苦労の先に美味しさあり。ピノ・ノワールの聖地オレゴンのワイナリーの戦い

苦労の先に美味しさあり。ピノ・ノワールの聖地オレゴンのワイナリーの戦い 1

もうすぎでボジョレーの解禁日! ということで、今日はワインのお話。

ワイン好きな人なら、ご存知かと思いますが、オレゴンのWillamette Valleyはアメリカ内でも最高なワインを生産しています。特にピノ・ノワール。今ではピノ・ノワールの聖地なんて言われたりしていますが、美味しいピノ・ノワールを皆さんにお届けするために日々闘っているんです。

 Ken Wrightさんは1986年にオレゴンのCarltonに引っ越し、1978年からワインを作りつづけています。オレゴンは、気候・地勢・土壌の個性となるテロワール繊細で気難しいピノ・ノワールの栽培に適しているんです。海から吹きつける冷たい風は温かい風を谷底から追い出してくれて、熟成したブドウの酸味を保ってくれるんです。この酸味こそがピノ・ノワールの特徴ですよね。

ただ、このエリアは太平洋から向かってくるパイナップル・エクスプレスという偏東風でも有名で、大雨の影響でブドウが全滅してしまう危険性も含んだところなんです...。特に、西側にあるブドウ畑は、冬になるとハワイあたりから吹き込んでくる湿った風がVan Duzer CorridoというCosta Range山脈が少し低くなった所を通過し、大雨が降る事が多いんです。

第一波の雨がオレゴンを見舞った時、大抵は10月中旬ぐらいですが、収穫前にブドウが水浸しにしてしまうリスクがあるんです。

ブドウが病気になったり水浸しになる前にブドウを収穫しちゃうのが理想的とWrightさんは、離れにある得体のしれないステンレス製の機械の前に達ながら説明してくれました。

でも、残念ながら熟した果実が何週間もつづく雨のせいで、風雨にさらされつづけ、水浸しになってしまう事もあります手塩にかけて育て、最高のブドウを収穫しようと思っていたのに、雨で希釈されデリケートな風味が失われてしまうのです。ただ、その年のロットを悪いものとして記録しておく代わりに、Wrightさんはよりよいオプションを見つけることができたんです。

どんな液体も真空状態になると、沸点を押し下げる事ができます。作りだす真空値が強ければ強いほど沸点はより低くなるんです。とWrightさんは言います。真空値は彼の機械だと-0.997 barまで近づけることができるとか。これは驚きの値ですよといって彼は笑っていました。

収穫した後、水で膨らんだブドウのしぼり汁を真空蒸発装置に投入します。そして、私たちは10度でそのブドウのしぼり汁を沸かすことが出来ます。これはこの機械がある部屋の周囲温度よりも低い温度です。ジュースとワインの敵は2つあります。酸素と熱です。この加圧室の中には両方とも存在しません。

こんなにも低温で沸騰させても、1つのジュース缶あたり80リットルの水を1時間で取り除くことができるんです。この濃縮されたジュースを、その他の収穫されたブドウのしぼり汁に加えると、雨の被害にあっていないブドウと糖分が同じになるんです。

数年前に彼が実験しながら作った混合飲料は、なかなかいい出来でした。自然のブドウ糖とアグレッシブなイーストだけを使い18% ABVに到達させることができたんです。ポートワインを造る際に加ええられるホワイト・スピリットを一切使うことなく。ただ、Wrightさんの目標は本来の良さを失ったブドウを元の状態に戻すことなので、研究をつづけ今のメソッドにたどり着いたんです。

蒸発器は決して安くありません。でも、ミラノからWrightさんと友人の栽培者が先陣を切って2機の真空蒸発装置を輸入すると、その他のブドウ園の人達はこぞって使うようになりました。今ではオレゴンで真空蒸発装置を持っているブドウ園は片手では数えきれません。

私たちは、人生の1年1年を農作に費やします。だから、問題を癒す解決策があって、違いが出せるなら標準以下になってしまう事を受け入れるなんていうのは愚かなことです。

今年の雨は早めにくるみたいですけど、この技術があれば大丈夫。美味しいワインが飲めますね。オレゴンのピノ・ノワール、まだ飲んだことのない人トライしてみてはいかがですか?

- Joel Johnson(原文/junjun )