飛べそうで飛べなかった夢の車を怒涛の大特集!

飛べそうで飛べなかった夢の車を怒涛の大特集! 1

男たちの果てなき夢が空を熱くする...

とうとうだれでも講習さえ受ければ自由に運転して空を飛べるフライングカーTerrafugiaによって発売間近に迫っているとのことですけど、こういう夢の自動車って、実際に大空を目指したかどうかはともかくとして、かなり昔から世界各地で開発されてきたんですよね。プロペラを回して疾走する型破りの車が世間を騒がせていた時代を、ギズ読者の皆さまはご存知でしょうか? なんとなくロマンを感じますよ!

残暑厳しいいまだからこそ、クールな大発明にでも挑むべし~という願いも込めまして、ちょっと今回は飛行機もビックリなプロペラカーを怒涛の大連発で特集しちゃいましょう。現代の日本の路上によみがえらせることに成功すれば、一躍人気者として脚光を浴びることだって間違いなしかも!?

 

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プロペラを回して勢いよく前進する自動車のアイディアは、古くは100年を超える歴史を誇るんですってね。こちらの右のイラストは、フランス製の「Leyat Airscrew」というモデルなんですが、早くも1912年に発表されていたみたいです。フロントホイールでブレーキをかけ、リアホイールがハンドル操作に対応するという当時としては斬新なデザインですよ。

一方、そこからさらに時代が進み、より乗用車らしくなったのが左のイラストの「Argentine Aerocar」でございます。1950年代に初のプロトタイプが完成したArgentine Aerocarは、プロペラ回転によるパワフルな推進力での加速性能が売りでもあったようで、シボレー製の直列6気筒の90馬力エンジンをフル稼働させると時速100マイル(約160km)の世界も夢ではなかったとのことですよ。このデザインこそが、まさに男たちの憧れを誘った時代でもあったんでしょうね~

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Argentine Aerocarの実写版の貴重な資料が、1955年10月号の「Mechanix Illustrated」という雑誌に残されていましたよ。実は米国カリフォルニアで大量生産体制を敷いて、大々的に全米で売り出していこうって壮大な計画も立てられていたそうですが、やっぱりこんなプロペラが派手に道路で回ってたんじゃ、周囲の人々が怪我をしてしまう...といった安全面での懸念から最終認可が下りず、あえなく大衆車としてのデビューは夢と消えてしまったんだそうです。なんかビンテージカーとして復活させたら、カッコよさそうな気もするんですけどね...

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さてさて、プロペラカーの古き歴史に話を戻しましょう。こちらは第1次世界大戦以前からイギリス軍が本気で試作機の開発を進めていたという「Sizaire-Berwick Wind Wagon」ですよ。普通の乗用車では走行できないような悪路でも、力強く前進して敵陣突破を図れる装甲車の完成には、巨大なプロペラの力だって不可欠になるとの思いからか、かなり真剣に実用化も目指されていたそうですが、ついに実際に前線で日の目を見ることはなかったんだとか。

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一方、フランス人のマルセルさんが実際に商品化して売り出したのが、こちらの広告に写る「Helica」の多彩なモデルでございます。1913年に発売されてから、オープンカータイプや超高級車の仕様などなど、第2次世界大戦勃発前までに実に30台が販売されたとのことですよ。まだ街頭では馬車だって珍しくなかった時代に、こんなふうにフロントでプロペラを回して路上を渋く走り去る自動車を目にした日には、もうパリっ子たちも大興奮だったことでしょう!

