タダほど怖いものはない? マイクロソフトが全社員へWindows Phone 7を一斉配布する本当の理由

タダほど怖いものはない? マイクロソフトが全社員へWindows Phone 7を一斉配布する本当の理由 1

モバイルで復活へと全社一丸!

世の中がiPhoneだのAndroidだのと盛り上がり、最近では危機を感じて、あの王者だったBlackBerryまでが巻き返しに全力で取り組んでいるところへ、いよいよ夏が終わればマイクロソフトだって完全に新しく生まれ変わった「Windows Phone 7」で大攻勢をかける勢いですけど、このところスマートフォン市場ではトンと元気がなかったマイクロソフトがリリース後のスタートダッシュへと数々の秘策を準備中ですよ。

その手始めに、まずは正式発売前に世界各地へ散らばる全社員に無料でWindows Phone 7の最新モデルを1台ずつ手渡していく特典がアナウンスされちゃいましたが、この驚きの発表後、しばらく経ってから、いろいろとマイクロソフトの真の狙いなんかが社内からも漏れ伝わってきましたよ。本当にタダでWindows Phone 7をゲットできちゃうとの発表内容に偽りはありませんが、でも、その裏にはチャンと取りっぱぐれない目標が仕込まれ済みであります。

ちょっぴり今回はWindows Phone 7の最終開発段階に差しかかったマイクロソフトの内側へとスポットを当ててみましょう。なかなかその情熱と本気度も伝わってきていいですけどね~

 

タダほど怖いものはない? マイクロソフトが全社員へWindows Phone 7を一斉配布する本当の理由 2

マイクロソフトのモバイル通信部門のアンディー・リース上級副社長から、9万3000人を超える世界中の社員に向けて送られたメッセージには、無料配布されるWindows Phone 7の背後に、まず最初に次のような願いが込められていることが露骨に明らかにされていましたよ。

まだ世界の多くの人々が自分の手でWindows Phone 7に触れるよりも前に、いち早く今回の無料配布プログラムで最新モデルを入手したならば、とにかくまずは自分で使い倒してもらいたい。どんどんと人前で電話をかけ、メールを送受信し、道行く先のナビゲーションにも活用してほしい。そして、心からWindows Phone 7を愛せるようになってほしいんだ。ちょうど開発チームの皆が心の底からWindows Phone 7のことを愛しているように!

Windows Phone 7は単なる携帯電話の新しいOSといった位置づけではない。これはまったく新たなエクスペリエンスを創造すべく、ソフトウェアとサービスが見事に出会ったのであり、この出会いにはマイクロソフトの全社レベルでの努力の結集が関係している。どうか考えてみてほしい。「Windows」「Windows Live」「Bing」「Zune」「Xbox Live」「Office」「Exchange」「SharePoint」「Silverlight」「.NET」「XNA」「Visual Studio」のすべてが初めてスムーズな融合を遂げることに成功したのだ。

だから、まずはこの他には決してないWindows Phone 7の良さを堪能し、その感動を恋人、家族、友人、顧客、ビジネスパートナーのすべてに話していってほしい。これはマイクロソフトが携帯電話ビジネスの未来へ向けて、かつてない大きな特別なる一歩を踏み出す瞬間なのだ。

ううう、なんか読んでて泣けてきそうなくらい、Windows Phone 7への熱すぎる愛情が伝わってくるではありませんか...。すでにリークして出回ってきた美デザインの「HTC Schubert」ですとか、ASUSのスリムメタリックボディーが光るモデルですとかも、なかなかいい感じですし、ひょっとしてひょっとすると今度こそ本当にiPhoneやAndroidとも互角に渡り合えるんじゃないでしょうか? そのすべてはマイクロソフト社員の愛と周囲への布教の精神に依存してもいるようですけどね。

今回のWindows Phone 7の無料配布プログラムが正式に社内で発表されて以来、わりとこの件に関する社員の間での反響は上々のようでして、別に強制なんてされなくっても、ほとんどの皆さんが心からWindows Phone 7の良さを触れ回りたいって願ってもいるんだとか。ちょっとマイクロソフトにとっては良い風向きですよね~

ただし、楽しくイジり倒してWindows Phone 7の奥深さが分かるようになった後には、恐るべき宿題なんかも用意されちゃってるみたいですよ。

皆さんのために、今すぐにでも無料でダウンロードして使える「Windows Phone Developer Tools」を用意しておきました。このパッケージさえあれば、Windows Phone 7向けのアプリケーションを最後まで仕上げて完成させられます。

続きまして、ソフトウェア開発の専門知識のない人も多いでしょうから、全従業員を対象にしたアプリ開発支援プログラムも用意いたします。まったく未経験の人でも、思いに描いたアプリが作れるまで手取り足取りサポート可能ですよ。まずは特別に準備された「Windows Phone Developer Training Kit」をチェックしてみてください。

Windows Phone 7の良さに触れれば触れるほど、たとえ勤務中の休憩時間であっても、勤務時間外の余暇の時間でも、なんとか対応する優れたアプリを開発したいという願いに駆られるはずです。ぜひ皆で知恵を出し合いつつ、Windows Phone Marketplaceの充実を図っていこうではありませんか!

ありゃまぁ、要はこれこそが今回の最大の狙いだったわけですね。マイクロソフトの社内であれば、かなり優秀なソフトウェア開発者も多いでしょうから、App StoreやAndroid Marketにも劣らぬアプリ充実を目指すうえでも、この無料配布プログラムの目のつけどころは素晴らしいと言えるのかもしれません。

ただし、ここから先はオフレコの部分が多くなりますけど、このアプリ開発に全社員を借り出すアイディアに、どうやら激しく賛否両論が分かれているようなんですね。そもそもマイクロソフトの中で携帯電話事業部に直接的に関与している人なんて、ほんの一握りの社員に過ぎません。他の大半の社員は、Windows Phone 7など本来の守備範囲外というわけです...

それなのに、自分の仕事時間以外にアプリの開発へ、やや半強制的に参加させられるだなんて、それってサービス残業じゃないですかって声まで上がっているそうですよ。特に不評だったのは、せっかく無償で愛社精神から完成させたアプリをWindows Phone Marketplaceに提供したとしても、それを社員が有料で売り上げてはレベニューシェアを受け取れるという特典までは十分に用意されていないらしく、それならば最新の携帯電話だけタダで与えておいて、あとは会社が取り放題なのかって厳しい批判まで沸き起こっているんだとか。

まぁ、マイクロソフトの社内事情までは深く関与いたしませんが、せっかく待望のWindows Phone 7の立ち上げなのですから、どうぞ皆にハッピーな制度を用意して、これから発売まで一気に盛り上げていってほしいものですよね。だって、日本でもWindows Mobileからスマートフォンユーザーになった人は数多くおられて、この分野でのマイクロソフトの復活を心から待ち望んでいる人たちも大勢いるんですからね。ギズだって応援してますよ~

[Techflash]

Jesus Diaz(原文/湯木進悟)