました。

しかし今回明らかになった画像で「長らく」どころか、ひょっとして今もまだ冷え続けてるんじゃないの!?...という可能性が新浮上したのです。前は研究者たちも冷却・収縮期はとっくの昔に終わってたものとばかり思ってたんですが、なんとNASAのLROから入った最新の画像には古くて10億年前、もしかしてたった1億年前にできた耳たぶ状の崖がバッチリ映ってたんです。

10億年前から1億年前というと大昔な気もしますが、地質学の世界ではこれ、ものすごく最近らしいのですね。ワシントンD.C.にあるスミソニアン国立航空宇宙博物館地球惑星研究センターのトーマス・ワッターズ博士(Dr. Thomas Watters)はこう語ってます。

月が縮む理由 2

 

月の崖で注目すべき側面のひとつは、その若々しい外観。比較的最近できた衝上断層が全球に広がっていることから、月全体が最近収縮したことが分かる。これはおそらく月内部の冷却によるものだろう。[...] 我々の推計ではこれらの崖の形成は古くとも最大10億年前、事によると1億年前にできた若い崖の可能性もある。

月ができて45億年とか47億年だとすると、その4分の1未満ですもんね。

耳たぶ状の崖(lobate scarp) ―耳たぶみたいな形の崖が多いのでこう呼ばれてる― は、月の内部が崩壊するにつれ、形成される崖です。内部が冷えて縮こまり、月の地殻の一部が割れ、それが互いの上に隆起してできるんですね。前は赤道付近でいくつか見つかったのですが、今回新たに14個見つかり月全体に広がってることが確認されました。で、全体が冷えとるわい!  という話になったのです。

同博士率いるNASAゴダード、アリゾナ州立大、スミソニアン博物館の合同研究チームでは、これらの崖が「小さなクレーター複数をまたいで亀裂が入っていることから、月面の地形の中でも一番最近形成されたもののひとつに数えられる」と考えています。

また、こうした衝上断層(突上げ断層)の位置関係を基に、チームでは過去10億年に渡る月のテクトニクス変動と熱の歴史を再現することができた、というわけ。その研究成果は『Science』8月20日号掲載中です。

それにしても気になるのはズバリどれぐらい縮んだの!?  というところでしょう。ワッターズ博士は、「崖のサイズを基にした我々の推計では、過去10億年で月の核から表面までの距離は約300フィート(91.44m)縮んだと思われる」と話してます。今宵の満月がみるみる縮こまるんじゃなくて良かったね。

[Shrinking Image]

Jesus Diaz(原文/satomi)