...節子、それ、ホタルやない、ゴキブリや...。発光するゴキブリのインスタレーション(動画)

だいぶトンガッた作品ですね。

作者さんによると、この作品のテーマは次の通り。

蛍によく似た生き物、コックトーチ発光するゴキブリ)と人間のインタラクションをテーマにしたハイブリッドアートです。ほたるの価値、僕らが蛍に抱く価値観は何によるのでしょうか。

蛍の慈しむべき儚さや美しさ、それはゴキブリであろうとも変わりません。我々の中には、彼らが殺しても死なないようなイメージや、しぶとさなどの象徴として扱われたイメージがあります。また彼らを「効率的に」殺害するテレビCMを見ない日はありません。

でも、実際のところ、そんなことはありません。彼らも十分に普通の生き物です。4日も食べ物を摂取しなければ死んでしまうし、衝撃にも弱く、体の油膜を失うとすぐに衰弱し、死んでしまうような弱い生き物です。僕らは日々ゴキブリを殺しています。これは極めて日常的な行為でありながら、殺すという非日常がそこにはあります。動物愛護というとステレオタイプが付いてきそうですが、愛護まで行かなくても日常的に殺し続けるということは忌むべきことなのではないでしょうか? 彼らは我々に意図的に危害をくわえることはまずありません。清潔な環境であれば、共に生きることが出来ます。

考えてみて下さい、彼らの死を想ってやって下さい。

人であっても、虫であっても、誰でもそう簡単に死にたくはありません。それはゴキブリも一緒です。死に瀕した人が何かをするとき、しぶといとか、殺しても死なないとかいう言葉をかけるでしょうか?  生きることに必死な彼らをあざ笑うことがどういうことなのか。僕らは今一度、彼らの死を想うことはできないのでしょうか?

事実、この作品で彼らとふれあった人々は皆、彼らのことをより理解出来るようになりました。死に行く彼らを悼むことが出来るようになりました。

命の線引きや、その価値観が、美しいか美しくないかに寄ることがあってはならない。それがこの作品のテーマです。

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個人的にはゴキブリって見かけだけじゃなくて、動きも気持ち悪く感じるんですよね。

僕、実家にいたころ本物のゴキブリを一度も見たことなかったんですけど、上京して初めての夏、自分の部屋の白い壁にピタっととまっている黒いヤツを発見し、何だろうと思って接近したら「カサカサカサカサ~」と僕の足の上を通って逃げやがったんですよ。その瞬間全てを理解してゾッとしました。それ以来ゴキブリは苦手です。

だから今回のビデオみたくゴキブリと触れ合うのは、ちょっと僕には辛いかな。

[Yoichi Ochiai]

(鉄太郎)