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ちなみにHelicaは、まだ現在も実車がフランスに残っており、こちらはパリ工芸博物館(Musée des Arts et Métiers)にて展示されている1921年モデルの写真です。いまでもエンジンをかけるとプロペラが勢いよく回って、本当に走り出しちゃいそうですよ。Helicaは、ハンドルを回すとリアホイールが動き、フロントホイールでブレーキをかける仕組みになっており、ちょっと運転にもコツがありそうですけどね。

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さらに、こちらは同じく現存するHelicaの1922年モデルでございます。イングランドで2000年に開催されました「Goodwood Festival of Speed」にて公開されていましたよ。ちゃんと窓もついてて、ヘッドライトなんかが標準装備されているので、問題なく公道だって走行可能な貴重なビンテージカーとなっています。なんか欲しくなってきちゃいましたよね~

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さてさて、夢は大きく膨らみまして、なんと自動車ごと吊り下げて宙に浮かし、勢いよくプロペラを回して加速するモノレール仕様にしちゃおう! そんな企画が堂々と1933年6月号の「Popular Science」誌上で発表されちゃいました。15馬力の電動モーターで加速するプロペラモノレールの最高時速は155マイル(約250km)にも達するという大胆プロジェクトでしたが、ついに残念ながら実現に至ることはありませんでしたね...

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一方、もっと本当に飛行機に近づけようぜってアプローチも盛んになった時代がありましたね。こちらは後にダイムラー・ベンツに吸収されてしまいましたが、1938年にドイツのMaybach(マイバッハ)がプロトタイプを完成させたプロペラカーでございます。リアデッキに搭載されたのは、なんと本当に飛行機で使われる7気筒エンジンだったようですよ。

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また、こちらはフランスで1932年に完成していたとされる「Helicron」の復刻モデルでございます。70年以上の時を経てよみがえった最新版のHelicronには、シトロエン製の空冷4気筒エンジンが搭載されていますよ。見事なレストア車だと評判のようでして、現在でも運がよければフランス国内を最高時速75マイル(約120km)で疾走している姿にお目にかかれるかも?

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こちらはちょっと余興になってしまいますが、デーブさんが趣味で1959年モデルとなるBMWの「Isetta 600」を改良して作り上げた「Aerocar」ですよ。なんか電動モーターで回る小さなプロペラがキュートですよね。いまでもデザインとしては最高なんじゃないでしょうか。ただ、デーブさんは本気で飛行機仕様に完成させたそうでして、さまざまなパーツやダッシュボードの各計器類なんかは、すべて本物の飛行機から部品を調達して装備されていたみたいですよ。

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そして、デーブさんが「Aerocar 2」としてマジで完成させちゃったのが、こちらの「L-5 Propeller Car」でございますよ。なんと有名なLycoming製6気筒の航空エンジンを搭載して、雪上でもパワフルに走行可能な自動車として仕上がっちゃってますね。

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雪上をパワフル走行するプロペラカーならば、やはりロシアの存在を忘れてはならないでしょう。こちらは1960年代のソビエト連邦で大活躍していたという、ロシアでは有名な「Pobeda」というモデルの大衆車がプロペラを搭載してスノーモービル仕様に改良されたバージョンですが、なんかこのパワーには現在でも圧倒されちゃいそうですね~

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さてさて、最後に取り上げますのは、1985年に製造された「Jetstream」というプロペラカーでございます。さすがに近代に完成したモデルとだけあって、グラスファイバーがベースのボディーは大人が2人で軽く持ち上げられるという超軽量仕様で爆速走行性能を実現したと話題になりましたよ。6枚羽根の54インチ(約1.4m)サイズのプロペラをフル回転させつつトップスピードで走行するならば、なななんと音速(マッハ1)を超える加速が味わえるみたいです! 耳をつんざく轟音を感じて、とんでもなく乗り心地は悪いそうですけどね。もうここまで来れば、さっさと翼を広げて大空へと舞い上がったほうがいいんじゃないってコンセプトになっちゃいますけど...

いかがでしたか? 自動車と飛行機の相性って、なかなかいいものなんでしょうかね。もっとも最近の男たちの挑戦のフロントラインは、飛行機と潜水艦の組み合わせへと移ってきているようでもありますが、やっぱり目をみはるような驚きのコンセプトの乗り物は、なんであれボクらのハートを熱く少年のように燃え立たせてくれますね~

[Dark Roasted Blend]

Sam Smith(原文/湯木進悟)