ジョブズに喧嘩売ってるとしか思えないGoogle InstantのCM

む~挑発的です。

ヒッピー世代の若者に絶大な影響を与えた1965年ボブ・ディランの出世作「Subterranean Homesick Blues」に乗ってGoogle Instantが目にも止まらぬ速さで百変化。入力も終わらぬうちに歌詞が出て行ってますよ?

「これのどこが挑発的なの?」

 いやーディランと言ったらジョブズ往年のアイドルでありインスピレーションの源ジョブズ本には「アップル株主総会でディランの歌詞を通しで読み上げた」という逸話もあるぐらいなので、きっとジョブズの頭の中では文化に造形が深く、人の心を動かし、どことなくカウンターカルチャーな空気を漂わせているのはアップルであって、あんな狂ったように年がら年中テスト→測定→テスト→測定やってるコンピュータサイエンスPh.D(博士号)軍団=グーグルなんかじゃない、っていうのがあると思うんですよね。

あんな「人に知られてまずいことは最初からすべきじゃない」とか文化的トンチンカンなこと言って平気なグーグルじゃない! ワシがリスペクトするフォークミュージックの英雄・ディラン様をGのドロイドどもに使われてたまるか! みたいなコダワリが。ああ、こうして軽快に流れるCM観てるだけでクパチーノ方面から何とも言えぬダークな磁場を感じますですよ?

ひところ確執されたエリック・シュミットCEOとスティーブ・ジョブズCEOのふたりは、とりあえずパロアルトのカフェで談笑して雪解けをアピールしましたが、もしかしてまだアップル-グーグル戦争はばっちり続行中なんでしょうか...。

ジョブズに喧嘩売ってるとしか思えないGoogle InstantのCM 1
あるいは単にグーグルなりにアップルの真似っこしてヨイショしてるだけなのかもね。ジョブズがディランを信奉するように、シュミットはジョブズを信奉してると言われてますし。カスタマーと深く関わって、そこから利益を上げる関係を築きたいなら、これまでみたいに精度の高いエンジニアリング強調するだけじゃいかんいかん、もっとカスタマーと気持ちが繋がってるイメージと、あとカルチャー的権威も大事にしなくちゃなーということは、シュミットぐらいの人なら分かってる気もしますよね。

ところでCM(日本はまだ)で使ってるのはD・A・ペネベイカー(D. A.Pennebaker)監督のドキュメンタリー『Don't Look Back』収録の映像です。『Subterranean Homesick Blues』の断片的な歌詞カードを持ってるのは、ボブ・ディラン本人。くーかっこいー!

そこにグーグル版では、検索ボタン押さなくていい「Google Instant」の歌詞検索結果を挿入してます(日本版未上陸ですが、日本からでもGoogle.comで検索すると使えるみたい)。

ボブ・ディランの歌詞カードの真似は使い古しのネタだし、今年のスーパーボウルのグーグルCMほどの感動もないけど、あの広告に好意的とは言えないディランからよくもまあライセンスが取れたものだなーと。

グーグルの資金力をすればディラン級のアイコンは誰でも押さえられるのかもしれないけど、だからってどうしてもやらなきゃならないわけじゃなし。ネットならパワフルなアルゴリズムとA/Bテストがあれば、かなりがなりのことまでできますが、広告の趣味まではどうでしょうね? みなさんはこの広告どうでしょ?

Ryan Tate(原文/satomi)