ベストセラー作家が電子書籍へ向かう理由

ベストセラー作家が電子書籍へ向かう理由 1

電子書籍。各国の出版制度によって利点やマイナス面、諸事情がいろいろ違ってきますよね。それでも世界中で注目されている電子書籍。米 GIZMODOではMichael Ashley氏をゲストに迎えてアメリカの電子書籍化のお話をきいています。

最近ではどうやら、ベストセラー作家達が従来の出版社ではなく電子書籍出版社=E出版社から本をだそうとしている動きが顕著になってきたようです。

アメリカ出版協会 ( Association of American Publishers)が報じたところによりますと、電子書籍の売り上げは2009年から176%アップ、紙書籍はあいかわらず売り上げダウンだそうです。書き手にとってE出版の魅力は無限大ですが、1 番大きなものではやはり書き手が自身の本の売り上げをより手にいれることができる、というところでしょう。もちろん編集作業だってより簡単になりますし、生産プロセスだってもっと速くなります。さらには、書き手自身が出版のプロセス全体をよりコントロールすることができ、全く新たな読み手に届けることもできるでしょう。出版業界はこの大きな動きにちゃんと目をつけています。多くの企業(例えばAndrew Wylie氏の会社)がE出版に特化した会社を始めようと計画しています。そんな中、書き手がE出版へ向かうのも実に自然な流れですね。

【時間の問題】

従来の出版のやり方では、出版までに何年もかかることがあります。出版社からあがってくるゲラを待つだけでもこれまた相当な時間がかかります。この点、E出版のプロセスは実に速い。書き手がコンテンツを(専用)サイトにアップ、編集側がネットーワークを介してそれをチェックし編集作業をし、数日または数時間のうちに書き手の元にチェックが戻ってきます。そうしてできあがったものを、書き手が出版、このプロセスが1ヵ月くらいというこのスピード。時事ネタをとりあげるタイプの書き手にとっては、このスピードは大きな魅力です。

この速度の魅力は書き手だけでなくもちろん読み手にもあります。E出版されればすぐにダウンロードすることができるのです。近くの本屋さんまで行くことも、ネットでオーダーした本を待つこともないのですから。

【お金の問題】

紙出版にくらべてコストがかなり削減できる。編集者に配る写本の数も、もっと言えばこの写本を届けるためのコストも、E出版ではぐっとカットすることができます。さらには書き手自身の紙やインクもぐっと節約。

紙出版ではE出版と比べ約3倍もの物理的な材料を必要とします。E出版では書き手により多くの本の利益がはいってきます。例えばfastpencil.comではサイトからの本の売り上げの実に80%が作家の手に入る事になっています。80%はかなり大きな数字です。読み手にとっても E出版だと紙よりも安く手にいれられたり、時に無料で読めたりとコストの利点があります。

【書き手が舵取りを】

初めから終わりまで書き手がコントロールできる、決断を下すことができます。1度書いてしまえば、あとは書き手が編集者を選び、さらにどのように売っていくかというマーケティングにも100%関わることができます。次世代E出版社はきっと、書き手にどこで売るのがいいのかというオンライン本屋さんのリストを渡したりするのでしょう。書き手が値段まで決める事ができます。つまり、書き手はより少ない契約で、自分の本をどうしたいか、より多くの選択肢を得ることができるのです。

【より広い読者へ】

E出版することで、書き手は今までにはなかったジャンルへもアプローチすることができます。今までにないジャンル=テクノロジー。書き手は本の中にグラフィックや音楽や動画、アニメーションを組み込むことができるのです。書き手が自身のブログや本屋さんを通じてコミュニケーションをとる以外にも、もっと多くの人に相互的に(ブロガー等の手を通じて)アプローチすることもできるでしょう。多くのブロガーはレビューセクションを持っています。彼らに物理的に本を送るよりももっと簡単にメールで送ることができたら。レビューがポストされたらブログ読者はすぐにそこから本を購入することが可能、そして読者がまたブログに書評を。電子書籍の方がネット上でひろがりやすいと言えるでしょう。

読者にとってもより広い世界へ。E出版ならいつでもどこでも。本屋さんに行く暇がない貴方でも思い立ったらすぐにその場でダウンロードできるのですから。じつは電子書籍とうオプションがあるおかげで、より多くの本が読まれているって知ってましたか? 出版業界のある研究グループによりますと、51%の電子リーダー所有者が、電子書籍の購入が去年はより増えたと答えたそうです。

【柔軟に対応できる未来へ】

本をクラウドでデジタル化することによって、書き手にとってはより簡単な編集プロセスができます。オンライン出版というものができる以前は書き手にとって写本を編集するのは実に面倒なことでした。面倒な編集をしたあと、またそれを何部もコピーするわけです。そしてまたチェック。あぁ、面倒だ。デジタル化することで、このプロセスが実にスムーズに。出版後にアップデートしても、そのまま読み手の電子リーダーへ送られ読み手の手の中にあるものもアップデート。

E出版社はどんな作品でもこれからでてくるどんなリーダー端末でも読めるように保証してくれるでしょう。


Michael Ashley氏(別名Mash)はiPad Publishing GUide : Write, Publish and Sell Your Book on the Apple iPad with FastPencilの著者。KindleiPadFastPencil.com でダウンロード可能です。Mash氏は FastPencilの創始者&CTO。(FastPencilは書き手が書いてから出版するまでを数クリックでお手伝いするサイトです。)ウェブアプリケーションとオンライン出版で12年の経験がある企業家です。

日本でも広がっているE出版、電子出版。やはり1番の利点は書き手と読み手の距離が縮まることです。間にある者を省く事によって時間やコスト面で読み手と書き手にとっていい状態ができていくのではないでしょうか。

やはり、電子出版には世界中で注目が集まってますねぇ。

Michael Ashley(原文/そうこ)