見捨てられかけた火星探査機「スピリット・ローバー」を待ち受ける極寒の試練

見捨てられかけた火星探査機「スピリット・ローバー」を待ち受ける極寒の試練 1

見捨てられそうな優秀な宇宙開発ロボット」これだけで映画のストーリーっぽいですが...。

NASAの火星探査プログラムの一部であるスピリット・ローバーは、火星の砂漠で停止してしまっていて、冬を越すことは難しいと見られているようです。

昨年の暮れ頃にスピリットに致命的なホイールの故障が発生し、NASAが公式に永久にその場に留まるしかないローバーを「静止観測点(stationary probe)と名付けたのは、ちょっと最近の話でした。

砂漠の真っ只中で余命を終えそうになっているとは...、なんとも悲しい運命のロボットです。

 3月22日にスピリット・ローバーは緊急休止モードに入り、NASAとの通信が止まってしまいました。厳しい火星の冬と、停止した場所のせいで向きの悪い位置になったソーラーパネルの影響もあり、ローバーの栄光あるミッションはついにその活動に幕を下ろすことになりそうです。火星に降り立って以来7年目、当初の90日のミッションより遥かに長く火星に滞在していることになります。

NASAがもはやスピリット・ローバーへのコレ以上の期待がもてない理由として、以下のようなポイントを挙げています。

ヒーター:NASAはスピリットは内部ヒーターの動作に必要な燃料が十分でなく、華氏67度かそれよりも寒い冬の期間では、システムのリカバリーが難しい。

時計の停止:緊急休止モードの間、スピリットは正確な時間を計測できなくなっている可能性があるらしい。ローバーが再起動して時計をリセットした場合は、休止モードの期間が11月まで伸びてしまい、地球との通信が不可能になってしまう。

晴れるチャンス:ダメージを受けている本体に厳しい状態が続く。火星では冬にかけての空がだんだんと曇ってくるとNASAは予測。つまりただでさえ凍りつくような気温なのに、3月頃から続いているような太陽光は期待できない。

これらの全てに少しでも希望があれば、ローバー・スピリットは静止観測点として、火星の傾きや火星の内部がどうなっているか(核は液体状?固形?)について解明するのに役立つはずなのですが、休止モードから復活しないと何も進まないそうです。

スピリット・ローバーの見た目といい、見捨てられたロボット(いや、見捨てられかけている?)という可哀想なシチュエーションといい、なんか映画「WALL・E(ウォーリー)」を思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか...。

[MSNBC]

Jack Loftus(原文/mayumine)