SF過ぎる旧ソ連ミサイル迎撃システムの中枢部(動画)


事実は小説より奇なりと申しますが。

このどっから見てもルーカスのILMのデザインにしか見えないピラミッドは、れっきとした実在の建造物―旧ソ連ミサイル迎撃システムの中枢「DON-2N(ピル・ボックス戦闘管理レーダー)」です。

世界最強のABM(弾道弾迎撃ミサイル)レーダーにして、世界最高の精度を誇る軌道追跡システムとされ、今も現役で使用され、アップグレードを重ねているものです。実働30年とも言われています。

クフ王の墓を思わせる威容に「世界八番目の不思議」と呼ぶ人も。

場所はモスクワ北部プシキノ近郊です。クフ王の墓が1辺227mなのに対し、こちらのピラミッドは130m四方あります。米ノースダコタにもPARCという似たようなピラミッド(NORADの潜水艦発射弾道ミサイル早期警戒システム)ありますけど、これに比べたら...。

1978年着工、1987年完成。専門家の見積りによりますと、建設に要した資材はコンクリート5万トン、ケーブル延べ2万km、配管数百km、鋼材3万2000トン。冷却水の調整に使う鉄バルブは計1万個。

ラジエーター(電波放射器)は各アレイに6万台もついており、「この10年間断なく働き、ロシア上空3700kmの宇宙空間までスキャンしてる」(English Russia)んです! 

 

で、どれぐらい正確かと申しますと、宇宙空間を舞う石ころまで探知できるんです、いやホント。事実、1992年12月に米ディスカバリー号が宇宙で鉄の玉を6個放り出した時も、その直径わずか5cmの玉を2個探知し、軌道をビシッと割り出せたのは唯一このDON-2Nだけでした。

しかもこのDON-2N、有事には外部の影響を遮断し単体で任務遂行も可能です。攻撃を受けると、基地の巨大な鉄の扉がぴったり鎧戸のように閉まって、中の指令センターから低高度迎撃ミサイル「ガゼル」68基を制御できるんですよ。

[Russian Strategic Nuclear Forces and English Russia]

関連:SH-11ゴーゴン/SH-08ガゼル対弾道弾迎撃ミサイル

Jesus Diaz(原文/satomi)