リニアーモーターカーよりエコに時速500km! 「エアロトレイン」を陰で支えるFSWシステムに注目[国際フロンティア産業メッセ]

2010.09.15 16:00
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タグ:eco

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まだまだ夢の研究は続く...

磁気反発力を利用して次世代新幹線への道を切り開く「リニアモーターカー」の陰に隠れてしまいましたけど、その上を行くエコロジーで超高速な「エアロトレイン」の研究開発が、もう10年以上の長きに渡って続けられたのをご存知でしょうか?

今回はまるで飛行機のように翼を広げ、プロペラを回しながら地面から浮上しつつのハイスピード走行を目指すエアロトレインのカギを握るFSW(Friction Stir Welding)システムの秘密に迫ってみましたよ。
 

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200を超える企業団体による先端技術の出展が行なわれた「国際フロンティア産業メッセ2010」の会場の一角に、日本初の世界文化遺産に指定された姫路城を擁する兵庫県姫路市に本社を定めたさくらい工業のブースがありましたよ。

東北大学未来科学技術共同研究センター小濱泰昭教授が推進し、実際の走行試験などは宮崎県日向市にあるリニア実験線の跡地で進められるエアロトレインと、その中間地点へ位置する小さな姫路の会社に何の関係があるんでしょうか?


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さくらい工業は決して大きな企業ではありませんが、実は英国TWI(接合・溶接研究所)の持つ国際特許のFSW(摩擦攪拌接合)20KWファイバーレーザーといった接合法を、中小企業としては国内で初めて導入した実績で知られているそうですよ。

とりわけエアロトレインは、翼が地上に近づくほど揚力を増す地面効果で超高速浮上走行するためにも、とにかく軽量化を徹底的に進めた機体が必要とされ、そのカギを握るのは難燃性のマグネシウム材料なのですが、これを用いてエアロトレインを完成させる上で、FSWの接合技術がなければ実現しなかったとも言われているみたいですね...


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なんでもFSWシステムでは、ツールと呼ばれるロッドを材料に回転させながら押し付けて、その摩擦熱で材料を軟化させ、先端のピンで撹拌しながら接合していく仕組みが採用されているようで、通常は溶接が難しい素材でも、ほとんど継ぎ目なく接合できる優れた技術なんだとか。

日本国内では他の企業に先駆けてFSWの導入に踏み切ってきましたが、非常に高度な技術レベルではあっても、あまり実践的に活用する場のない現状にも直面してきました。高度すぎて通常の溶接では必要なかったりもするんですよね...

ブースでは、さくらい工業の先端技術部を統括する櫻井貴雄さんが、そんなふうに説明をしてくれましたけど、同社の高い技術力に着目した小濱泰昭教授から、エアロトレインの機体部分の設計や製造の話が舞い込んできた時は、やっぱり正直に言ってうれしかったでしょうね!

ちなみにエアロトレインは、ただ時速500kmという高速スピードが出せるのみならず、超低消費電力も誇っており、現在の新幹線の3分の1のレベルまで抑えられるんだそうですよ。おまけに太陽光や風力エネルギーを活用したゼロエミッション走行を実現する理想も掲げられているとあって、ぜひ今後も力強いプロジェクトの推進に期待したいところですよね...


[国際フロンティア産業メッセ]

(湯木進悟)
 

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