地球から月までの距離の求め方

地球から月までの距離の求め方 1

古代ギリシャ人がやったんだから、あなたもできる! 簡単に分かる事実の組み合わせで地球から月まで大体の距離を計算する方法をご紹介します。月の美しい夜長にでも読んでみてね。

宇宙空間の距離を計算する上で一番の難しさは、基点がなかなか求めづらいこと。地上の物体でも大きさ・距離が見積もりにくい時ありますけど、地球なら周りの風景は測れますから、そこを出発点にできますよね。月にもいくつか手がかりがあることはある ―例えば太陽や星々よりは明らかに近い― のですが、計測困難な無の空間に漂ってる天体であることに変わりはないですから。

2000年以上昔、月までの距離はギリシャ人が概数を割り出しました。もうその頃には地球の円周も分かってたし、結果として地球の直径も把握済みだったので、見積もりのベースとなる絶対数はあったんです。残るは幾何学あるのみ。

彼らの多くはとりあえず丸い物を掲げ、太陽を遮るように持ってみたんです。ほとんどの場合、円と太陽は完全には重なりません。遠くに持ち過ぎると縁から太陽がチラッとはみ出て見えるし、近過ぎると円の方が余分に遮ってしまいます。

太陽の真ん前に丸い物体を掲げると、その後ろに影が円錐のように伸びてゆき、やがて1点に集約します。その点から仰ぎ見ると物体と太陽は過不足なくピッタリ重なって見える。その点を結ぶまでの距離が地球では、物体の直径の108倍の距離に相当するのです。

ビーチボールを掲げるとそのビーチボールを108個並べた長さの影が伸び、一番遠い点から見ると太陽を完全に遮って見え、ペニー硬貨ならペニー硬貨の幅の108倍の長さの影ができる。地球なら地球の直径の108倍の長さの影ができます。

 

地球から月までの距離の求め方 2
月は月食の時、地球がつくる影の中を通過します。つまり月がいかに大きかろうと小さかろうと、地球の直径の108倍の距離の中を是が非でも通らなきゃならないんですね。事実、月食では月が地球の影に部分的に遮られる現象(部分月食)も観測されました。その地球の影の幅を測ってみたら月の幅のザッと2.5倍だったのです。

でもそれだけじゃ大きな月が遠くを通過してるものやら、小さな月が近くを通過してるものやらで、月までの距離はわかりません。これは本来、計測不能なのです。しかし超ラッキーな偶然もあるもので、月のサイズと距離って地球から見て太陽とぴったんこ重なるサイズと距離なんですよ(皆既日食、ダイヤモンドリングってものがありますものね。追記:地球は月の直径の108倍の距離、太陽の直径のほぼ108倍の距離です)。

つまりあのビーチボールやペニー硬貨みたいに月が自分自身の影をつくり、その影が地球で終わるというわけです。しかもより重要なのは月の影は地球の影と同じ角度で点を結んで終わるので、サイズだけ異なる相似の三角形になる、ということ。

地球から月までの距離の求め方 3
以上の点を踏まえると、三角の内訳はこうなります。

最大の三角(ABC:地球の影)は、底辺が地球の直径(8000マイル=約1.3万km)で、高さは地球の直径の108倍(864000マイル=約140万km)。最小の三角(ECF:月の影)は、底辺が月の直径で、高さは地球から月の公転軌道までの距離。中サイズの三角(DBE:月の軌道で切り取った地球の影の残り)は幅が月の直径の2.5倍だったのですから、三角は全部相似なので、高さも月の軌道までの距離の2.5倍です。

月までの距離は太陽側を通過する時も反対側を通過する時もほぼ同じなので、中サイズの三角(DBE)の高さを小さな三角(ECF)の高さに足すと最大の三角(ABC)の高さとイコールになります。つまり月の軌道までの距離の3.5倍。

地球から月までの距離の求め方 4
よって月までの距離は、地球の影(864000マイル=約140万km)割る3.5で、約24万7000マイル(39万7507km)となります。Universe Todayによりますと月までの平均距離は23万8857マイル(38万4403km、最大最小で4万3592kmの差)。むお~、こんなとろにもギリシャ人の叡智が!

(警告:僕のMSペイントのスキル笑っちゃだめだよ)

Via Virginia Edu and Universe Today.

Esther Inglis-Arkell(原文/satomi)